パチンコ日報

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ホールオーナーのトマト愛が止まらない!? オムライスとナポリタンに賭ける第二の人生

かつては何店舗あったのかも分からないが、現在4店舗になるまで縮小してしまったあるホールチェーン。実はこの4店舗のうち、2店舗は既に閉店予備軍という状態だ。70代のオーナーはホール経営の意欲は失せている状態だ。

元気に働けるのも後10年余りと読んでいるオーナーは、現在、自分が好きなことに情熱を燃やしている。いずれ、それを商売に店を出店する計画で、成功すれば社員にのれん分けまでを視野に入れている。

では、オーナーが情熱を傾けているのは何かといえば、それはオムライスとスパゲティーのナポリタン。自分自身で作って知り合いに振舞っている。ケチャップ料理がとにかく大好きで、スペインのトマト祭りには8回も行き、自宅の庭では自分でトマトを栽培しているほどの筋金入りのトマト好きだ。

オーナーのケチャップの拘りは、カゴメの「特級品ケチャップ」を使うこと。


業務用の3.3kg缶が1676円、標準は1334円、と少し割高がある。オーナーは「完熟トマトがふんだんに使用されている特級品」と標準で作ったオムライスを業界の仲間に試食させたところ、「特級ケチャップの方が確かにコクがあって美味しい」と評価されたそうだ。

では、オムライスの卵はどうかというと、ここは意外にも普通の卵で十分らしい。その理由は、特級ケチャップの濃厚な味わいが卵の風味を消すので、卵に高級品を使っても意味がないという考え方だ。

そして、このオーナーの最終目標は、オムライスとナポリタンの専門店を出店することだ。 現在はパスタ専門店で修行をし、メニューのバリエーションを増やそうと奮闘中だという。

店が成功すれば、社員にのれん分けまで考えた店舗展開を夢見ているのだ。

ここで注目したいのは、オムライスやナポリタンの原価率が1割程度に抑えられるという点だ。パチンコ業界で戦ってきたオーナーにとって、この原価率の低さは非常に魅力的に映る。

かつてオーナーは、パチンコに情熱を注いでいた。自分自身がパチンコ好きでもあったが、店を出せば出すだけ儲かったからだ。今は、どんどん店を閉めて行っている様に、儲からなくなったから情熱もなくなった。実にシンプルな理由だ。

でも、人間というは不思議なもので、好きなことには情熱を注ぎ続けられるものである。 好きこそ物の上手なれという諺があるように、好きなことに興味を持って熱心に取り組むため、上達するための工夫を自発的にでき、努力し続けることが苦にならないため、自然に物事の上達が早くなりやすい。

そんなオーナーの姿を見ていると、やはり人生は一度きり。好きなことに情熱を注ぎ、楽しみながら過ごすことが大切なのだと感じる。

もしかしたら、数年後はオーナーのオムライスとナポリタン専門店が街に登場し、行列ができる人気店になっているのかもしれない。そして、そこで食べるオムライスには、特級品ケチャップのコクがたっぷりと感じられることだろう。

「トマトに愛を注ぎ続けたオーナーの最後の挑戦」。店の看板には、こんなキャッチコピーが書かれているかも知れない。



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こだわりの仕事とプラス1の付加価値で繁盛する喫茶店に学ぶホール営業

外資系のコーヒーショップの台頭により、街中の個人で経営している喫茶店がどんどん閉店する中で、頑張っている喫茶店がある。大阪・堺市の「珈夢亭(こむてい)」がそれ。コーヒー豆の販売のほか、百貨店内でもコーヒーショップを11店舗運営しているが、10年ちょっと前にオープンした「珈夢亭」は、パチンコだけでなく、あらゆるサービス業のヒントになることが満載されている。

一歩、店内に入ると喫茶店なのに、広い店内には輸入食材やワインから地元のパンや和菓子、鍋の具材までが整然と並んでいる。

「コーヒー豆のほか、輸入缶詰やワインも百貨店に卸していたので、それを店に並べていったらどんどん商品が増えてきた。ここは喫茶店ではなく地元のコミュニティーの場として、皆さんが寛げる場にしたかった」と語るのは園田高久社長。

経営のコンセプトは「プラス1」。

何か1つ加える。一例を挙げればコーヒーに和菓子を一品つけた和菓子セット(500円)がそれ。コーヒーにケーキは当たり前すぎて面白くない。堺市には和菓子の名店が数多くある。そこで地元の和菓子を取り寄せてセットにすることを思いついた。

「コーヒーに餡子の迷いはありませんでした。こういう立地の路面店の喫茶店は、地元のお客様に来ていただく地域密着型を心がけなければなりません。地元密着を目指すのであれば、和菓子も地元のものを扱うことにしました。うちのお客様は年齢層が高いので和菓子をセットにしたところ、年配のご婦人には大変好評をいただいています」

