パチンコ日報

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廃業寸前のホール再生物語 下

S代表がホール運営で拘り続けるのは、パチンコは大衆娯楽であり、ストレス解消の場でなければならい、ということだ。自身が毎日のようにパチンコを打つヘビーユーザーで、ユーザー心理をホール運営に反映させているからだ。

コロナ禍で在宅ワークが増えた結果、「コロナ離婚」という言葉も生まれている。毎日夫婦が家で顔を突き合わせることでストレスが溜まり、それが喧嘩や家庭内暴力に発展したことが離婚原因である。

「本来、ホールはストレス解消の場で、その受け皿としてコロナ禍ではパチンコは右肩上がりでなければいけないのに、そうなっていない。去年4月から禁煙化になり新規客が増えなければいけないのに、衰退するのは経営者の考え方が間違っているからだ」と指摘した後で、さらにこう続ける。

「過激な差玉を出す機械作りが過熱して行った結果、度重なる規制が行われた。人間の射幸心に制限はない。1万円で10万円も勝てる機械が出れば、客はそれに飛びつく。10万円勝たせるためには、10万円の負けを作らなければならない。つまり、10人に1人しか勝てないソフトを作ることになる。パチンコ店がストレス解消の場から賭博場になったので崩壊した」(S代表)

過激な機械づくりや等価交換で、よりギャンブル性を高めたことが、パチンコ業界を衰退させて行ったことは、業界人なら百も承知していることだ。しかし、業界は分かっていながらも社会的ジレンマから抜け出すことができない。

そこでS代表が取った行動は、新台入れ替えや出玉合戦のパワーゲームの土俵から降りて、前回お伝えした低価交換戦略で独自路線を歩むことだった。

「遊ぶお客さんの気持ちを理解しているようで、理解していない。ギャンブル志向のお客さんは減ることはあっても増えることはない。4パチは伸びない。基本は1000円スタートで20回。交換率に関わらずこれが、ギリギリストレスが溜まらない。スランプがないように22回回すには技術がいる。昔は4分5厘の傾斜で玉のスピードを殺したが、今は3分5厘で玉のスピードが速く、技術もない。コンピュータのデータだけを見て、お客さんの顔を見ない店長にお客さんが満足するものは提供できない。コンピュータの答えは平均値であって、途中経過は見えない。1分間スタートは6回を良し、とすれば、1分目は8回で、2分目は3回。その平均値が6回。1分間にコンスタントに6回回れば、お客さんは安心して打てる。そのためには釘の技術と玉のスピードも重要になる。交換率は15割が一番ストレスが溜まらない。良心的な商売をするところが稼働を伸ばす」と力説する。

では、ユーザーを増やすためには何をすればいいのか? 答えは良心的な営業と言うことではあるが、一般的な業種でも安くいいものを提供することが鉄則である。

薄利多売で成功した者が勝者で、薄利だけで終われば敗者である。

「韋駄天を導入すれば利益が取れるとばかりに、こぞって入れたがる。儲かる機械のことばかりを考えるから見誤る。これはレベルが低すぎる。稼働を上げることを考えずに、利益のことばかりを優先するからダメ。お客さんを痛めつけることは絶対にやらない、というポリシーを貫く。お客さんが何を考え、何を求めているか。それを実行すれば自ずとお客さんはついてくる。パチンコを打っている人たちは、夜8時半にスーパーの半額セールで総菜を買っている層。そういう人たちの気持ちが分からない人がホールを経営している。何のためにホール経営しているのか、経営者の意識改革が必要」と断言する。





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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. よく分かってんじゃん。スーパーの半額見切り品を狙っている層(笑)
    食い物買うにはケチるけど、大した期待もできない玉やコインを買うには湯水の如く使っちゃう層。
    まあ、大概その日暮らしのパチンカスは半額見切り品の出る時間にはケッチョンケチョンにケツの毛まで抜かれて、見切り品すらどうかなんだけどな。
    おもち  »このコメントに返信
  2. ピンバック: おもち

  3. 久々に素晴らしい記事です。
    koh  »このコメントに返信
  4. ピンバック: koh

  5. さあさあ、これから年末に向けてガンガン潰れる予定のゴミ店の皆さん!
    今すぐにパチンコ日報に連絡してこのお方にご指導頂ける様にしましょう!
    パチンコ日報にもお礼の仲介手数料は、忘れるなよ!
    閑古鳥が鳴いてて換金率を下げて成功した店なし  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 閑古鳥が鳴いてて換金率を下げて成功した店なし

  7. まさしくその通り! メーカーやホール経営者にS
    代表の爪の垢でも飲ませたい。
    今の機械は時速3万発とか速さを追求しているために初当たり出玉300発やヘソ1個返しや確変突入50%など売上重視で荒く当たっても単発なら3万円で2時間も遊べず、もはや娯楽とは言えない。
    初代真北斗無双は3個返しで単発でも850発の出玉があり時短も100回付いていたので追いかけようと思えた。今のスペックだと心が折れて追いかける気にもなれない。また連チャンしても即止めのため0回で捨ててある台ばかりでその後座る客もいない。
    時速に拘るためやっと当たった確変も運が悪いとあっという間に終わる。
    北斗無双は確変中130回にワクワクがあり台を休ませたり自分の打ち方ができて楽しかった。
    やはり北斗無双が神台なのはすべてのバランスが良かったんだなと改めて思わされる。
    メーカーは時速に拘る新台ばかり出してるが、その分客帯率が低くなり空き台も目立つ。
    時速3万発なんて出す人は殆どいないのに本当にスピードは必要なのかと思う。
    それよりも確変中もっと楽しめる台を開発して欲しい。
    もとメーカー営業マン  »このコメントに返信
  8. ピンバック: もとメーカー営業マン

  9. ここでは絶対的に低換金率を良しとする風潮があるけど本当にそうなのか?
    朝イチから夜まで打つような客は確かにそっちの方がいいかもしれないけど、それ以外の層には需要無いよ
    他店なら設定6でなくても4あれば打つみたいなスタンスの人でも、低換金率の店なら6をほぼ否定した時点で辞めるみたいな判断されるわけでしょ?
    結局稼働しなくて利益取れませんでしたみたいなことになるのがオチ

    パチンコなら再プレイと出玉共有で軍団の溜まり場になりそう
    土日スロプー  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 土日スロプー

  11. 要は、客はパチンコ、スロットを金儲け以外、何も価値がないのだ。株等の金融資産と同様、資産運用しに来ているのだから。
    大体、その1台の導入から撤退までの累計稼働に対して客のプラスにならないのだから。根本的に客が勝てないから離れるのである。非等価も累計稼働に対して客が勝てないからな。
    ホールが重視しているのは、差玉、差枚数がどれだけ店のプラスになっているかだけ。売上、稼働なんて二の次。
    だから、毎日全台設定1、渋釘の横行するわけやな。
    遊タイムやスロ天井のハイエナばかり。

    この間、パチンコのあぶない刑事で、チャンスタイム後のハイエナ(客が離れたあとの残保留大当たり)しようとしいる奴がいて、客が店員に着席を断られて喧嘩しているところを見た。その前に、甘の天井残り20回で年配が軍資金が尽きて、即ハイエナしている客を店員がストップをかけて喧嘩している光景も見ているしな。
    自分は両方共大当たり消化中だから無理だが。
    匿名希望  »このコメントに返信
  12. ピンバック: 匿名希望

  13. 経営者の意識改革は一生無理。粗利益が全て。
    客の意識改革も一生無理。金儲けが全て。
    匿名希望  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 匿名希望

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