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情熱リーグ優勝のウインズ一関はクリーンスタッフや警備スタッフまでが一体となった営業力の強さがあった

第7回ぱちんこ情熱リーグの決勝戦が7月27日、大阪市の「エルシアター」で開催された。参加172店舗の頂点に立ったのは岩手県の「ウインズ一関店」だった。



覆面調査と会場の投票では2位だったが、審査員得点で5人中、4人がウインズ一関店に投票した結果、逆転優勝となった。女性店長がリーダーとなり、クリーンスタッフや警備スタッフまでが一体となった営業力の強さが4円、20円のみでの営業を未だに続けることにもつながっている。

2014年、ウインズグループ初の女性店長に就任した田鎖真美さんは、翌年、全スタッフを前にして「ぱちんこ情熱リーグの舞台に上がりたい」と宣言した。



店長就任当初から月1回、全員参加の店舗ミーティングを開いていた。目指す方向性はホールスタッフだけでなく、クリーンスタッフと警備スタッフも加えた全員営業で「また来たい」と思われる店舗づくりだった。

この延長線上に、情熱リーグという新しい目標ができた。決勝の舞台へ上がるからには「日本一」を目指すために情熱プロジェクトが発足する。

プロジェクト活動では「情熱日報とバディーシート」、「ゲストブック」、「セールス」の3つの新たな取り組みがスタートする。

情熱日報は週ごとにリーダーを決め、目標を設定し、終礼時に1日を通して全体の雰囲気はどうだったか、目標に対する行動はどうだったか、その日輝いていたスタッフなどをリーダーが日報に毎日記入して行った。リーダー役は全員で交代するので、リーダーとして周りを巻き込むことの大変さを学ぶことができる。

バディーシートは、朝礼でクジ引きによりペアを組み、互いをチェックする。各自が決めた目標に対してバディーが4段階評価して行く。このバディーシートを基に週1回プロジェクトメンバーが改善点を話し合う。店長からのフィードバックをもらいながら改善スピードを上げて行った。

ゲストブックは月15回以上来店している会員が対象となる顧客カルテルのようなものだ。お客様が嫌うことなども書き込まれ、できるだけ不快な気持ちにさせない接客を心掛けている。毎月ターゲットとなる顧客10人を絞り、顧客に合わせた接客でタイムリーなサービスを提供することで、月15回以上来店していただくように努めている。

その結果、2月からスタートして200人分のゲストブックが出来上がっている。

セールスでは台選びに迷っているお客さんに対して、お客さん好みの台を勧めた。

この3つの取り組みを実践した結果、MS調査で2年間で14.5点UP、再来店回数が4.2回UP、台選び時間が平均3分56秒短縮された。



ウインズ一関では稼働目標を達成するために、チームワークとスピード、空間演出の3本柱に力を注いでいるが、田鎖店長のイチオシは、戦力として欠くことができないクリーンスタッフや警備スタッフの存在だ。

クリーンスタッフは6人。うち5人はグランドオープンから勤務している。同店の生き字引的存在でもある。オープン当初からクリーンスタッフでもインカムを付け店内外の清掃だけでなく、人手が足りない時にはクリーンスタッフ自らがランプ対応に走ることもある。オススメ景品の販売や会員の勧誘までクリーンスタッフがこなすというのだから驚く。



「おじいちゃん、おばあちゃんで玉が出ているお客様に『今日はよく出ていますね』と声を掛けて会員の話をさせていただいています。私たちがお願いした方が快く入会してくれることもあります」(クリーンスタッフ・堀文子さん)

年配客には年配のクリーンスタッフが勧めることが安心感になるのか、会員獲得率も高い。
クリーンスタッフは全員が地元に住むメンバーなので、顔見知りの顧客も多く、世間話をしながらお客様情報を収集し、それをフィードバックしている。

警備スタッフもクリーンスタッフには負けてはいない。佐々木幹夫さんは「私は単に警備の仕事をしているのではありません。お客様の安心と安全を守ることが私の仕事。そしてお客様には快適に過ごしていただきたい。そのためにはお客様とのコミュニケーションがなによりも大事になってきます」と言い切る。



警備スタッフもインカムを付けている。
「○○さまが、西口から入店されます」と連絡すると、ホールスタッフやクリーンスタッフがその入口で出迎える連係プレーが出来上がっている。また、ホールスタッフも「〇〇さまが、東口から出て行かれました」とパスを返す。