本業のコーヒーにも、もちろんこだわりがある。外資系チェーンの様にあらかじめ大量に作り置くのではなく注文を聞いて1杯ずつコーヒーを点てる。何よりもコーヒーの命は水である。水が美味しくなければ、コーヒーも美味しくない。美味しい水を求めて全国を探し回った結果、たどり着いたのが、北海道・羊蹄山の湧き水だった。

「羊蹄山の水はまろやかな軟水です。水の個性が弱い分、コーヒーの個性を引き立ててくれます。硬水はモカとキリマンジャロの違いが分かりにくいのですが、羊蹄山の水はその違いを理解しやすい」

北海道から運んでいるので水のコストは当然高くなる。同社はギフト用にアイスコーヒーも販売している。大手飲料メーカーのアイスコーヒーが3000円で7本セットに対して、同社は3本。百貨店でお中元用に販売したところ、売れたのは3本セットの方だった。贈り物の場合は、普段飲めないようなものを贈りたい、という心理が働くからだ。

コーヒーの味を左右するのが水なら、パチンコでは釘だ。こだわりを持ってストレスを感じないような釘調整をどこまでやっているか。

喫茶店に例えるなら、水道水を使って大量に作り置きして風味もないコーヒーを出しているのが、稼働を落としているホールであろう。

和菓子セットが注目され、堺市の観光ガイドにも載るようになり、観光バスの団体客が訪れることもある。

「わざわざ来ていただくのだから、一杯のコーヒーにもプラス1の価値が必要になってくる。これからの喫茶店はこだわりがないと生き残ってはいけない」

こだわりを持って仕事すると共に、プラス1の付加価値を付けること。ホール運営にも是非取り入れたいサービス哲学でもある。



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岩手の廃屋から豊国遊機のパチンコ台発見物語

古いパチンコ台を蒐集しているマニアのAさんは70代。これまでに集めた台は100台あまり。手打ち式時代のものからゼロタイガー世代のものを中心に集めている。中でも一番のお宝は20万円で買った正村ゲージだった。

Aさんはとにかく古いものが好きで、古いパチンコ台以外には廃屋マニアでもあった。廃屋を求めて愛用のバイクにまたがり地方を遠征することもある。地方には人の手が入っていない廃屋がゴロゴロしている。

お宝を発見すると近所の人に持ち主を聞いて回り、許可をもらって家の中に入る。廃屋の中は長い間時間が止まっている。

昭和45年の大阪万博の記事が掲載されている新聞を発見すると小躍りした。古いコーラの瓶、ホーローの洗面器、昭和40年代の家電…Aさんにとってはこれがすべてお宝となる。

家主にはゴミでもAさんには垂涎の的。事情を説明すると「全部持って行け」となる。

それは岩手県に遠征した時だ。お目当ての廃屋を発見すると持ち主を探して、交渉する。

その“物件”は今から55年前まで住んでいたが、新しい家を別の場所に建てたために廃屋となっていた。

ここで正村式時代の超お宝を発見することになる。

それは豊国遊機製作所のパチンコ台だった。朽ち果ててボロボロになっているが、ブリキに書かれた社名から豊国の文字が読み取れた。


日工組の資料によると豊国遊機製作所は昭和27年ごろのメーカーで、正村がゲージの神様とすれば、豊国の菊山徳治氏は連発式オール20を発明していた。それ以外にははったり付きオール10を世に出す。当時は入賞口の装飾をはったりといい、顧客の目を楽しませた。

このタイプは昭和28年ごろパチンコの主流をなした。

パチンコ業界では正村はあまりにも有名だが、その陰で菊山もなかなかの発明家である。

Aさんは豊国であることが分かって全身の毛穴が開くほどの興奮を覚えて。パチンコ業界の歴史を語る上でも非常に貴重な資料となるからだ。

Aさんが豊国に興奮するのは、長年メーカーの工場で働き、最後は工場長で定年を迎えた元業界人だからだ。入社当時からの自社製品は全部コレクションしている。

バイクではとても運べないので、地元のレンタカーを借りて廃屋から運び出す。

家主にすれば、朽ち果てたパチンコ台は単なるゴミ。

「こんなものくれてやる」

家主のおじいさんは、なぜ、こんな古いパチンコ台を持っていたのか、思い出せなかったが、ばあさんに言わせると「じいさんはパチンコ好きでよく打ちに行っていた」とのこと。

