パチンコ日報

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くら寿司のエグゼクティブ採用とパチンコ業界


回転ずしチェーンのくら寿司がことし5月から実施している「エグゼクティブ採用」が外食産業で話題になっている。採用されると社会人経験はゼロにも関わらず入社1年目から年収1000万円の破格の待遇である。

条件は26歳以下で就業経験があるものは除外される。社会経験があると、くら寿司の社風に馴染まないからで、真っ白い人材を必要としていることが伺える。

必須条件はTOEIC800点以上、簿記3級以上。つまりかなり英語が得意でなければならない。外資系企業に就職するには必須レベル。英語力を必要とするのは海外展開の責任者になることが求められているからだ。

外食産業は40歳モデルで平均年収が491万円。入社したてなら300万円を切るのが普通だろう。一般職入社とエグゼクティブ採用では給料に3倍以上の開きが出る。

一般社員の不満やモチベーションが下がることが懸念されるところだが、田中邦彦社長は次のように答えている。

「当社の文化として『人と比べるな』というのを常に言っている。中途で入った人が上司になったからと言って、文句を言うなと。年功序列ではないということはそういうことだ。このようなことは入社する社員にしっかり伝えている」

くら寿司のエグゼクティブ採用を読んだ業界人が、過去の自分に置き換えて述懐する。

「幹部候補生採用で入社したホール企業は、1~2年で店長に昇進することを謳っていました。2年間で25人が採用されました。初任給は一般採用より5万円近く上で、私は11カ月で店長になり、その時の年収は750万円。業績を上げることで最終1300万円の年収をもらっていました」

幹部候補生は入社早々2枚のタイムカードを持たされた。1枚は通常のタイムカードで、もう1枚は釘の勉強用だった。そのホールは早朝6時から店長が釘調整をしていた。その時間には出勤。店長の後ろについてやり方を見ながら釘の勉強をするためだ。6時から開店の10時までの4時間の給料は出ない。

釘の技術の習得のために自室にゲージを持ち込み、垂直上げ3度を目視で叩けるように特訓した。角度ゲージもない時代だ。社内試験に合格して晴れて店長として釘が叩けるようになれる。

古い社員は幹部候補生に納得しない。島ベルトの交換も10年選手よりも早く交換しなければならない。なんでもできて当たり前。4人必要な店舗を2人で回すこともあった。

この時点で半分以上は脱落した。

「私はパチンコ好きで、釘を弄るのが楽しくて仕方なかったから、店長にもなれたし、業績も上げられた。年上の部下ばかりで、幹部候補生がすぐに店長になると現場は腐るもので、優秀な社員から辞めて行った。下が腐ることが分かり、会社は幹部候補生の募集も止めました」

パチンコ業界も新卒採用で「店長になれば年収1000万円」を謳っていた時代もあったが、おカネで釣る時代はとうの昔に終わっている。くら寿司のエグゼクティブ採用の今後に注目したい。



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