ハネモノの客層は耕すモノ
遊び感覚とは、遊んだと感じる、満足感に浸ることである。
春夏秋冬の季節とともに、種まきから始めて苗に、苗から枝から実を結んで育っていく。
水をやり過ぎても根っこを枯らしてしまい、土が乾いたら水をやる。喉を枯らして辛そうな時に放水すると喜んで花びらまで届いて、やがてパッと花が咲く・・・ハネモノ客の特性も耕す畑のような存在価値があるモノである。
だからゆっくりと遊べる憩いの空間があればどんなに喜ぶであろうか。
一発逆転でもなければ、大量出玉でもない。
賭けた投資で倍以上の勝利感をたしなむことができる。
ゆっくり、じっくりと時間をかけて遊ぶ客層であることは言うまでもない。
地域は近く、いつも自転車か歩きでいい時も悪い時もコツコツと訪ねてくれる。
お年寄りご年配が多くて多店舗に浮気もしない。
いい噂も、悪い噂も、誰よりも先に届く。だから、いつも間にかこの人たちは広告塔の役割もしている尊い存在でもある。
耕して、耕して、水をあげ、肥しをあげて、末長くお付き合いをさせていただく、貴重な客層である。だから、心から耕すことである。
だから、ハネモノ客層には「お客さまと呼ぶ癖」をつけることをお勧めしたい。
35年も経った今でも脳裏に焼きついて離れません。
大阪の郊外のある店の店長時代、釘師ではなく役物師にであった。ハネモノで、ミラクルボールのVの手前をセルで浮き上がらせて、「店長、こうするんだ」と、自慢げに語っていたことが忘れられません。
これが釘師ではなく、役物師に出会った最初でありました。
「ナンデせんのや?みんなやってるやん~」
それからは、アタマとウデとハートで勝ち取ることで無我夢中に釘技術に拍車がかかりました。
反面教師です。
ハカマのオトシを風車だけでアケシメ
1.生命釘をさわらず、風車でアケシメ
正月とお盆期間を除外した年間を風車だけでアケシメを行った。
通常のアケシメよりダントツな稼働を示した。
もちろん利益もついてきます。ここには釘と玉の流れの読みにならず、誰でもできる原理がある。
自店の稼働の手づくりが、もっとも効く手段が風車だけのアケシメです。
紙面上では説明しにくいものですが、ひと言でいうと下記の通りになります。
風車の核を中心に東西南北の方向をタテに横に線引きして考えると、風車の曲げ具合で大きく分類すると4方向に別れ玉の流れも、当然、曲げた反対方向に展開していくわけです。
この前提はオトシの生命釘は大きくアケてそのままです。
説明にも限りがありますので、この辺にしますが、何度もくどいようですが「釘調整は玉の流れ調整」だということです。
ストレートのゲージと玉の流れ 風車と生命釘の関連性
(風車をそれぞれ東西南北の方向に曲げて、調整をした時の入賞順)
上記の原理は誰でも知っていますが、その原理をシステム化している人は少ない。
システム化というのは最低限、機種別、日別、曜日別に振り分けて実用化して見ることです。
そして、東西南北方向の風車調整を細分化して、これらを実践的に応用して見ることで調整の妙味が加減して行けると言うことです。
例えば、下図のように現実の釘と玉の流れ関係においては、東西南北の調整では無理があることを、体験している。したがって、通常の営業で導入する時には、東北、東南、西北、西南に向けた調整の合体と応用ということになる。
いうまでもなく、紙面上では説明に限界がありますしかし、やって見ることに効果が実感できるので、是非お試しいただきたい。
最後に
■いつもペーですわ・・・と。
自店ではどのような役割として登場させたいのかと聞きますと、よくありがちな答に「ウチは赤字で、トントンで、何も儲かっていません」
「稼働があって見栄えがすればいい」と聞きますが・・・
ぺーで行けるならば最高のおもてなし。もちろん平均値ではある。たまに耳を疑うときがある。
今日もペーですわ。
いつもペーですわ・・・と。
これじゃ客数が増える訳がない。
なんだか、本気が伝わってこない。
こんな時に、先人は「割数のメリハリ」とは、よく言ったもんだと感心している。現場とお客さま視点を直視した名言とさえ思える時がある。
■ハネモノは人生の生き様
誰にもそれぞれの人生があるようにパチンコフアンにも人生がある。
ハネモノに生きる。ハネモノと共に生きた元店長とは、ハネモノでも盛り上がった。東京で8時間にも及ぶパチンコ談義をしました。特にハネモノには格段の熱情でした。
