パチンコ日報

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ゴンチャ方式を採用して求人費を5分の1に抑えたホール

台湾発祥で世界に2000店舗以上を展開するティーブランドのゴンチャは、人手不足の飲食業界にあって、アルバイトの応募が殺到することでも有名だ。ある新規店舗で30人のアルバイトを募集したところ、400人の応募があった、という。実に13倍の競争率だ。ゴンチャではアルバイト希望者が絶えないのだが、そこにはブランド力と共に、応募者の9割以上がゴンチャの客でファンということが見逃せない。

フレンドリーな雰囲気や柔軟なシフト体制、従業員割引など、スタッフにとって魅力的な労働条件を提供しているようだ。

従業員がSNSでポジティブな発信をすることで、求職者の目に留まりやすくなる可能性がある。ゴンチャの働きやすさや職場の雰囲気がSNSや口コミで広まっている場合、広告費をかけなくても応募が多くなる傾向がある。

コストをかけずに求人募集ができているということは、どこの業界でも見習いたいものだが、ホールオーナーの姪っ子がゴンチャへ就職していて、このゴンチャ方式を採用したホールがある。

ゴンチャの応募者の9割以上がファンであることに着目したオーナーは、発想を切り替えて、まず、最初の募集ではパチンコ・スロット好きをターゲットにした。遊技者が一番知りたい情報は何かを考えれば答えはすぐに出る。そう、必勝法である。

例えば、スロットであれば店側がどういう方法で設定配分をやっているか、そのノウハウを週1回の講習会でレクチャーする、というものだった。この時「絶対口外無用」と釘を刺す。スロッターにすれば、おカネを払ってでも知りたい内容だ。休みの日に他店で打つ時に大きな強みになる。

初期メンバーが定着すれば、後は友達を誘ったり、口コミで広まっていく。この時のポイントは時給がそんなに高くしなくても集まる。大学生から20代後半の人材が採用できるようになった。

ゴンチャ方式を採用した結果求人費は従来の5分の1まで抑えることに成功した。

パチンコ業界はこれまで高額時給で人手不足に立ち向かってきたが、現状は時給でも一般業種に負けて、人が採りにくくなっている。高額時給が払えない現状では、パチンコ・スロット好きをターゲットにしていくしかない。そのターゲットは自店にいるのだか、1本釣りしてみては? 

日報へ投稿していたスロプロくんもホールへ就職して、好きなことを仕事にしたので、職場でもすぐに頭角を現した。


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300台クラスで日売り3000万円時代を思い出せ

業界回顧録となる。平成が始まったころの話である。

地方へ1号店を新規出店。パチンコは出店するだけ儲かる時代で、2年ほど経って2号店を出店した。その時の新聞広告が地元で話題をかっさらった。

その地方では折り込みチラシよりも、新聞紙面に広告を打つことが主流だった。地方紙の全3段を使い、赤文字で「出します」。片隅に店舗名と開店時間を小さく載せた。単純明快なコピーが地元ファンをざわつかせた。

当時は整理券もなければ、客を並ばせることもない。自動シャッターを開ける隙間から客が雪崩れ込み、けが人が出るような時代だった。

地域一番店になるのに時間はかからなかった。新参者の快進撃は、既存ホールからは妬み、恨み、やっかみの標的となる。

後日、新聞広告は組合で大問題になった。

組合からは中止を求められたが、ホールは応じなかった。

すると組合から警察OBの専務理事がホールを訪れた。

「パチンコは出すのが当たり前だからこの表現はおかしい。書かないで欲しい」と変な理論を振りかざしてきた。

「パチンコは出すのが当たり前だから出す。それの何が悪い」と応じなかった。

353台の店に月間で10万人が訪れ、日売りは3000万円に達した。実に台ウリ10万円だ。この時代は機種によっては台ウリ10万円もあったが、これが全台ともなると話は別。

では、どうやればこんな売り上げになるのか?