他府県ナンバーの不審車両が止まっていると「店内巡回を多目にお願いします」と注意を促す。雨が降り出すと「入口付近の床が濡れ始めますから清掃を小まめにお願いします」と指示を出す。外からも的確なサポートを行う。ホールスタッフ以外のクルーンスタッフや警備スタッフも確実な戦力になっていることが分かる。



多様な人材を積極的に活用するダイバーシティの実践。これがウインズ一関の強みだ。


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どんな些細なことでも本気で取り組むと組織は変わる

第6回ぱちんこ情熱リーグより

駐車場にいたスタッフから店内のスタッフにインカムで「お客様が正面入り口からはいられます」と連絡が入る。すると正面入り口にスタッフが並んで「いらっしゃいませ」とお出迎えする。

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これが岡山県津山市の「ノースオメガ」で行われている日常の光景である。

同ホールは過去4回ぱちんこ情熱リーグに参加してきたが、どんなに努力しても決勝の舞台へ進むことができなかった。自分たちで考えても分からないのなら、優勝経験者に教えてもらえばいい、という考え方に切り替え、
連覇を果たした大阪のベラジオと前回優勝の徳島のグランド商事へ教えを請いに行った。

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ブラックボードに新台の遊び方を書いて貼る、来店したお客様にはウエルカムオシボリを渡す、トイレにはうがい薬や歯磨きなど、お客様からの「あったらいいね」を形にして行った。

こうした環境整備の取り組みは、グランド商事から取り入れた。

稼働が低迷する中、4パチ、20スロを捨て、1パチ、5スロにチェンジした。この変更は勇気がいった。顧客満足を徹底する決意をする中、稼働が回復して行った。

お客様が入店する前から本気のお出迎えは、べラジオから学んだ。ベラジオは過去の大会でも予選段階から高得点を叩きだし、驚きと感動の接客を入店前から行っていた。

「優勝店舗とのつながりから、どんな小さいことでも本気で取り組むことを学んだ。それまでできなかったことが、少しずつできるようになり、周りから認めてもらって、自分が楽しくなった。本気でやることの意味を知った」(スタッフ)

とはいっても最初はやりたくないスタッフもいて、まとまらなかった。しかし、とにかく全力でやり続けた。

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情熱リーグの覆面調査員から女性スタッフはこんな評価を受けた。

「表情豊かで気持ちが伝わって来た」

この一言で自分の接客に自信が付き、前向きに挑戦できるようになった。

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「100%の本気が仲間に伝わり、100%の本気を生んでいく。本気は本当に連鎖することを学んだ。当たり前のことを本気でやる。それをバカ正直にやってきた。目の前の当たり前と思えることを本気で徹底的にすれば、必ず道は開ける。たとえ、すぐに結果は出なくても」(児嶋副店長)

本気になることを本気で学んだ結果が、優勝の舞台へ進むことができた、ともいえる。

さらにこう続ける。

「今、業界は釘問題やイベント禁止、広告・営業規制でこの先どうなるか不安が大きくのしかかっている。そんな今だからこそ、人をこんなにイキイキ成長させ、人を豊かにする仕事がパチンコであることに気づいた。どんな壁にぶち当たってもこの信念を元に前に進み続けて行く」と決意する。

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徹底したあいさつとやりたいことを任せるチーム制で業績改善

第6回ぱちんこ情熱リーグより

東京都多摩市にある「パーラーマイニチ聖蹟桜ヶ丘店」は、駅前型の中規模店舗。営業歴は35年ほど。

創業の本店は営業歴46年の八王子店だったが、遊技人口の減少などから、一昨年末に閉店を余儀なくされた。そういうこともあって社内には不穏な空気が流れていた。

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業績が低迷すると、早く帰れる日でも「仕事をしない奴」と上司から見られた。

追い打ちをかけるように、冬のボーナスが出ない、退職金制度も廃止…家族からは「会社大丈夫?」と不安がれた。

本店の閉店経験者が聖蹟桜ヶ丘店に異動になった。

「あんな思いは二度と部下にはさせたくない。そのためには自分が変わらないといけない」(木口マネージャー)

それまでの木口マネージャーは社内でも浮いた存在だった。

「あいつは熱すぎて、近くにいると火傷する」

そんな評価に腐っていた。

縁あって、ぱちんこ情熱リーグで2連覇を果たした大阪のベラジオで1カ月間研修を兼ねて働くチャンスをもらった。

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この時一番感化されたのが、「もっと熱く仕事をしろ」と本気で取り組むベラジオの情熱だった。

