この日、いつものようにエヴァンゲリオンの島に腰を下ろしたのは60代のAさん。彼は500円目でいきなり確変を引き当て、その後も連チャンを重ねるという絶好調ぶりを見せた。結果的に換金額はなんと13万5000円。この大勝に気を良くしたAさんは、有馬記念にも挑戦。500円の3連複馬券が2万円の配当となり、さらに10万円を手にした。これがまさに”冬のボーナス”といった形で、彼の気分は最高潮に達した。
Aさんが連チャンの最中、隣に座っていた80代ほどのおばあちゃんが頻繁に話しかけてきた。このおばあちゃんは、いわゆる”パチンコ名人”とも言える存在で、驚くべき知識と経験を披露してくれたのだった。
「会員カードは家族の名義も含めて6枚持っているのよ。1枚だけだと探すのが大変だからね。この1年、現金は一度も使っていないの。カードがなくなったらパチンコもできなくなるわ。貯玉は100万円以上よ」と自慢話を繰り広げた。
そのおばあちゃんも4パチ派で、ホームグラウンド以外の店でも打つことはあるものの、その場合は会員カードを持たないため現金を使うのが損だと感じるとか。Aさんはその話を聞きつつも、連チャン中の興奮が冷めることはなかった。
Aさんが大連チャンを終えてオマケの100回転でやめようかと迷っていると、おばあちゃんがさらなるアドバイスをくれた。
「300分の1の機種なら、160~170回転くらいでまた当たるケースが多いから、まだ打った方がいいですよ」
このアドバイスを素直に受け入れたAさん。すると、本当にまた連チャンが始まったのであった。
「おばあちゃん、ありがとう!」と感謝の言葉を伝え、この会話がさらなる興味深い話題へとつながる。
おばあちゃんは、ふと真剣な表情でAさんに問いかけた。
「もし私が死んだら、この貯玉は家族に相続できるのかしら? それに相続税がかかるの?」
答えに窮したAさんだった。これはホールの会員規約次第であり、直接ホールに確認すれば解決する。本人と家族関係を証明する書類があれば対応するケースもあるが、対応は店舗ごとに異なる。
実際、あるホールの会員規約では以下のように明記されている。
第9条 (退会、会員資格の喪失)
会員が死亡した時は、その資格および第4条の特典、サービスを受ける権利を喪失することとし、またそれらの相続およびいかなる処分も原則認められない事とします。
この規約がある場合、貯玉は基本的に相続できない。おばあちゃんの貯玉がどうなるかは、そのホールのルール次第ということになる。
Aさんにとって、この日のエヴァンゲリオンの連チャンとおばあちゃんとの出会いは忘れられない思い出となった。大勝ちによる喜びだけでなく、パチンコを取り巻く現実的な問題についても考えさせられる一日となった。パチンコという娯楽の中に、人生の一端を垣間見る瞬間があったこの師走の一幕。日報読者はどのように感じただろうか。

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