あれは今からもう27~28年も前のことである。
カウンターの近くにいる私を緊張した面持ちで近寄ってくる40代半ばの女性がいた。
途端にその女性は、「店長さんですか。聞いてください。主人はいつも毎日パチンコ屋さんに入りびたりで、仕事もしないで本当に困っているんです。やめさせてください!」と相当の剣幕であった。
怒りは止みそうになくしばらく続いた。
「店長!うちの人毎日、仕事もせずにここに来て負けてばかりで…どうにかしてもらえませんか。このままでは生活も大変になり、家だって担保がついて、売るはめになっています」いつもパチンコのことで喧嘩になっては不愉快な日々を過ごしているということも強調していた。
私は咄嗟のことで対応の仕方に苦慮した。
「やめさせてほしい」と言われても…店内で不正をしたり、暴れたりしてお客の遊技の邪魔になっているならば、出入り禁止を言い渡すとこは、当時の客層からいって日常茶飯事で行われていた。
しかし、生活が大変で家まで売るとは尋常ではない。だからと言って個人の意志で来客しているお客様の遊技を止めさせるなんて、どうしたらよいのだろうと私の頭は混乱した。
あれから、ご主人は来客することはなかった。
1カ月半も経ったあるとき、あの時に会った、女性がパチンコをしているではないか。
驚きだ!唖然とした。
目を疑ったが間違いなくあの人だ。
無我夢中に激怒したあの時のことが鮮明に蘇ったのだ。
それにしても奥さんがハンドルを握って盤面を直視している姿は信じられなかった。
それにご主人は何故、いないのだろう。
「あのう、あの時に出会った奥さんですよね。今日は?ご主人さんは?」と、声をかけると、「あっ、店長さん!」と言いながら、淡々と話しを始めた。
実は、あれからまもなくして、ご主人は病気で亡くなりました。
奥さんはその日から毎日のように店に来ては、玉をはじき続けました。
「あの人が大好きなパチンコをやかましく言ってすまなく思っている…
パチンコがこんなにおもしろいとは思いませんでした。主人の供養にとパチンコしています」
本当に泣かされました。
その時、私は35~6才、人生の苦境にいた自分と何かが交錯いている様で強く胸を打たれました。
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ひと時ではあるが、苦しさを忘れる為にパチンコ遊びをする人もいます。
それもパチンコです。
ピンバック: 元店長関係者A
昔、「スロット打つ以外に楽しみが無いのよ」といっていたおばあちゃんがいました。一日朝から晩まで打ってイン枚数が1万枚に届かないお客様でしたがいない日が一週間も続くとみんなで心配したものです。
そんなお客様のいるパチンコ店が楽しかった思い出があります。
ピンバック: 普通の店員
泣けるお話です。
ttp://ameblo.jp/ape-kani/entry-10559288823.html
ピンバック: ・・・・
パチンコ日報の目的はなんですか?
スタンスは?
将来の希望は?
PG社から独立してからの人気が出ていると思いますが。今後は?
私達に協力できる事は?
出来ればコメントではなくて、エントリで詳細を希望。
ピンバック: Unknown
【第4章】パチンコ業界を理解する
≪これからの社会とパチンコ業界≫
(The prospect of pachinko industry in the next society)
「第5回:雇用不安がパチン…
ピンバック: 読むだけではやめられない禁パチセラピー
ユーザーですが、業界発展の目的の為に、私は楽しみながら読んでますよ
ピンバック: Unknown