11月20日、文京区シビックホールで開催されたOJISホール経営研究会の第11回幹部勉強会より採録。
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昨年10月に創業50周年を迎えたプローバホールディングスは、広島市に本社を置き、現在パチンコ店13店舗、ゲームセンター13店舗、ボーリング場、カラオケ、飲食店、人材開発事業、介護福祉支援事業など幅広く事業展開を行っている。
先代社長は日遊協の第4代会長を務めた平本将人氏で、4年前に心不全で急逝したことから子息の平本直樹氏が社長に就任した。丁度、世代交代の準備を進めていた最中だったが、その日は突然訪れた。
「『すべてはお客様のため』を企業理念に、先代は業界を健全に発展させたい、と常々考えていました。その意志だけは引き継いでいます」(平本社長)
同社が掲げるのがCCES。
これは、地域社会、お客様、従業員のつのベクトルに完全な満足を提供する意味が込められている。
人の育成こそが企業が成長する一番の近道との考えから、人財開発HRD事業を立ち上げる。真SPDCA研修を通して全員経営を実践中で「漢方薬のようにジワジワ効いてきている」(同)
全員経営とは社員一人一人が経営者の感覚を持つことだが、そのためにバランスシートを開示した。
「負の情報もあったので、覚悟がいったが、経営情報を開示しないリスクの方が高いと判断して、開示に踏み切った。この覚悟が全社員を奮い立たせた」(同)
開示することによって経営幹部と現場の濃密なコミュニケーションが始まり、全員経営に舵を切るところに成功する。
6カ年の中長期計画では、6年後の姿をイメージして、現実とのギャップを逆算しながら目指すべきロードマップを策定。
3カ年計画では本社の中間管理職と現場の店長の共同作業で策定した。本社と現場=理想と現実。ここでは当然ぶつかり合いも起きるが、うねりの発生を意図した。
会議のあり方も見直した。
現場から経営幹部への報告会の場となっていた会議をボトムアップを引き出すための議論の場へと変えていった。円滑に議論が生まれる工夫としては、会議前にコーヒーでブレイクタイムを取り、気楽に会議に臨めるようにした。
年度ごとの経営計画の策定では、経営サイドからの数字の押しつけを解消した。経営サイドは各部門からヒヤリングした後にガイドラインを示すだけで、数字は現場の店長が自主的に策定した。
その結果、お互いが納得のいく経営計画が立てられるようになった。
現場は立案した以上遂行責任があり、経営陣はそれを承認した責任を負うことになる。これで経営陣と現場の距離が縮まった。
人の成長があって、事業が成長する。事業が成長するから人が成長する。
何よりも現場から声が挙がるようになった。日々の店舗運営でのズレに気づくようになり、自らが解決するようになった。
ボトムアップとトップダウンのせめぎあいの中で、現場の声を採用するようになった。
現場発信の取り組みとしては「お客様カルテ」の作成と女性社員がイキイキと働けるなでしこプローバの結成だ。
現場発の取り組みが全員経営の核心であり、現場力を高めることにもつながっている。
※詳細は次回へ。

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全員が経営者感覚、言うは易しですが、なかなか難しいところですよね。全員が営業、ならまだ分かりますが。経営者というのはお金の管理だけでなく、常にリスクを背負って改革する力と、従業員の生活を守る義があります。各従業員の給料まで開示してしまうとやる気をなくしてしまう人、独立志向を高めてしまう人、色々でしょう。トップにどれだけ魅力があるか、会社にどれだけ魅力があるかというところで、従業員の資質が決まってくるのでしょうね~
ピンバック: 獣
素晴らしいと思うと同時に頑張りすぎている人はいないか?と思う
サビ残、休日出勤、有給無消化など
私のイメージだけどやる気のある会社は高確率で社畜がバカな事を言う
会社の仕事が充実し社員のプライベートも充実しているなら働きたい人は沢山いるだろうね
ピンバック: ヘビーユーザー
急に店舗がドカドカっと増えた記憶があります。
いろいろ変わったことをしてるなーという印象でしたが、郊外にあるので通うのがおっくうで数えるほどしか行ったことないですねー。
僕は綺麗で小洒落て広いお店は好きじゃないですが・・・
ピンバック: 脱ギャンブル
≫全員経営とは社員一人一人が経営者の感覚を持つこと
パチンコ業界に限らないのですが、報酬(給与、賞与等)は平社員なのに経営者感覚を持て、とはどうなんでしょう。
立場が違えばみな仕事に対する取り組みが違って当たり前。 プライベート重視の人間もいるし仕事重視の人間もいる。どれが正解とかじゃない。みんな正解。
意識を共有=上からの押し付け(サビ残とか)にならないようにして下さいね。
ピンバック: クロワッサン
良いことだと思います。
昔ホールコンピューターの各台のインアウトを店内に毎日張り出していた店がありましたが(笑)
あれは究極の情報公開かも(笑)
ピンバック: 元ヘビーユーザー