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コンビニパチンコがワンオペなら景品交換所はハーフオペ。その心は…

コンビニスマスロ店オープン! 時代は予想以上に早く訪れた

スマート遊技機時代は補給設備などの投資が抑えられ、手軽な出店が可能になることから、2~3年もすれば駅前やショッピングセンターの一角にコンビニパチンコが誕生することが予想されていたが、想定より早くコンビニ時代が訪れた。

2月8日、さいたま市浦和区にオープンしたスマスロ専門店「スマートガーデン浦和」がそれ。スマスロ4機種66台で構成された店舗は、元々はコンビニ店だった場所。コンビニからコンビニスマスロ店への業態転換とも言える。


ホールのコンビニ化は、何と言っても出店コストが大幅に抑えられるところが魅力だ。日電協の兼次理事長の言葉を借りれば、600台クラスで20~30億円の投資が必要だったのに対して、100台クラスのコンビニパチンコでは1億円程度で済むと言われている。

また、補給設備を必要としないスマート遊技機は、スタンドアローンなので、台を設置するだけ。小スペースでも自由で多彩なレイアウトも可能。スマスロの横にスマパチを設置することだってできる。

イニシャルコストの次はランニングコストだ。100台程度の規模をコンビニパチンコと定義するのであれば、極力ホールスタッフも最小限の人数で回すことが求められる。同店でも景品カウンターにはセルフカウンターも設置している様に、この規模であればワンオペも可能になる。

20スロの台粗を4000円とすれば、100台で1日40万円、月間で1200万円の粗利となる。ここからコンビニ店舗にまつわる家賃や人件費・光熱費などを差し引いても経営は成り立つことは推察できる。

コンビニパチンコの可能性について小森ワーキングの小森代表はこう話す。

「家賃は規模からして100万円まで。人件費は福利厚生費を含めても50万円ぐらいに抑えて、コストをかけなければ十分採算は合います。後は立地。常時通行人があるような場所で物件を見極める必要があります。今後も増えるでしょう。実際、名古屋でドトールコーヒー跡に出店を決めている法人さんもあります」

駅前の小型店から閉店して行っている現状で、コンビニ化が成功する肝は、やはり人件費などを最小限に抑え、その分を出玉で還元することが必要になってくる。

インボイスに対応する景品買取所の機械化

慢性的な人手不足に追い込まれているコンビニ業界では、スマホの普及やキャッシュレス決済の浸透など、無人コンビニの展開に必要な条件は普及しつつあり、政府も無人店舗化への後押しをしている。さらにローソンでは人手不足解消のためにアバター店員を使った新たな接客システムの実証実験を進めている。

本家本元のコンビニがどんどん無人化へ近づく中で、コンビニパチンコを成功させるには、最後の景品買取所の部分も機械化で省力化する必要が出てくる。人手不足の折、特に買取所の従業員を集めるのに苦労しているようだ。セルフ式の機械化で金銭的な受け渡しミスもなくなり、スピーディーな景品買取業務が実現する。

業界ではデジタルサイネージ式のセルフ景品交換システムが愛知県豊川市の「コンコルド豊川店」(東和製)や

神戸市の「Dステーション新開地店」(イミテック製)などの買取所に導入されている。


それだけではない。今年の10月1日からスタートするインボイス制度でも買取所の機械化は必要を迫られてくる。買取所では、買取履歴をデーター保存出来る記録装置も必要だ。買取履歴の記入形式は、1景品1取引としデーターの保存は、消費税法上実質8年分が必要となる。この課題についても機械化によってスムーズに解決することができる。

インボイス制度の詳細については、日報の過去記事を「インボイス」でググってもらえばそこに詳しく書かれているので詳細は省く。インボイス制度導入によって存続の危機を覚えたのがほかならぬ買取業者だった。インボイス制度の導入を機に廃業を視野に入れている業者もいるほどだ。3店方式を支える買取所がなくなれば、ホール営業そのものが危機でもある。

