トミナガ氏の元へ300台クラスの店舗で年末の300万円の手形が決済できないようなホールからの依頼がきた。
このホールの建て直しを請けて、トミナガ氏は全台閉めることから指示した。特に土日はガチガチに閉めて500万円の現金を工面した。
オーナーは「そんなことをしたら客がいなくなりますよ」と心配した。
トミナガ氏はすかさずこう答えた。
「いなくなるということは次の保証がない場合。次の保証があれば、閉めた後でドバッと開ければ客がつくのは業界の皆さんなら経験済みでしょ。要は開ける次のタイミングです」
開ける日は1月15日に決定した。
トミナガ氏は今までにないほどの開け方を指示した。「とにかく出して、出して出しまくってください」
その日の営業が終わってオーナーから電話があった。
「開けても開かないんですよ」
「釘調の差玉はどうなっていますか?」
「真っ黒です」
「それは全然開けていません。もっと、もっと開けてください」
翌日再び電話がかかってきた。
「半分、赤になりました」
「それではまだ開け足りません。全部真っ赤にしてください」
「全部真っ赤にしたら相当赤字になりますよ」
「何いってるんですか、社長。換金率や割数の差があるでしょう」
翌日また電話がかかってきた。
「やっと全部真っ赤になりました」と電話口で社長の喜ぶ声が聞こえた。
2月の成績は過去最高の売り上げを達成した。
450万円の売り上げだった店が900万円~1000万円を維持するようになり、半年間で店を去った。
そのときトミナガ氏はこう進言した。
「もう一つ売り上げを上げる手立てがありますよ」
オーナーは片道2時間半かけて電車でホールに通っていた。ホールにいる時間はせいぜい1時間程度だった。
「社長の家をホールの横に引っ越してください」
最初は躊躇した社長は1カ月後に単身赴任する。
「引っ越したら誰よりも一番に出社して、朝は玄関でお客様を迎えてください。お客様から玉を出せとかいわれるかもしれませんが、それは我慢してください」
数カ月続けているうちに客から気軽に声をかけられるようになった。閉店時も玄関で客を見送った。
現場に出ることで社長はお客の気持ちが分かるようになり、戦略、戦術の意味が分かるようになった。
社長は経理畑の人間で数字にはめっぽう強かったが、事務所で数字ばかりにらんでいては何の解決にもならないことが分かった。
そういう時のトミナガ氏のアドバイスが光る。
「ホールを散歩道と思って歩いてください。悩んでいた計算式の間違いが浮かぶはずです」
手形が落ちずに店を閉める状態だったホールが、社長が引っ越して現場に立つようになって、競合店の中では稼働率が1位にまで上がった。
これがトミナガ氏がいう人間力は、頭とウデと心の中にある、ということだ。
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トミナガ氏は弱小の救世主ですね!
ピンバック: Unknown
その出す出玉はちゃんと地域のお客様に出してあげたのでしょうか
それだけ期間出したら必ず都心部なら打ち粉パチプロが襲来します
彼らを全滅させて地域に還元したら正解なんですが
ピンバック: Unknown
貯玉 共有 メール会員等パチプロ有利なサービスを止めればある程度防げるのでは?
ついでにイベントカレンダーも廃止。
新台入替整理券も前日配ればOK。
また社長が常連さんのお顔を覚えているんでプロ及びうち子軍団が来だしたら分かるんじゃない。
ピンバック: Unknown