何と、このホールでは島ごとに6人の釘師、6人の店長を育成して、島ごとに売り上げを競わせた。その結果が台ウリ10万円だ。

「一番店を作るには頭、腕、何よりも心で勝つことを目指した。客が集まれば集まるほど出玉は出ているように見える。出ているように思わせるテクニックが大事。それには釘の技術と設定の妙が必要」(元社長)

大繁盛した。閉店後駐車場には翌日のために100人が並んでいた。

組合とは一線を引いたが、役所、警察、商工会とも密な関係を作り味方につけた。

社員には他所よりも1万円給料を多く出した。

特に給料日は店長、部長には税金のかからない別封筒(5~10万円)を手渡し「これは自分のために使いなさい」と人心を掌握した。

「接客では稼働は上がらないと言われたが、接客は釘調整でもあり出玉調整でもある。接客によって14割営業が14.5割営業に見える。閉めているのにお客さんは「出ている」という。お客さんが多いと出ているように見える。稼働のないところに客を付けるのが接客です」

頭と腕と心の理論の中で今のホールで失われているのが腕の部分ではないだろうか。



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スロットの各台計数機導入で負ける確率が増えた人の悲劇

精神科医の下にギャンブル依存症患者がやってきた。正確にはスロット依存症だった。

40代の男性で、借金苦からうつ病を患い、リストカットなどを何度か試みるなど自殺願望もあった。

借金は友人・知人など30人以上から。金額的には1人5万円ぐらいから、多い人になると200万円にも及び、総額は2000万円以上に膨れ上がっていた。ちなみに、200万円は近所の顔見知りの認知症のおばあちゃんから借りていた。本人は誰からいくら借りているかも分からなくなっていた。

スロットはジャグラーから始め、万枚を求めて高射幸機に移行して行った。スロットについては素人だったが、彼なりの必勝法があった。出ている台の隣には座らないこと。「隣合わせで設定を入れることはない」と店長のクセを読んでいた。

これって、データランプもなかった昭和のホールで、灰皿が吸い殻でてんこ盛りになっている台を選ぶ感覚に近いものがあった。釘が読めなければ、同じ銘柄のタバコなら1人が粘っている台だから「出る台」と台選びの基準にもなっていた。当時のホールの中には、わざと頻繁に吸い殻を回収しないようにしていたホールもあった。

ところがある時点から全く勝てなくなった。マイホールにしていた優良店がスロットコーナーにも各台計数機を導入したため、箱積みがなくなったことから、目視でどの台が出ているのかさっぱりわからなくなってしまったのだ。

「出ている台の隣では打たない」の自己流必勝法が通用しなくなった。それならデータランプでチェックすればいいようなものだが、読み方がよく分からなかった、というのが彼の言い分だった。

そこから友達から借金を重ねるようになった。

本人の感覚では1000万円ぐらいと思っていたが、2000万円以上に達していた。借金が膨れ上がったことで、返済することを考えた。

銀行強盗まで考えたがすぐに捕まるし、自分にはやる勇気もなかった。借金で追い詰められた人たちが闇バイトに手を出すようなものだ。

競馬で大穴狙いで一発返済に挑戦もやったが、そんなものが現実の世界で起こることはなかった。

借金苦からうつ病になり、自傷行為を続けるようになり、見かねた親が借金の肩代わりをやって、精神科の門を叩くことになった。

本人にすればホールが各台計数機を導入したことが、負ける確率が高くなった、と言いたいのだろうが、視覚効果というのは確かに一理ある話だ。スマート機化が進むことは業界にとっていいことなのか、悪いことなのか。

必要は発明の母。出玉感を演出する製品が何社から登場している。


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パチンコ業界のジレンマ――3店方式の迷宮を超えて

「パチンコ業界は風営法のままでは将来はない。パチンコ業法が必要だ。しかし、これに反対する業界の重鎮たちが鬼籍に入るまでは何も動かないだろう」――これは業界関係者が吐露した思いの丈だ。 とんでもなく過激な発言だが、そこには地方特有の切実な事情がある。

この業界関係者の地域の郡部では、3店方式がもはや建前と化している。地域的に経費的に景品問屋が動けない。動けば動くほど赤字になる。ホールは景品問屋に伝票代を支払っているだけ。

景品買取所の人件費もままならないので、ホールの従業員がときたま中に入ったりすることも。これを警察のお目こぼしで何とか続けることが出来ているが、時折、自家買いで摘発されることがある。このお目こぼしがいつまで続くかどうかが不安で仕方ない。