買取業者が仕入税額控除となるには、「適格請求書発行事業者」の登録と共に、古物営業の許可も必須となってくる。古物商特例の適用を受け、帳簿のみの保管で仕入れ税額控除が可能になる。古物に準じる遊技景品の買取についても対象範囲となるためだ。

なお、古物営業の許可については、複数の買取所を運営している会社は、「主としたる営業所」として申請すれば、全ての買取所の許可を取る必要はない。あとは従来通りでも問題ない。ただその際、接客窓口が必要になる。前述のデジタルサイネージ式セルフ交換システムを導入しているケースでも、接客窓口があることで主としたる営業所とすることは可能になる。

買取所もサイネージ式セルフ交換方式を導入することによって、コンビニパチンコがワンオペなら、買取所はクオーターからハーフオペも可能になるはずだ。

コンビニパチンコ時代やインボイス制度に対応するためにも、買取所の機械化もセットで完結させることが肝になって来る。この問題を解決しないことにはコンビニパチンコの成功は難しい。なお、サイネージ式セルフ交換システムを販売するメーカーによっては機械代のレンタルも可能になりそうだ。


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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 「買取履歴の記入形式は、1景品1取引とし」

    インボイス制度で税額控除を受けるためには
    一万円以上の取引だと、指名住所の記録が必須ですが、
    これを、一万円以下の複数回取引とみなし氏名住所を記録しなくても、税額控除受けれるのでしょうか?
    サファイア  »このコメントに返信
  2. ピンバック: サファイア

  3. 個人的には応援をしてしますが、
    まだまだ、スマスロが定着するかわからない過渡期に、66台全てスマスロというこの挑戦はリスキーにも感じます。

    将来的にスマスロスマパチの新台が販売されなかったり、キラーコンテンツが生まれないと、費用をかけてパチンコ台に転換する補給設備を投資しなくてはなりません。
    ここあたりは新台の北斗の拳にかかっているのでしょう。
    20スロの台粗を4000円としていますが、これはやや高めの数値です。
    ある程度の客数が必要ですが、遊技機台数が少ないと、お客が店舗に対して寂れている印象を持ってしまい、なおのこと客足が減る事が心配です。
    サファイア  »このコメントに返信
  4. ピンバック: サファイア

  5. コンビニは物販を通して地域とつながりますけど、スマスロ専門店は「賭博場」ですものね。1日に10万円以上負け得る賭博場がコンビニの立地頻度で全国に展開したら、ある意味で覚せい剤並みに恐ろしいブラックマーケットが展開する事になりませんか?ワンオペも可能、という事は雇用効果もほとんどない、という事ですし。家人がパチンコに行っている事すらわからない時間間隔でコンビニ型パチスロ店に入れ込んで、気がついたら借金まみれ&依存症....これって闇の勢力が市井の人間にアプローチをかけて覚せい剤依存症にしていく過程と変わりないでしょう。
    スマートパチンコで同様の事が起これば高齢者の財産もガンガン吸い上げられる事も予想されるし、業界は戦後の混乱期ですら考えられなかった凶悪性を内包し始めているのではないか、と思います。
    tameiki  »このコメントに返信
  6. ピンバック: tameiki

  7. 昭和から平成初期までは設置台数100台以下のスロット専門店、多かったですね。
    3号機までは号機毎に1メーカ2機種までの規定がありましたので設置機種もユニバーサル系設置店だと2〜3機種置いてある店もありましたが基本1機種でしたね。
    必然的に新台入れ替えなど物理的に無理な訳で各店導入機種を大切に使っていましたね。
    小規模スロット専門店が消えて行ったのは4号機に変わりメーカーが販売出来る機種数の規制が無くなってからですかね?

    人件費や出店コストばかりに目が行っているみたいですが小規模店で一番気にするべきは機械台だと私は思いますけどね?
    台粗4000円を目標とするのは結構なんですが同時にアウト目標も掲げなきゃ(⁠^⁠^⁠)
    今みたいに何の運用コンセプトも無く出る台出る台を1台だの3台だの毎月入れ替える様な営業を繰り返す様なら100%上手く行かないと感じますね...
    もと役員  »このコメントに返信
  8. ピンバック: もと役員

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