元気に働けるのも後10年余りと読んでいるオーナーは、現在、自分が好きなことに情熱を燃やしている。いずれ、それを商売に店を出店する計画で、成功すれば社員にのれん分けまでを視野に入れている。
では、オーナーが情熱を傾けているのは何かといえば、それはオムライスとスパゲティーのナポリタン。自分自身で作って知り合いに振舞っている。ケチャップ料理がとにかく大好きで、スペインのトマト祭りには8回も行き、自宅の庭では自分でトマトを栽培しているほどの筋金入りのトマト好きだ。
オーナーのケチャップの拘りは、カゴメの「特級品ケチャップ」を使うこと。

業務用の3.3kg缶が1676円、標準は1334円、と少し割高がある。オーナーは「完熟トマトがふんだんに使用されている特級品」と標準で作ったオムライスを業界の仲間に試食させたところ、「特級ケチャップの方が確かにコクがあって美味しい」と評価されたそうだ。
では、オムライスの卵はどうかというと、ここは意外にも普通の卵で十分らしい。その理由は、特級ケチャップの濃厚な味わいが卵の風味を消すので、卵に高級品を使っても意味がないという考え方だ。
そして、このオーナーの最終目標は、オムライスとナポリタンの専門店を出店することだ。 現在はパスタ専門店で修行をし、メニューのバリエーションを増やそうと奮闘中だという。
店が成功すれば、社員にのれん分けまで考えた店舗展開を夢見ているのだ。
ここで注目したいのは、オムライスやナポリタンの原価率が1割程度に抑えられるという点だ。パチンコ業界で戦ってきたオーナーにとって、この原価率の低さは非常に魅力的に映る。
かつてオーナーは、パチンコに情熱を注いでいた。自分自身がパチンコ好きでもあったが、店を出せば出すだけ儲かったからだ。今は、どんどん店を閉めて行っている様に、儲からなくなったから情熱もなくなった。実にシンプルな理由だ。
でも、人間というは不思議なもので、好きなことには情熱を注ぎ続けられるものである。 好きこそ物の上手なれという諺があるように、好きなことに興味を持って熱心に取り組むため、上達するための工夫を自発的にでき、努力し続けることが苦にならないため、自然に物事の上達が早くなりやすい。
そんなオーナーの姿を見ていると、やはり人生は一度きり。好きなことに情熱を注ぎ、楽しみながら過ごすことが大切なのだと感じる。
もしかしたら、数年後はオーナーのオムライスとナポリタン専門店が街に登場し、行列ができる人気店になっているのかもしれない。そして、そこで食べるオムライスには、特級品ケチャップのコクがたっぷりと感じられることだろう。
「トマトに愛を注ぎ続けたオーナーの最後の挑戦」。店の看板には、こんなキャッチコピーが書かれているかも知れない。

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