わたしの人生はパチンコを抜きにして語ることはできません。
まだ、オールチューリップが繁栄していた時代(35年前)に、「主人の供養にパチンコしている」という、人に運命的な出会いをした。
楽しくてパチンコするのではなく、悲しくて、苦しいからするのだと目撃したのが業界における「お客さま視点」の出発点と言える。
「今日は主人の供養にパチンコしています」
あれから30数年の年が過ぎた。今でもその頃の衝撃的な出会いが脳裏をかすめる。
ハネモノに無我夢中の主人に反抗して、当時店長であったわたしに「主人のパチンコをどうにかやめさせてください」と強く嘆願されたのであります。
複雑でした。あれから1カ月半ほどたったある日に、どこかで見かけた人がひょっこりパチンコをしているではありませんか。
あの時の奥さんでした。あれほど反対した奥さんが何でパチンコを眼を疑いました。
「奥さん、今日はご主人は!?・・・」
「店長さん!あれから間もなくして主人はなくなりました。癌で・・・」
胸が詰まりました。
こんなドラマがあるんですか。
そして奥さんは「あんなに好きだったパチンコを何で反対したんでしょうね。今日は主人の供養にパチンコしています・・・」と。
泣けました・・・
そこに、いるのが最も庶民であると気づいたときには熱くなる胸を押さえきることができませんでした。
それからは悲しくて、淋しくてパチンコしている人の姿に出会った時には胸がギュッとつまる思いがするのです。庶民の娯楽にはパチンコと人生の生き様があるのです。
最後まで、ありがとうございました。
了
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元店長さすがです!良い内容でした。みたいなコメントはよく見るけどトミナガさんには無いね。
なかなか良い記事なのに
ピンバック: THE
>なんだか、本気が伝わってこない。
>こんな時に、先人は「割数のメリハリ」とは、
>よく言ったもんだと感心している。
人生は山アリ谷アリ、“苦・楽”は表裏一体でしょう。
生きる実感・・、やはりメリハリがあるから面白い。
パチンコ遊技にも本気のメリハリが大事だと思いますね~っ。
たかがパチンコ、されどパチンコ・・。
トミナガさんのエントリーからは“人生観”を感じます。
人生観、それは究極のところ死生観でもありますネッ。
パチンコを打つことが『供養』。
庶民の娯楽、そこにはさまざまな物語があったように。
唯一無二の、それぞれの『人生物語』があったように。
現代が、時代が、生み落とした勝ち組、負け組論。
しかし、それを超越したナマの“生”が浮世の片隅で呼吸している。
持論、ヒトは七転び八起きで人生を“本気で”生きるモノ。
業界従事者も、そしてお客さま方も然り・・・。
だからこそ、心の琴線に触れる『物語』が在るのだと思います。
ピンバック: 蜻蛉の親爺
記事の中には昔のパチンコ店があります。
私は25年ぐらいパチンコを打っていますが最近体力や動体視力の衰えを感じます。
年齢と共に可処分所得は増えますが体力が衰えます。
羽物は音や光が控えめで打っていて楽ですね。
自宅で実機を動かすと騒音が大きい為、専用の倉庫を借りています。記事とは直接は関係が有りませんが死ぬまで遊べるように静かなホールが登場して欲しいですね。
ピンバック: あさ
久しぶりにトミナガ翁の講義を拝読しました。
数年前にお会いした時、大阪駅近くの小さな居酒屋で語らいあったのが懐かしい思い出ですが。
今後もハネモノに限らず、トミナガ流マネジメントを楽しみにしております。
ピンバック: マルハン店長
>>ハネモノと共に生きた元店長とは、ハネモノでも盛り上がった。東京で8時間にも及ぶパチンコ談義をしました。特にハネモノには格段の熱情でした
トミナガ様と元店長そんな仲だったのか。
8時間もパチンコ談義や釘談義ができるとは羨ましい。
現代の店長クラスで釘談義を1時間以上できる人は少なくなりましたから。
ピンバック: 業界人(釘好き)
泣けました。昔は店長さんが、店内に居たりしてアットホームな感じもあったけど、今は殺伐としていますね。
ピンバック: ホールの養分と呼ばれています
体験談に感銘を受けました。
ありがとうございます。
前回もコメントさせて頂きましたが、玉の流れの把握は旧一種も同じであり、記事の風車調整はセブン機にも活用できる考えかと思います。
最近のセブン機は1~2個ですが、ハネモノは4~6個。逆八風車や鬼釘風車。その場所によって風車調整の強弱をつけたものです。
