パチンコ日報

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世界市場を狙う新発想パチンコの可能性

「トヨタやホンダが水素自動車を開発したような発想が、遊技機メーカーにも必要だ」――そう語る業界事情通は、あるメーカーが極秘で開発中の遊技機に注目している。もし成功すれば、これまで国内市場に縛られてきたパチンコが、一気に世界へと広がる可能性を秘めているからだ。

その発想は、従来のパチンコ業界に支配されてきた思考からは決して生まれない。キーワードは「ネット」である。世界市場というのは、巨大なホールを海外に建てることではなく、インターネット上で展開する仕組みを指す。

「そんなものなら、すでにあるではないか」と思う人もいるだろう。しかし事情通は、「ネットでパチンコやスロットが楽しめるようになり、なおかつ換金を完全に切り離していることがポイントになっている」と強調する。それこそが水素自動車のような“ゼロからの発想”に近いのだという。

業界人からすれば、「換金できないパチンコやスロットを誰が打つのか」という疑問がすぐに浮かぶだろう。しかし、それはパチンコ脳に縛られた業界的思考だ。

かつてパチンコ業界は、換金もできないインベーダーゲームに客を奪われたという苦い経験を持つ。その教訓を思い出せば、換金がなくてもプレイヤーを熱中させるコンテンツは十分に成立することが分かるはずだ。

新たに開発されるシステムでは、成果に応じてプレイヤーに景品を提供する仕組みになる。その景品が、例えばポケモンカードのように世界中で市場性を持つものであればどうだろうか。

レアカードを求めて新規層がパチンコやスロットを楽しむ姿が容易に想像できる。ポケモンファンは国境を超えて存在しており、その熱狂は既存のパチンコ人口とは比較にならない規模だ。

さらに注目すべきは、人気のレアカードがマニアの間で高額取引されている現実だ。これまでのように、価値のない特殊景品を媒介にした3店方式での換金はもはや過去の遺物となる。

新システムは、世界規模で通用する「景品価値」を伴った新しい遊技文化を生み出す可能性を秘めているのだ。

ただし、この発想の裏側には冷酷な事実もある。メーカーが狙っているのはあくまで自らの生き残り策であり、ホールの存在は完全に無視されている。

ネット空間で完結する遊技が広まれば、物理的な店舗であるホールは不要となり、今以上に淘汰が加速するだろう。

つまり、メーカーだけが延命し、ホールは切り捨てられる構図だ。ホール経営者から見れば「また置き去りにされた」と感じざるを得ない。

水素自動車が自動車業界に新しい風を吹き込んだように、換金を超越した「景品価値型ネットパチンコ」は革命を巻き起こすかも知れない。

しかし、それは業界全体を救うのではなく、メーカーの延命策にすぎない。縮小する市場にしがみつくホールを顧みず、未来を自分たちだけで切り開こうとする姿勢は、逆に業界の分断を招く危険性もある。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. メーカーの思想は当然。
    パチンコ屋は自分らで舵を切れよ。
    等価交換で客の選別をした判断が今だ。自業自得。
    メーカーみたいな思考に切り替えな。
    湯屋  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 湯屋

  3. スマート化で玉製造業者や多くの設備業者を切っておいて、何を今さら感がありますね。
    営利企業が自己の利益を最優先するのは当然で、出版業界も中小の書店から消えていきました。
    将来を見据えているホール企業は、多角化等の出口戦略を立てています。
    日報読者  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 日報読者

  5. オンラインになってしまえばそれはパチンコとはいえないので。言い方は悪いが、やっぱり店舗という箱をもってブルーカラーや庶民を相手にするのがパチンコではないでしょうか。

    業界に欠けているのは「三方よし」の考え方ですよ。大手メーカーが政治的手段も含めて目先の利益を追求してもホールがなくなっていくというジレンマでしょう。今はメーカーが強くてもホール数が減ってくれば残ったホールは新台を買う必要がなくなるから結局はホールが強くなっていくじゃないですか。ホールを育てるのは単なるお人よしではないですよ。

    大手メーカーがホールを育てて回収するという循環に転換しないと「三方だめ」になってしまうでしょうね。決め手はオーナーがそういう考え方になることができるかでしょう。動いているのはサラリーマンなのでオーナーが目先の利益を追求すればそういう動きをせざるを得ませんよね。
    crazydoctor  »このコメントに返信
  6. ピンバック: crazydoctor

  7. 日報の脳内で「メーカー抜け駆けズルイ!」っていう世にも奇妙な物語。

    ポケカの景品提供は合法だが、レアカードの提供なら合法では無い。
    メイン基板  »このコメントに返信
  8. ピンバック: メイン基板

  9. 館があるからパチンコ屋といえると思います。
    どんなに設備が古くても、館があれば立派なパチンコ屋だと思っています。
    オンラインなんて、全く必要ないし、暑い日も、寒い日も、台風でも、吹雪でも、わざわざパチンコ屋まで行くところに意義というかパチンコの魅力があると思っています。

    それだけの価値があった平成初期のあたり、つまり、ハネモノが全盛期で、その勝ったお金で一発台に挑戦できるようなパチンコ屋であれば、私は今からでもカンバックいたします。

    19歳の浪人時代、故田山プロを追いかけ、池袋の山楽に行き、就職してからは開発前の溝の口のB-TOP、用賀の日の丸やクローバーで田山さんを横目に打ちながら、少しだけお話しました。。。釘について意見したら、『そんなの分かってる!!』と一蹴されたのも良い思い出です。。。

    今は53歳になり、もうパチンコを打つこともありませんが、あの頃の『パチンコ屋』に戻れるのであれば、私は競技復帰したいと思っていますよ。

    おそらくそんなファンは、まだまだ大勢いるはずです!!
    換金禁止  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 換金禁止

  11. 私もパチンコ脳でしょうけど換金が不可能ならパチンコ遊技機でのゲームには魅力は少ないと感じます。
    換金行為ではなく成果によった景品(希少価値)を提供するのは結局は射幸性を持たせるという意味では換金と同じように感じますね。
    インベーダーゲームに客を奪われたのは娯楽が少なかったという時代だからですよね。
    もちろん今の時代でもみなが熱中する新しいゲームや新しい娯楽がこれから出来ることも当然あるでしょう。
    でもそれはパチンコもしくは従来のパチンコから派生するものではないと思います。
    パチンコはやはり実地で、アナログで、少額で、上手くいけば換金が出来る、という点が大事かと。
    まあネット上でも別にいいんですが、法律的には今後も不可能だと思われますので。
    通行人  »このコメントに返信
  12. ピンバック: 通行人

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