そもそも3店方式の元祖である大阪方式が経営破綻したことでも分かるように、地方の田舎となれば推して知るべし。

「警察にとってパチンコ業界は利権なので潰すことはない…」――そんな思いが業界関係者の頭の片隅にはある。根本的な解決策として願うのが「パチンコ業法」の制定だ。

風営法の下では、パチンコはあくまでも遊技だ。パチンコで遊技の結果に応じて提供される賞品について、「一時の娯楽に供する物」として賭けたにとどまるときは、賭博罪が成立しない。

特殊景品を3店方式という方法での換金が違法でないのは、3店方式が厳密に守られている時だ。

業界が儲かっている時は景品買取所の取り扱い額も多かったので、問題なかった。時代が変わり、売り上げが激減、透明性が求められる中では、この3店方式自体が制度疲労している。

パチンコ業法が成立し、換金が正式に認められれば、この業界は新たな形態で成長できるかもしれない。それは同時に、警察の「利権」も構造的に見直される必要があるということだ。

問題は、業界内でもパチンコ業法に反対する勢力が根強いことだ。 特に、業界の「重鎮」たちは、この新しい整備法が業界の危険だと信じている。それが正しいかどうかは別として、彼らの影響力は大きく、現状を変えて進まない最大の原因となっている。

そんな中で、業界関係者が「重鎮が鬼籍に入るまで待つしかない」と言うのは、素朴な冗談ではなく、ある種の諦めを含んだ現実的な感情だ。

田舎では、未だにパチンコが主要な娯楽として君臨している。映画館もテーマパークもない地方では、ホールの明かりが「町の灯火」として機能しているのだ。業界の存続が地方経済や地域社会にとってやはり重要である。

しかし、その光がこのままの状態で維持できる保証はない。3店方式という危険な綱渡りをいつまでも続けることはできないだろう。

「パチンコ業法」という新たな道を見通しつつ、変わらない現状をただ待っているというジレンマ…。地方社会の消え入りそうな「灯火」を守るために、なんとか制度を変え、透明性を確保しているかにかかっている。

パチンコ業法が実現する日は来るのだろうか?



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機械トラブルの対応で10人あまりの常連客を一気に失う

北関東でのホールの出来事。

自宅から一番近いという理由で30年間以上も通い詰めているお年寄りの常連客が、機械トラブルで対応に出た店長の態度にブチ切れて「二度と行かない」と啖呵を切った。1人の常連客を失っただけでは済まなかった…。

そのホールは地元でも評判は良くなかった。1000円スタートが10~12回しか回らないホールで、その常連客は頑なに4円を打ち続けるような貴重な太客でもあった。負けても熱くなることはなく、1万円でスパッと切り上げて帰るタイプでもあった。

問題が起こったのは、遊技中だった。急に玉が飛ばなくなったので、呼び出しボタンを押した。対応に出たのは見知らぬ顔の男性スタッフだった。後から、この男性が店長だったことは分かるのだが、大手ホールから転職して就任したばかりだった。

ドアを開けて点検したが、修理に1時間以上はかかるので、「これで止めてもらうしかないですね」という対応だった。

その台で7000円ほど打ち込んでいるので、「はいそうですか」という気持ちにはなれず、納得がいかなかった。

見たこともない顔だった男性スタッフの対応が、余計に横柄に感じられた。「それが30年以上通い続けている常連客に対する態度か!」と怒りがこみ上げてきた。

言い争いになり、「二度と来るか!」と、常連客を怒らせたまま帰すことになった。

このお年寄りの常連客は地元の選挙でのまとめ役でもあったことから、事態は最悪の方向へと展開していく。

この地元でも評判がよくないホールなのに、このホールにはまとめ役の仲間も通っていたのであった。その数10人あまり。

皆、年寄りなのでこの評判がよくないホールでも、近いという理由でここに集まっていた。

出ない店でも仲間がいるから、ここに来ていたという理由があった。まとめ役の号令一下で、皆行かなくなったというわけだ。

10人あまり常連客がごっそり抜けたことで、前店長がなごみの米屋の羊羹を持って謝りに来た。


そこで、「あいつは誰だ!」と聞いたところ、対応したのが新任の店長であることが判明した。

まとめ役は「困らせようとは思っていない」というが、頑固なお年寄りを怒らせると、10人あまりの常連客を一気に失うこともある、という事例である。

機械トラブルの時に、この謝りにきた前店長が対応していたら、杓子定規ではなく、フレンドリーに納得のいく説得の仕方をやっていたかも知れない。



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