ただ限度を超え曲げ過ぎると、寄せ・上げ調整であっても見た目でお客様が敬遠されました。
風車はノーマルベースからの微調整に留める方が賢明かと感じます。
私見ですから参考程度でお願いします。
ピンバック: 曲者
本文の中のイメージは、私の父が遊び、いっしょに付いていってお菓子を獲ってもらったころを思い出しました。
いまでも手打ちだったころの話を聞きます。
やはり、遊びには“技術”があり、上手な人はたくさん獲れる。
だからみんな上手くなりたい。
遊びに夢中になるには、そういう(子供じみた)向上心が伴わないと。
CRあたりからパチンコは遊びじゃなく博打だからね。
上手い下手じゃなく、
”あたり or はずれ”でしょ。
止め打ちや技術介入をもっとレクチャーして、
台の隅々まで遊んでもらえるような台が企画される時代になると、
面白いかもしれませんね。
ピンバック: みみ
25年以上前ですが、あるホール勤務で平として一年
班長になり一年・副主任に昇格して半年
とにかく釘を覚えたくて班長になってから早番・遅番問わず当時釘を叩いていた社長の背後霊となり約1年…
「やってみるか?」の一言から自分の釘調整が始まりました。当時の主流はぶんぶん丸・マッハシュートなどの羽根物でした。
ハカマを左右に振って命を大きく…うむ!芸術と自信満々に社長に見て貰ったところ、一発で駄目出し!
ハカマは綺麗な富士山!!と言われたことを今でも覚えております。社長の釘を見ると寸分の狂いもなく、まさに左右対称の縦長の富士山でした。ストレートに球が落ちるので役物の甘い台は命に引っかかる台もありました。
しかしあのハカマは板ゲージ・球ゲージだけでは作れない芸術でした。
今でも忘れることのない教訓です。
もう一つ
当時は大都の2800∑というホールコンで幅約10センチのロールペーパーに各台の赤・黒の差玉とスタート・ベースが台数分で約1メートルのデータが出てきました。
それを過去二日分のデータと当日のデータを横に並べ、二日連続黒で跳ねマークのチェック(開ける)・二日赤は○(閉める)をしていましたが、不思議とセブン機でもSは見ません。赤・黒のみです。
なので、開けても開けても出ない台は凄まじいスタートだったと思います。逆に赤が続けば連日シメシメでしたので同機種でも5.5~7.0位の幅があったのではないかと今更ながら感じます。今の機械では必ずしも肯定はされないと思いますが…
しかし、小さい店でしたので、一人一人のお客様を把握し、二日連続で追っているのだから…今日は少しでも勝てるように、二日良い思いをしたのだから今日は少し置いていってね!
これが釘とお客様の会話(駆け引き)だったのではないでしょうか?
私の店は決して出しているお店ではありませんでしたし、むしろぼったくり?なのに店は繁盛店でした。
割数では表せないけどお客様に信用があったんですね。
現在の大型店では誰が勝って・誰が負けたか?誰が何連勝していて、だれが何連敗しているのかは会員カードの貯玉の判断位しか出来ないと思います。それが月単位で何十万も勝つ、何十万も負ける状況を生み出していると思います。
元店長様が以前書かれておりましたが、お客様の顔を全て覚える。ホールの雰囲気を自らの肌で感じる。
やり方や羽根物復活で小規模店が生き残る道は必ずあると信じています。
ピンバック: 業界人
私も12年ほどホールまわりをしていて、同じような経験をしたことがあります。
スロットを打ちながら涙を流しているご婦人がいらっしゃいました。それ程負けているわけでもなく、出しているわけでもなく不思議に思っていました。
お客様にもそれぞれの人生があり、パチンコがその一部であるということは、長いホール周りをしていて痛いほどよくわかるものです。
最近の若い店長さんや役職の方は、そういったものをもっと感じ取って欲しい。
羽根もの、アレパチがなくなり足を運ばなくなったお客様を再び呼び戻すことも不可能ではないと思いますよ。
ピンバック: 元店員
玉の流れは該当箇所へ「どこから」玉が流れてくるかも重要ですね。
セブン機でも特にアタッカー周りでは言えることなので、他店との差もつきそうです。
記事で仰る通り、客層ごと・スペックごと・日ごとの利益の出し方。
これができれば広告費・新台入替を激減しても大丈夫のはずです。
地域に根付いたホールさんに頑張っていただきたいものです。
ピンバック: まーん