同ホテルでは、1勤務が25時間で、仮眠時間を含むシフトが導入されている。具体的には、チェックインから翌日のチェックアウトまでを1回の勤務とし、その後に2~3日間の休暇が取れる仕組みである。この「まとめて働き、まとめて休む」というサイクルによって、月に7~8回の出勤でプライベートの時間を十分に確保することが可能となり、特に若年層を中心に高い評価を得ている。
この勤務形態に着目した業界関係者は、別の業種にも同様のアプローチを採用できるのではないかと考えた。特にホール業務での新しいシフト形態についてのアイデアが浮かんだ。
多くのホールは午前10時から午後11時までの13時間営業を行っており、そのため早番と遅番の2交代制が一般的である。早番は比較的暇で、早く帰宅できるため「ラッキー」と感じる者が多い。一方、遅番は業務が忙しくなるため帰宅が遅くなりがちで、敬遠されることが多い。
もし、13時間営業を通しでこなす代わりに、翌日を休日にする。週休3日間の休暇が取得できるのであれば、現代の若者にとって非常に魅力的な働き方となるのではないかと考えた。
特に旅行や趣味の時間を充実させたいと考える若年層にとって、まとまった休暇の確保は非常に重要な要素である。
実際、ある調査によると、勤務先の休日数を「増えてほしい」と回答した人は67.4%に達し、そのうち78.0%が理想的な休日数として「3日」を挙げている。また、「4日以上」の休暇を希望する割合は、特に20代・30代において全体よりも5ポイント以上高いことが示されている。
では、なぜ現代の労働者はこれほどまでに「休暇」を重視するのだろうか。調査結果を見てみると、休暇を増やしてほしい理由として、1位に「趣味の時間を増やしたいから」(49.6%)、2位に「体が休まらないから」(46.4%)、3位に「気持ちがリフレッシュできないから」(44.7%)といった回答が得られている。これらの回答からは、現代人が仕事以外の時間をどれほど大切にしているかが明確に見て取れる。
とはいえ、現実的に考えると、13時間の長時間勤務が続くホール業務において、ホテル業界と同様のシフト形態をそのまま適用するのは難しいのが実情である。ホテルの勤務形態は24時間営業という特殊な業務形態に基づいているため、これを他業種にそのまま導入することは現実的ではない。
「若者は休暇を重視する」という調査データを持ち出しても、それを根拠にホテルの制度を真似ることはできない。ホールで本当に必要なのは、長すぎる営業時間や非効率な運営体制そのものを見直すことであって、他業種の働き方を借りてくることではない。
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