あるアイスクリームメーカーの会長は、年季の入ったパチンコファンで、特にフィーバーが登場する前のチューリップ役物だけのパチンコ台が好きだった。当時の台は出たり入ったりの繰り返しで、チューリップが開くだけの単純な遊びだったが、2~3時間も夢中になった。
そんな自分の姿を思い返し、アイスクリームの新製品づくりのヒントがある!と会長の第六感が閃いた。
井村屋のあずきバーは1973年の発売以来、超ロングセラー商品の一つに数えられている。全国のスーパーの9割に置いてあるぐらい国民的な氷菓の地位を確立している。年間3億本が販売されている。「ぜんざいをそのままアイスにする」をコンセプトに、美味しいだけでなく、毎日食べても飽きることがない味がそこに隠されている。
会長は常々、あずきバーのような看板商品を自社でも開発したいと考えていた。そこで、当時の古い台を取り寄せ、「これを何時間も打ってパチンコの楽しさを体感してみろ」と商品開発の社員に打たせた。ところが、釘が全くダメで何時間も楽しめるようなゲージではなかった。ビンテージ台を取り寄せた時の伝手を辿って釘師に2~3時間で2000発出るように調整してもらった。
仕切り直しで準備は整った。40歳以下の開発担当に打たせたが、概ね「つまらない」という評価で会長の思惑通り2~3時間も打つことはできなかった。パチンコとはこんなものだ。自分のおカネを使い、勝ち負けのハラハラドキドキ感があるからパチンコは楽しいものだ。
カネがかかっていなかったら、そんなもんだろう。
それはさておき、1人だけ嵌ったのは女子社員だった。
彼女曰く「何も考えずに無になれた」。
会長は彼女に「自分が好きなアイスを作れ」と指示を出した。
で、彼女が開発したのは乳脂肪分が少ないラクトアイスのバニラ味だった。「甘すぎず」「くどすぎず」。
これをマルチパックアイスで販売したところスマッシュヒットした、という。無になれるパチンコを打ったことが商品開発のヒントになったとしたら、会長の思惑通りになった、ということである。

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ピンバック: 換金禁止
レトロパチンコから
「甘すぎず」「くどすぎず」の新商品を思いつきヒット商品になったと。
途中の話の流れがやや引っかかりますが、お金増えるかどうかより、玉の動きを楽しむパチンコの楽しさをPし、それが役に立つという、心地よい記事ですね。
ピンバック: 徳名人
現実を見て
現実を捉えて
現実に思案を照らし
現実に行動したらいかがでしょうか。
何もしないんでしょう?
そして他人のせいにするのでしょう?
若者のせいにするのでしょう?
ピンバック: 一回くらい、ほう、と言わせて
殆どが、大当たり期待度の高いものでないと当たらないから。甘デジが辛うじてあるレベル。
ま、ここで大事なのは、1変動の消化時間だろうな。
赤保留で疑似2回まで進んでの強リーチまでの変動時間、緑保留で疑似1回での弱リーチハズレ後の復活チャンスまでの変動時間
ともに全く同じ変動時間だったら、サブ基盤は何を選択して演出を組み合わせるだけだから。(ま、その前にメイン基板が大当たりを引いたことを想定)
ハラハラ・ドキドキ感なんて客は求めてないから。客はパチンコ、パチスロのプレイで金儲けができるのかどうかだけ。
客が減っているのは、金儲けができないから。液晶のクオリティ自体、低レベルだし。
ピンバック: 匿名希望