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逆張り戦略。スロット7枚交換でも支持される駅前小型店

今どき、スロット7枚交換のホールがある。しかも、稼働はついている、という。論より証拠。百聞は一見に如かず。現地へ飛んだ。

そのホールは関西のとある駅前商店街の中にあった。200台程度の小型店だった。全国的に見ても一番閉店を余儀なくされている立地パターンだ。

実際、目の当たりにしたスロットのメイン機種であるジャグラーコーナーは、20台ほどだが満台状態だ。


どうして7枚交換でも客を付けることができるのか? 同ホールの部長はこう明かす。

「チェーン店は5店舗あり、2011年10月に警察から一物一価の徹底を指導された時に遡ります。この店は元々7枚交換の43玉交換で営業していました。他のチェーン店は競合店との兼ね合いもあり、スロットは5枚の等価に合わせたのですが、地域性を考慮して熟考に熟考を重ね、この店だけは7枚を維持し、パチンコを35個交換に変更しました。一物一価の徹底で、大半のホールがスロットは5枚交換に走る中で、敢えて逆張りを通しました」

アーケード街の中にあるホール。駐車場はなく、外部から来る一見客はほとんどいない。常連客が8割、という状況から7枚交換を貫いた。

7枚交換のメリットは平常営業でも設定を入れやすことにある。常連客にもその営業方針は支持されていた。

しかし、コロナ禍で最大のピンチを迎える。高齢者が多いこともあって、出歩かなくなったために、売り上げが激減。2年間赤字が続き、オーナーは閉店も視野に入れた。5店舗あったチェーン店もここ1軒となり、会社の存続にも関わる問題だった。

一計を案じた部長は、ここで黒字へ転換させるために、秘策に乗り出す。それは一番コストがかかる新台は一切買わない営業方針を打ち出した。

常連客の反応は、冷ややかだった。「中古しか買えないということは、もうじきここも閉店だな」と陰口が叩かれるようになる。

この反応に対して部長は腹をくくる。

「中古しか買えないケチなホールとは思われたくないので、来店イベントの時、スロットは絶対に出すようにしています。幸い、駐車場もないような立地なので出してもプロが来ることもありません。常連さんにきっちり還元することができます。小規模店なので全6だってできます。どこに座ってもハズレがない。もちろん、イベントの時に出して、平常営業で出さないのでは、常連さんに来てもらうことはできないので、平常でも設定は入れています。それが口コミで広がりはじめ、最近は若いお客さんも来るようになりました」

小型店ならではなことは、常連客の顔がすべて分かること。設定を担当している主任は、常連客が打つ台を把握しているので、負けが込んでいそうな場合は、その常連客が打つ機種に設定を入れたりする。

スロットの機種構成は4分の3がAタイプなので、設定通りの動きをするので設定も入れやすい。

一方のパチンコは、35個交換なのでスタートは20回以上はしっかり回る。さらにベースも殺さないので玉持ちがいい営業を心掛けている。ちなみに、話題のラッキートリガー機については「長く遊んでもらえる機械ではないので」導入していない。


新台を買わない営業を貫いた結果、黒字営業に戻り、閉店の話も霧散した。

やはり等価営業では難しい、平常営業でも設定を入れる、パチンコは回らないというストレスを与えない、イベントではきっちり還元する営業方針が支持されているのは、7枚交換だからできることでもある。

ただ、他店が7枚交換を直ちに真似ても集客は難しい。5枚交換に慣れ切っているお客にすれば損した気分になるからだ。そこを解消するには平常営業でも設定を入れていくしかない。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 大勝ちしたい人もいるだろうけど、自分は長く遊びたい。
    こうう店本当に無いね、今。うらやましいわ
    定年リーマン  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 定年リーマン

  3. 論より証拠、能書きより実績。
    駐車場が無くプロが来ないとの好条件はあるが、
    「客を増やすのは出玉」を実践するこの部長は、無能コンサルより優秀。
    通りすがり  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 通りすがり

  5. 等価で3以下打つくらいならこっちの方が負けても満足でしょうね。
    カニミソ  »このコメントに返信
  6. ピンバック: カニミソ

  7. (函館富士方式)良いですね~。真似て成功させるには長期割高営業の覚悟が必要ですな。
    猫オヤジ  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 猫オヤジ

  9. これが浸透するといいよね
    パチンコはもうダメかもしれんし
    右3000発じゃもの足りないなんて意見も頻繁に見るようになった
    予想できたけどね
    一回の大当たりで7500発なんて絶対やったらダメだったよ
    どうなることやら
    名無し  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 名無し

  11. 何が7500だか。払い出しがそれな?
    権利物時代は、その確率って精々1/330位で、獲得が(交換出来る玉)6000発だったが。
    今のって1/600ですらないだろ。ベースはほぼ同じ、確率半分、出玉得るまでに客の財布をくたばらせないと店の赤。
    どこが遊べるんだか。
    くだらん  »このコメントに返信
  12. ピンバック: くだらん

  13. 私が大阪市東淀川区の上新庄に住んでいた時
    上新庄一番は4円35玉、1円140玉、スロット7枚でした。
    スロットが新台入れ替えの時はジャグラーコーナがミリオンゴットか?と思うほどの出玉で、みんなが山積みにして通路が歩けないほどでした。
    曜日別のイベント?ジャグラーの日、パルサーの日?
    確実に6があちこちにありました。
    毎日大盛況で、高稼動でしたよ。

    常連のプロ?みたいな人たちに根こそぎやられてましたが
    楽しかったです
    これこそ「遊戯」「娯楽」ではないですか?

    あきらかにベタピンの店ばっかりで
    設定考察などまったく出来なくて面白く無い

    すべての店が等価交換をやめるべきだと思います
    とくめい  »このコメントに返信
  14. ピンバック: とくめい

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