「オレがマイニチを変えてやる」という情熱を持って東京へ帰った。

最初に取り組んだのがあいさつの徹底だった。それまでは店内のお客様だけだったが、木口マネージャーが提案したのは、「地域の1万人の人に感謝の気持ちを込めてあいさつしよう」と店の外を歩いている通行人にもあいさつすることだった。

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しかし、現場からは「あいさつで何が変わる! 意味ないから止めよう。どうせすぐに止めるんだから」とアルバイトから反発の声が挙がる。

「あいさつの徹底で業績を上げる」と決断したのは河村店長だった。

木口マネージャーは元気過ぎて、以前の上司からは「黙っている」といわれていたが、今の上司は「一番元気があるから店の模範になって欲しい」と評価も上がった。

垂範率先。まず、役職が店頭に出て、すべての通行人にあいさつした。

最初は通行人から白い目で見られたこともあった。あいさつ活動を続けて行くうちに「おはよう」「いつも元気でいいね」「今度店に遊びに行くよ」と返事が増えるようになった。

反対していたアルバイトも、店の外にも沢山のコミュニケーションがあることに気づかされた。

あいさつで店を変えていく、という思いに共感して、積極的に行動ができるようにアルバイトも変わって行った。今ではスタッフ全員がお客様と楽しく話ができる店になった。

もう一つホールが変わった要因として「チーム制」の導入が挙げられる。これは役職や職位に関係なく、自分の得意な分野をやりたい人が、やりたいことを自らが考えて行動することだ。

チームはパチンコ、スロット、販促、メンテナンスなどの部門に分かれている。

例えば、スロットの設定。従来は新台に設定を入れると上司から怒られた。チーム制になってからは上司の顔色を窺うのではなく、お客様をいかに楽しませるか、という考えの下に行動するようになった。

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「チーム制を導入してから、いわれたからやるのではなく、自ら考えて行動するようになった。チーム活動とは仕事を任せること。全員に最高のパフォーマンスを発揮するための環境を作ることに徹することが私の仕事」(河村店長)

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誰かのやりたいを助け合う。本気を極めるチームになって行った結果、数字を上げられる集団になって行った。経常利益が前年対比でアップするようになった。


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集めるから「集まる店」への挑戦

第6回ぱちんこ情熱リーグより

昨年1月31日、愛知県稲沢市にグランドオープンした「夢屋祖父江店」(550台)は、オープン時は新人スタッフばかりの集団だった。同社が接客レベル向上のために実施している「グッドサービス」では、100点満点で35点、という点数からのスタートだった。全店平均点が70点、チェーン38店舗中38位、と最下位だった。

グッドサービスは月2回、社内の評価者が営業中のホールを巡回して、基本動作ができているかどうかをチェックする。

不名誉な記録は1カ月で脱出する。

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スタッフの1人が、評価者の前だけ3倍の笑顔と3倍のあいさつを心掛けるように、現場に指導した。それは点数と評価のための接客指導だった。

「点数が上がれば自分の評価も上がる!」

そんな下心はすぐにスタッフに見透かされる。

「評価者よりも目の前のお客様が大切なんじゃないですか」と現場のスタッフから声が挙がる。

接客のグランドチャンピオン大会に出場した時、顧客から「頑張っている姿を見ていると死んだ孫を思い出す。会いたいからまた来るね」という手紙をもらった。

この時「評価者のためではない、お客様のための接客が感動を生む!」と評価者のための接客と決別すると、エクセレントサービス(個別対応能力、感動サービス)に力が入るようになった。

祖父江店のスタッフはエクセレントサービスを「お客様のことを常に考え行動し、私たちに会いに来ていただけるような接客」と定義づけた。

そして、合言葉は「今日のスペシャルは、明日のスタンダード」。標準化したサービスを積み重ねる

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具体的にはこんなことを実践している。

■駐車場巡回

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駐車場の巡回はどこのホールでもやっている。同店の場合は、1時間に1回の駐車場チェックの時にお客様に出会ったら車内の吸い殻とゴミを回収する。

■駐輪場整備

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駐輪場整備もどこのホールでもやっている。同店の場合は1日2回駐輪場整備をする時に、自転車のタイヤの空気圧をチェックして、空気が入っていない自転車には空気を入れる。そこには安全に帰って欲しい、という願いが込められている。

