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裏方から世界へ。ナツメアタリ改め「Winning Entertainment Group」の挑戦

家庭用ゲーム機向けソフトウェア開発を手がけてきたナツメと、遊技機の受託開発会社として知られるアタリ。その両社が合併し「ナツメアタリ」として活動してきたが、2026年1月1日、社名をWinning Entertainment Groupへと改めた。そこには、従来の受託中心の立ち位置から脱却し、グローバル市場を見据えたエンターテインメント企業として再スタートする思いが込められている。

アタリは2002年、パチンコの液晶開発を目的に設立された。以降、受託開発という立場で着実に実績を積み重ね、やがてサブ基板の開発まで担う存在へと成長した。しかし、日工組メーカーのように表舞台で語られることは少なく、あくまで「縁の下を支える技術集団」という位置づけに徹していた。

そのナツメアタリが初めて表舞台に出たのが、2022年9月のことだった。北米オンラインカジノ市場に向けて、スロットゲーム「Lightning Jungle」を投入。同社はオンラインカジノ開発会社として「Samurai Studio」を設立し、北米オンラインゲームプロバイダのODDSworks社を通じ、ミシガン州で最大規模を誇るBet MGMから配信を開始した。受託開発企業が、自社IPで海外市場に挑んだ第一歩だった。

しかし、日本国内ではその後、オンラインカジノを巡る問題が表面化する。違法とされる中で、2025年はプロ野球選手や芸能人の利用が発覚し社会問題化。オンラインカジノという言葉自体がネガティブで、企業イメージへの影響を考慮せざるを得なくなった。同社は結果として、オンラインカジノ開発をストップする判断を下す。

その転換期にあたって、社名変更の背景を小出光宏社長はこう語る。

「ゲーミングビジネス(カジノ)は芳しくなかったが、海外で面白いことをしたいという思いは消えなかった。そんな中、ITや医療に加え、ゲーム産業を国策として育成していた中東のバーレーンから3名の研修生を受け入れ、日本のゲーム開発を1年間学んでもらった。彼らがウチの海外チームに加わり、北マケドニアの開発会社と共同で企画したゲームがファンドを通過したことが、バーレーンに会社を設立するきっかけになった」

小出社長


こうして同社は、第三の柱としてグローバル事業を視野に、「ゲーム+α」でプロデュースに関わる事業を目指している。

その流れは、2025年の大阪・関西万博にもつながる。バーレーン経済開発庁と提携し、バーレーン館で展示されたカジュアルモバイルゲームを提供。開発を担当したのは、かつてナツメアタリで研修を受けたバーレーン出身の3人だった。


このゲーム「Ship of Time」は、伝統と未来を見据えた発展というテーマを融合させたもの。プレイヤーは、インタラクティブな体験を通して、伝統的なバーレーンの船(ダウ船)を操り、再現されたバーレーン湾を航行し、象徴的なランドマークを発見しながら、この国の投資とビジネスチャンスについて学ぶことができた。

裏方として培ってきた技術が、国境を越え、万博という場所で開花した。

Winning Entertainment Groupは今、受託開発の延長線ではなく、自ら物語を描く企業へと変貌しようとしている。その先に見えてくるのは株式の上場だ。


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