自由競争とは聞こえがいいが、弱肉強食の原始社会に戻ることを意味する。特に射幸心を著しく煽ることが禁止されているパチンコ営業は、自由競争には向いていない職種だったことが分かる。適度な規制があった時の1990年代の方が業界は元気だった。
自由化の成れの果てが今の姿である。
とどめを刺したのは等価だ。一度等価で大勝ちするとその味が忘れられない。等価に慣れ切った客は低価交換では損した気分にしかならない。店が暴利を貪っている感覚になる。
「会社の中で今や盆営業なんて死語ですよ。会社の指示も通常営業ですからね。夏休みも分散したり、墓参りに帰っても昔ならパチンコでしたが、今は家族でイオンモールですよ。等価では調整幅が狭すぎて何もできません。取るときに取らないと出すときに出すこともできない」(北関東ホール関係者)
今年のGWは、カレンダー上は最初で最後の10連休となった。この時長い休みを持て余し、各ホールとも稼働が上がったことは事実。まだ、潜在的ファンがいることを証明してくれた。
「ウチはスロットは47枚貸しですが、これから消費税が10%になり、さらに貸し出し枚数を下げることになる。外税ではお客さんは損した気分になる。内税で吸収するためには交換率を下げるしかない。しかし、そうなると等価で強い店へお客さんは流れる。体力勝負では中小は勝てない」(同)と前置きした後で、こう続ける。
「なぜ、依存症対策で出玉を2400個から1500個に下げたのか。業界は2400個を死守して、その代わり交換率を一斉に40玉に下げるということができなかったのか。この点が非常に悔やまれる」
1回の大当たり出玉を2400個、等価交換で計算すると9600円。約1万円である。それが1500個になると等価で6000円である。
これを2400個の出玉で2.5円交換すれば6000円で金額的には同じだ。金額が同じならば、出玉が多い方が楽しい。
ただ、交換率を一斉に40玉に戻すのは独禁法違反になる。例えば、30玉以上と幅を持たせなければならない。

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