Aさんにとってまたお宝が一つ増えた。廃屋巡りの趣味の賜物でもある。



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そうじのおばちゃんを戦力化

東北の単独店で掃除一筋に20年間働いてきたおばちゃん(76)がいる。時給は1000円でこの20年間据え置かれたままだった。

おばちゃんは思い切って店長に「時給を上げてもらえないか」と意を決して申し出た。

店長は時給のことは頭の片隅にはあったが、おばちゃんから言われてハッとした。掃除係も1年も持たずに辞めて行くおばちゃんたちが多い中、掃除リーダーとして指導もしながら20年も続けてくれていた。

店長の判断では決められないので、オーナーに相談した。

オーナーの決断は早かった。

時給は1500円に上がった。

逆におばちゃんにオーナーは、今まで賃上げしなかったことを詫びた。

おばちゃんは「死ぬまで働きます。やっぱり社長についてきてよかったです」と感謝の言葉が出た。

なぜ、掃除のおばちゃんの時給を上げることに店長が気づかなかったか、というと店長も今の役職になって20年。この間、年俸650万円は据え置かれたままだったからだ。

大手ホールでも減収減益時代である。業績を上げられるどころか、業績は下がる一方で自分の給料さえ上げて欲しいと言える状況でもなかった。だから掃除のおばちゃんまで気が回らなかった、というのが本当のところだ。

掃除のおばちゃんは、ホールによっては「クリーンスタッフ」と呼ばれ、正社員雇用しているケースもある。

田舎の地元採用なのでお客さんの名前や家族構成、どこで働いているかまで頭に入っている。スタッフ以上に知り尽くしている。

最初は掃除のみで入ったが、スタッフが人手不足の時にインカムを付けてランプ対応をするようになった。客にすればホールスタッフだろうが掃除のおばちゃんだろうが、1分1秒でも早く対応してくれればいい。

ましてや、高齢者は掃除のおばちゃんの方が馴染みやすいし、話もしやすい。

ホールで一般景品のセールスをした場合、おばちゃんたちは一番の戦力になったりする。玉を出している年配客に声を掛けて景品を勧めるとこれが、スタッフ以上に一般景品が売れたりする。

会員獲得もお手の物だ。おばちゃんたちが声を掛けると安心感があるのか、すんなりと入会してくれる。

人手不足のヤマト運輸は配達助手で夜の部(夕方5時から夜9時)が1400円の高額時給を提示している。
※8年前の話。

パチンコ店の時給の優位性はもはや薄れる一方だ。

人材不足の解消に中年のおばちゃんを掃除スタッフとして採用して、ホールの戦力に育てる方法もある。


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接客は稼働に影響する!

ホールでアルバイトを始めたのは大学3年生の時だった。きっかけは留年したことだった。親からは「学費は自分で稼げ」と突き放された。今から18年前の2007年のことだった。当時入ったホールの時給は1300円、とかなり高額だったことが魅力で、遅番のシフトに就いた。

結局、大学は5年掛かって卒業することになるが、2年間アルバイトで学費を稼ぎ出した。

卒業に備え就活もやったが、運が悪かった。リーマンショックの余波で超就職氷河期世代のど真ん中だった。就職先など簡単に見つかるはずもなかった。

2009年~2010年と言えばパチンコ業界には追い風が吹いた。どの業種も求職がシャットアウトされ、唯一採用活動していたのがパチンコ業界だった。求人誌に広告を出さなくても店頭の張り紙でもアルバイトに困らなかった。中には時給を900円台に下げたところもあったが、それでも人が集まった。

そんな時代に行き場を失っている時に、店長から「正社員にならないか」と声を掛けられた。

就職する決め手は、自己成長できる会社だということが2年間のアルバイト経験で分かっていたこともあった。正社員になって責任感も感じるようになる。

集客に対する思い、店に対する思いなどを志高く学んでいく。

接客に関しては「第一印象」を意識した。誰が見ても愛想がいいと思ってもらえるように、表情は笑顔を心掛けた。

「接客で稼働が上がらないと言われているけど、そんなことはないと断言できます。他店で嫌な接客を受けると二度と行きませんから。お客さんは社員と話をするのを楽しみに来ているので、稼働には直結している、と思います」

ホールのムード作りにも長けていた。従業員を楽しませることが好きで、自然と笑顔が出るような職場づくりを意識した。

「褒められて嬉しくない人間はいないので、直接褒めて長所を伸ばすようにしています。仕事以外のコミュニケーションもよく取っています。それこそ、仕事が終わっても会話しています」

お客様を楽しませるには社員も楽しめる環境づくり――これをモットーに自らがエンジンとなってホールを回している。

こういうタイプの人材が出世していく。与えられた仕事を全うすることは言うまでもないことだが、陰日向のない行動で下からも上からも愛されることで役職は上がって行く。



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