■傘の貸し出しサービス

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これもどこのホールでもやっている。駐車場チェックで外へ出た時に急な雨で傘を持っていない人を見かけたら、それがホールの前を通る通行人であっても傘を貸し出す。

そして、今目指しているのが地域のコミュニティー店舗だ。地域柄お年寄りの数が多いため、街の公民館のような存在で、地域の交流の場になることを目標としている。

ホールでは珍しく地元の商工会にも加盟した。祖父江町は日本一の銀杏の生産地で、銀杏を使った特産品の数々の品を景品として取り扱っている。

地域を愛し、地域から愛される店になるための取り組みでもある。

笠ストアマネージャーは、夢屋グループとしては8年ぶりの新店に当初は会社の期待に応えられる数字を残せなかった。オープン当初は「新台の台数が少ない、チラシの回数が少ないから稼働が落ちる」と言い訳の日々だった。

今はこう言い切る。

「我々の使命は諦めずに知恵を絞り、限られた経営資源を有効活用し、成果を出すこと」

こういえるようになったのも週末を中心に稼働が上昇し業績改善に成果が現れるようになったからだ。

さらにこう続ける。

「すたっふぉと共に成長・実践し機械や販促に頼らない人と人をつなぐコミュニティー中心営業を行い、地域にならなくてはならない存在になって行く。集めるから、『集まる店』へ挑戦して行く」

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地域の人が公民館のように集える店は、今後必要とされる存在となって行く。


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また来たいと思う居心地のいい店づくりで高稼働ホールへ

第6回ぱちんこ情熱リーグより

埼玉県富士見市の「アリーナふじみ野店」は、東武東上線のふじみ野駅西口から徒歩3分ほどの場所にある。総台数は244台の低貸し小型店舗だ。「また来たい」と思う店づくりで平日でも高稼働を誇っている。

ちなみに1パチは37600発(全国平均24360発)、10スロ15800枚(全国平均7452枚)という稼働データからも高稼働ぶりが伺える。

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また来たくなる取り組みは、1人でも多くのお客様と接する機会を作り出し、声掛けのきっかけをたくさん用意し、居心地のいい空間を作りだすことだ。それが自分たちの居場所として捉えてもらうことにもつながっている。

「来たくなる」ためには次の3つを大切に取り組んでいる。
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①快適さ(遊技に集中できる環境を作りだす)
・駐輪場の自転車整理=出し入れしやすいように
・店内で気づかない些細な場所の改善

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②親切さ(お客様目線で気づき、機転を利かせる)
・ペットボトルを開けられないお客様にスタッフから声を掛けてペットボトルを開ける
・外国人から英語で聞かれ、焦ったがスマホの翻訳機能を使って対応
・機種説明担当スタッフが自分のいいと思ってことを機種説明に書いたところ、その機種が好きなお客様とかなり濃い話ができた

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③驚き(期待以上のサービス提供)
・タスポ利用を頼まれるお客様の行動を先読みして、自販機の前で待つ
・お客様の似顔絵を描いて、「大切に飾るね」と喜ばれる
・来店が遠ざかっているお客様に手書きの手紙を出したところ「手紙ありがとう」と声を掛けてもらった
・色紙でサンタクロースを作って店内に飾っていたところ、欲しいというお客様にプレゼントしたところ、後日手作りの爪楊枝入れをお返しに貰う

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こうした取り組み馴染めないスタッフも中にはいる。

そこで副店長が課した課題が会員募集だった。積極性がなく、自信のないスタッフだったが、まず目標を設定し、仲間が協力することで目標を達成することができた。そのスタッフは必要とされるためには「目標を立て、皆に知ってもらい、諦めずに最後までやり通すこと」を学んだ。

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自発的になるスタッフが増えることで、多くの顧客接点が増えて行った。それがまた来たいにつながって行った。

同ホールには「とりあえずやってみよう」という合言葉がある。やってもいないのに「出来ない」を認めたくないためである。

人間、褒められるとその気になる。期待されると燃えてくる。認められると目標が達成できるようになる。

「もっと褒められたい、もっと認められたい。そのためには時間も忘れて夢中になる。小さなことを積み重ね多くの失敗もあった。何もしなければ失敗はしないが、何も生み出さない。これからもチャレンジし続ける。また来たくなる居心地のいい店とは、お客様の期待に応えた時に生まれる」(スタッフ)

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お客様とのつながりを積極的に増やし、「また来たいと思える居心地のいい店」とは、小型店舗の生き残り策としても大いに手本となる。


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