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アウトプレースメントを新規事業にするホール企業が出現

静岡県でチェーン展開するアプリイに採用・教育チームの米澤賢次長を訪ねて新卒採用の取材に行った時のことだった。今後はリクナビやマイナビ、地元誌などを使うのを全部やめて採用コストを1600万円から100万円に削減する話の流れで、「アウトプレースメント」という聞き慣れない単語が飛び出した。

新卒採用の一方で、どんな企業でも抱える問題は、ローパフォーマーが出てくることだ。勤務年数が上がるごとにその傾向は現れてくる。

人事担当なら共通する課題であるアウトプレースメントについて説明しよう。これは、人員の削減対象となった社員に対して、再就職先を見つけるための手伝いをすること。雇用先の企業がパソナやリクルートエージェントなどの人材紹介会社に依頼して就職先の支援を任せることだ。

人材紹介会社は面接の指導やスキルアップ、カウンセリングなどのコンサルティングを行い、再就職先の斡旋をする。アウトプレースメントを外部委託する場合は当然費用が発生するが、人員削減を行う企業が費用を負担するのが一般的だ。

アウトプレースメントを利用している企業の大半は大企業だ。安定した企業から離職したくない社員も少なくない。

そのため、人員削減の対象になった社員と揉めるケースは日常茶飯事だ。そこで退職金の上積みや再就職支援など、従業員が早期退職に理解を示してくれるような制度の整備が必要不可欠となる。特に日本では、正社員の解雇について厳しく制限をしており、退職を強要するといった違法行為をした企業が社会問題となる。

つまり、従業員をリストラするためには、再就職支援を行い従業員に納得をしてもらった上で退職手続きを進める必要がある。

業界ではセガサミーホールディングスが11月に発表した650人の希望退職者を募集するニュースには衝撃が走った。同ホールディングスでも退職金を上積みする他、再就職の支援を実施するように、アウトプレースメントの問題がクローズアップされている。

アウトプレースメントの説明が終わったところで、今、アプリイが取り組んでいるのがアウトプレースメントの事業化だ。有料職業紹介事業の認可申請を厚生労働省で行い、2021年2月をメドに事業をスタートする予定だ。

「転職する人が幸せになることがこの事業の目的です。東京などで仕事している人が在宅勤務で労働意欲が低下しているケースもあります。そういう人たちに自然が豊かで住みやすい静岡という環境で空き家と仕事をセットで紹介していきます」(米澤次長)

この問題は実はアプリイ社内でも抱えていた。

コロナ禍で業績がダウンしている中、業界人が転職できない理由について次の5つを挙げる。

1.年収が高いので異業種とマッチングしない。
2.待ちの営業に慣れすぎ法人営業など攻めの営業の意味がわからない。
3.人見知りで好き嫌いが顕著。
4.業界に浸りすぎて他の業界を知らない。
5.時間に流されて時を過ごしどうにもならなくなった。

アプリイでは、3年前からキャリア研修を35歳以上の社員を対象にお金に関するゲームの後、キャリアの棚卸しと職務経歴書を作成していた。昨年からは社内アウトプレースメントを推進していた。

その結果、この12月に社員3名のアウトプレースメントを県内の人材紹介事業を行う会社とアライアンスを組み、製造業、介護、異業種への転職を実現した。明るい年越しができると本人たちも喜んでいる。

今度はアウトプレースメントを他企業から請け負い、3カ月のプログラム研修(レクチャー、ワーク、カウンセリング)で再教育をしながら転職活動を支援していく。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. パチンコも出来れば在宅で打ちたいですけどね!
    オンライン化はかなり難しいのでしょうかね?
    ヤマモリ  »このコメントに返信
  2. ピンバック: ヤマモリ

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