パチンコ日報

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つわものどもの夢の後

首都圏で全盛期には10店舗のホールを経営していた。300台クラスでも日売りが1000万円もあった時代だから、10店舗もあれば1日の売り上げは1億円に達した。年間なら360億円の売り上げになった。

で、どういう営業をしていたかと言えば、1000万円の売り上げに対して粗利は400万円。かなり抜きまくっていたが、それでも時代が許してくれた。

「カネが黙っていても貯まった。儲かって仕方なかった。クルマや家を買っても、買ってもおカネが湧いてきた」(オーナー)と述懐する。

儲けたカネで遊びという遊びは全部やった。韓国には年がら年中遊びに行っていた。ただ、唯一手を出さなかったのは賭け事だった。韓国でカジノへ行くことはなかった。ホール経営者なら胴元が一番儲かることぐらいは分かっている。ギャンブルにのめり込めば、全財産を失うのに、時間はかからない。

英雄色を好むと言われるように、愛人も沢山いたようで、隠し子は23人にも及んだ。

儲けたカネは遊ぶだけでなく、投資に回した。80社あまりの会社の役員に名前を連ねていたが、ほとんどの会社は消滅している。一番続いたのは30年ほど続いた飲食店ぐらいだった。投資も失敗に終わった。

先日、最後の1店舗が閉店してホール経営からは退くことになったオーナーの年齢は77歳。事業意欲を失った理由はエイズだった。女遊びができなくなると事業意欲も減退した。

女遊びに愛想を尽かした奥さんとはすでに離婚していた。

残ったのは自宅の土地と建物ぐらいだった。

子供は11人(男4人、女7人)いたが、誰一人として会社を継ごうとしたものはいなかった。父親の背中を見ていたら会社を継ぐ気にはなれなかったのかもしれない。

このオーナーのような軌跡をたどった経営者は珍しくはない。ホール経営以外に力を注いできた当然の結果だろう。

山田塾が指摘する通りである。

「世の中の理を知り尽くしている経営者であるならば、失敗に至るプロセスを熟知しているので豊かになるほど身の回りを質素にされることでしょう。パチンコ店も身の程を弁え、娯楽産業としての分際を知っていたならば、ここまでの悲惨な状況にはならなかったのではないのかと思う次第です」

フィーバの登場によって業界は大きく成長したが、衰退期に入ってもう10年以上が経過した。後は本当にパチンコが好きな経営者がメーカーも含めて残って、業界を正常な形に再生してもらいたい。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 人間は良い時代が永遠に続くと思いがちですからね。
    パチンコ店のオーナーに限らず、中小企業のオーナーにも多いですよ。たまたま時代背景が良かったから儲かっただけなのに、自分の実力だとかやり方が正しかったからだと思ってしまう。そして、経営が傾き始めても修正できない。周りの人の意見も受け入れられない。特に若い世代の人の考え方には反発し、ほぼ賛同しない。
    結果、撤退のタイミングやビジネスチャンスを逃し、大きな負債を抱えて倒産。。。だいたいこんな感じでしょう。
    ところで今、パチンコ業界に期待することがあるとすれば、それはもっともっと業界が縮小して、業界で働いていた人が他の業界に流出することくらい。できれば、皆さんには介護業界に再就職して欲しい。給料は決して高くないけど、社会的には絶対的に必要とされる仕事だし、人手が全然足りない。学歴なんか並で良いから、人物重視で採用するにしても、意外と面接で落ちる人も多いですよ。パチンコ業界で何年も働いてきた人なら忍耐力も体力もそこそこあると思うので、是非、介護業界に再就職して欲しいですね。
    換金禁止  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 換金禁止

    • 介護をするために資格の修得が40万円程掛かる。
      更に資格を取った所でものすごい薄給。
      人が足りないと言いながら40歳を超えると全く斡旋がない。
      自営でするには登録費が140万/5年と
      今のパチと一緒で投入した金に対してリターンが少ない。
      魅力無いね。頑張れ以前のレベル。
      面接どころじゃないブラックな介護  »このコメントに返信
    • ピンバック: 面接どころじゃないブラックな介護

      • 若い頃の苦労は買ってでもしろという名言があります。
        若者にやらせれば精神修行になって一石二鳥でしょう。
        歳を重ねて経験を積んだときに、その経験に感謝する時が来るでしょう。
        徳名人  »このコメントに返信
      • ピンバック: 徳名人

  3. 時代が許したとは言え凄まじい粗利率(^.^)この一世は大変恵まれていましたね。昔は朝銀、商銀も有り好立地なら簡単に貸してくれたから本件のようなオーナーさんは沢山いました。

    90年代に多摩地区で展開していた「一千大」グループも似たような店舗数、粗利率でした。場外前の店は競馬開催日の粗利目標は50%でした。当時私は在籍数カ所で逃げだしました。笑
    猫オヤジ  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 猫オヤジ

  5. ホールなんて、差玉、差枚数がどれだけ店のプラスになっているかだけのみ。
    何故、客が減ったのか? その1台の生涯稼働において客のプラスにならないから。根本的に客が金儲けが出来ないから。だから、客が減ってしまっているのである。要は、客はパチンコ、パチスロを金儲けの道具でしか見ていない証拠。客がパチンコ、スロットのプレイだけで生計ができ、億万長者になり豪遊出来れば、客は増える。それが、業界の社会貢献。
    大体、客がパチンコ、パチスロをやめた理由が、その1台の生涯稼働において客のプラスにならないからが理由だからである。
    パチンコなら、生涯アウト6万発で客の2万発の(法律上で)プラスならば、生涯アウト12万発で客の4万発のプラスになっているかだけ。客は、永久に金儲けが出来ないから離れるのである。
    客を増やしたければ、客が根本的に客が金儲けが出来る所から始まるな。根本が勝てないから客が減る。理由はそれだけ。客が離れるのは当然の結果やな。客は、株等の金融資産と同様、資産運用目的でやっているから。
    匿名希望  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 匿名希望

  7. 過去を語るものは”老人”といい、
    未来を語るものは”青年”という。
    サンド  »このコメントに返信
  8. ピンバック: サンド

  9.  「富と貴きとは、是れ人の欲する所なり。其の道を以てこれを得ざれば、処らざるなり。」
    (財産と社会的地位は、皆が求めるものだが、正しい方法でそれを手に入れないと長続きはしない。)

    論語にはこんな言葉があり、正しい商売で財産を蓄え立身出世する事を批判していません。
    ホール企業として成功し財を築き、いろんな会社に出資をし、恋多き人生を歩む。
    素敵なことではありませんか。
    徳名人  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 徳名人

  11. 遊んだ男の末路。
    先が見えずヒリつく勝負にのめり込む客を尻目に自分は超リア充。
    しかしブーメランが命中したか。
    これが銭ゲバの結末。
    経営をしっかりしなければ未来はない。
    田舎のADHD  »このコメントに返信
  12. ピンバック: 田舎のADHD

  13. いつもの論語読みの論語知らずを見ていると、こうはなりたくないとわずかながら頑張ろうという気持ちになります。
    楽しむ読者  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 楽しむ読者

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