金沢駅から徒歩1分。総台数168台の小型店舗。1円パチンコと2円スロットの低玉貸し専門店。スタッフは15名。
駅前ペリカンのオープニングは、毎日繰り広げられている元気朝礼の再現から始まった。

店舗紹介に一人の男性スタッフが立った。
「ボクたちのお店には駐車場がありません。車社会の石川県では致命的です」
ここで会場に張り詰めていた緊張の糸が切れたかのように、大爆笑となる。
駅前型の駐車場もない小型店舗。設備も決して整っているとはいい難い。そこで、ホールがテーマとしている「マイナスをプラスに変える」取り組みが発表された。
「コインロッカーもないので、カウンターでクロークサービスを行っています。借りるのに時間がかかるメダルは、カウンターであらかじめ用意して手売りも始めました」
小型店舗の弱点を逆手に取り、小型店舗だからこそできるお客とのふれ合いを大切にしている。ズバリテーマは「お客様に楽しんでもらいたい」。
接客の7項目をフルに使って、いかに接客でありがとうの気持ちを伝えるか、接客サービスにとことん力を入れている。
日々の接客からお客の意見を取り入れ、サービス内容を変更したり、導入機種も決めている。
店内は既製品のポスターではなく手書きのポップで溢れている。これは「ホッとできる空間を提供した」との思いからで、スタッフの手作り。勝ち負けではなく、また来たい、と感じてもらうためだ。
平山あけみリーダーは44歳。スタッフや上司が自分の子供と同じような年齢で、毎日刺激を受けながら仕事をしている。店をよくしたい、スタッフと共に成長した、という気持ちは人一倍あるが、それが空回りしてスタッフとの歯車がかみ合わなくなった時期もあった。情けなくなったり、悔しい思いをしたり、何度も仕事を辞めようかと思った。

スタッフの吉田さんは、今でこそ大きな声と満面の笑顔が出るが入社当時は、明るい表情も作れず、声も小さく、恥ずかしさから相手と目を合わせることができなかった。お腹から声を出す練習をしたり、鏡に向かって笑顔の練習をしてみたが、「やっぱり無理」と弱音を吐くこともあった。
そんな気持ちで接客してもお客からの反応もなかった。
そんな時アドバイスしてくれたのが平山リーダーだった。何を伝えたいのか、お客の立場で考えることのヒントをもらい、自分なりの接客を考え直した。
「お客様から『ありがとう』といっていただけるようになりました。このありがとうの一言が契機となり、自信となって今では私の原動力になっています。私は伝えることの大切さをこの店で学びました」
つづいてのスタッフ谷内口さんは入社3年。彼女も当初は小さなことで悩んだり、ネガティブになりがちだったが、この仕事を通じて社会勉強すると共に、今ではすっかりポジティブ人間に変わった。
「私はホールの接客サービスが大好きです。職場も責任者もスタッフも皆大好きです。私はこの仕事に誇りを持っています。いつも学んでばかりではなく、私からお客様へ元気パワーを与えたいと思います」
最後に登場したのは森尾店長26歳。店長になって1年。
「この業界ではトータルマネージメントが大切だと教えられてきました。でも、ボクは人が一番大切だと思っています。どんな環境であれ、行うのは人です。
人には想いがあり、想いは必ず伝わる、と信じています。想いは伝えないと意味がありません。言葉に代えて伝えるか、体を使って伝えるか、何でもいいはずです。立派な店構えでなくても、人が店舗をよくしていきます。
人の想いが人を動かし、またその人が人を動かす。そして、その想いがお客様に伝わっているから、今日、この場に立たれていると思います。気持ちで思っていても伝えなければ意味がありません」
駅前という好立地ながら小型店舗という不利な条件を人間力でカバーしていることが伝わってくる。
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写真が大きくなったね
人間の表情が読み取れて熱気が伝わります
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二日ぶりに見に来ましたが僕も画像はデカイ方が好いとおもう
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