パチンコ日報

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函館・パチンコ富士の真実 その2

恩田副社長がパチンコ富士に入社したのは1998年。



面接でオーナーからナゼ、パチンコ店の従業員は仲が悪いか、ナゼ、パチンコ店は新台入れ替えをするか、という質問にまともに答えることができず、それを知りたくて入社した、という。



同時の従業員は監視カメラに写らないコースを担当して、人より手を抜ける仕事がいい仕事、という意識が蔓延している時代。従業員間のイジメや陰口、グループ化、殴り合いがあるような職場環境だった。



人間尊重経営が始まったのが97年から99年。



イジメやグループ化が厳然と残っている中で、従業員の業務報告は恩田氏との交換日記的なクローズドの状態で、従業員の本当の気持ちを知ることからスタートした。



2000年から2002年にかけては経営体質の改善に挑戦した時期だった。



その一つが新台に頼らない営業、等価交換へシフトして行く中での2.5円営業だった。



しかし、従業員からは「そんなことができるはずがない。そのための勉強なんかしたくない。交換率の悪いパチンコ富士では遊ばない」と反発した。



それでも恩田氏は「パチンコで感動を提供する、ということはどういうことか」と理想を追い続けた。



すると、従業員の中から1人、2人と恩田氏の理想論に賛同者が出てきた。彼らは「理想があるから仕事ができる」と共感した。



改革の核になる従業員が出てきたので、恩田氏は彼らを徹底的にえこひいきした。



改革に反対する者はえこひいきが気に入らなかったが、変革の途中で彼らに辞められると困るので、徹底的に守った。



改革が進むと彼らは中間管理職になったが、本来の力量がないために彼らは一般社員に降りた。本来なら力不足で辞めます、というケースだ。



「改革の核になった3人は会社の宝。彼らがいたから今の富士の体制ができあがった。力不足で辞めますではなく、降ります。これはすごく大事なこと」



現在のパチンコ富士には、店長、主任、班長などの中間管理職は存在しない。店舗展開しないので店長、主任などの役職が決まってしまうと労働意欲が湧かなくなってくるからだ。



取締役集団と一般社員集団というフラットな組織ながら、一般社員集団の中から1年間の営業幹部3人を選出して取締役集団とのパイプ役を務める。



それでも店長の役目は必要で、当日のホール最高責任者は1週間前に決まる。自分が責任者になった時は何をするかを考える。



さらに一般社員の役割分担としては、パチンコ責任者、スロット責任者、カウンター責任者、と5つの役割を持ち回りですべてこなしていく。



「今はどこが潰れてもおかしくない時代。自分たちの生活は自分たちで守る。これを実践している。誰もが主役。個人の責任、集団の責任を毎日の仕事を通じて学んでいる」



2011年を第2創業期と捉え、経営理念の再構築を行っている。



第4の柱を共育と捉え「1人の100歩より、みんなの1歩」を掲げている。



「共育は地域の発展と連動することに存在意義があり、学ぶことで1人1人がが成長することが最大の経費節減になる」



殴り合い、グループ化のある会社が18年かかってお互いを大事にする会社になった。



学ぶことを大事にしている富士では宇宙の歴史、人類の歴史、社会体制の歴史から教わる。



月1回の勉強会では「人類が経済活動をすることが地球環境を壊している」「労働者の賃金222兆円が192兆円に減った。減った30兆円はどこへ消えた」などと全体像から物事を見ていく。



そして、行き着くところが紛争のない社会を作ることだ。



これでは、終わり方が変なので、ちょっと軌道修正。



恩田氏の想いは函館を豊かにすることだ。観光都市、函館の企業のうち80%は中小、零細企業である。



富士へ見学に来たついでに函館の観光スポットにも回って金を落としてもらう。



地元で生産されたものを景品に採用し、週1回、駐車場を使って地元の朝市を開く。



地産地消。これが地元を豊かにする原点だ。刺身を景品に置いているホールは、全国広しといえども富士ぐらいだろう。



「私はパチンコが大嫌いです。一生私はパチンコはしませんが、周りにはパチンコをする人がたくさんいます。そんな人たちには富士を勧めています。今、いっていること、やっていることを貫き通してください」というような手紙が届くことがある。



アンチパチンコ派ですらファンにしてしまう。



地域密着営業を続けていたら、常連客をはじめ、取引先業者、市民までもが口コミでパチンコ富士のことを宣伝してくれる。



ここまでの関係が構築できると広告宣伝規制も怖くない。



これを読んでパチンコ富士に行きたくなった人がいたとしたら、筆者も口コミ作戦に乗せられてしまった。







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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. Unknown

    「私はパチンコが大嫌いです。一生私はパチンコはしませんが、周りにはパチンコをする人がたくさんいます。そんな人たちには富士を勧めています。今、いっていること、やっていることを貫き通してください」というような手紙が届くことがある。



    ////////////////////////////



    この手紙に違和感を・・・

    「いっていること、やっていることを貫き通してください」と書いている本人がイチバン貫いていない。
    UP  »このコメントに返信
  2. ピンバック: UP

  3. Unknown

    折角の良い記事ですが、

    少し分かりづらい部分があります。



    彼ら=2~3人の賛同者

    だと思うのですが、彼らが中間管理職になり、その後、力不足を痛感し一般社員になったということでしょうか?



    「本来ならば力不足で辞めます」とあるが、何故力不足の者を3人も管理職に選ぶのか?



    その辺りの表現や経緯をもう少し書いてくださると、理解が深まると思います。
    ふくおかのおっさん  »このコメントに返信
  4. ピンバック: ふくおかのおっさん

  5. Unknown

    そういや函館といえば地場のハンバーガー店「ラッキーピエロ」も有名ですよね

    地元民に愛され、ここ二十年くらいは地元観光への寄与度合いも非常に高い企業です

    こちらも地域の発展を第一に掲げる経営でして、ハンバーガー主体のアメリカンな感じの店内なのに従業員はかなりの高率で年配の方々です

    そして今ではかなり有名になっておりますが、高品質の確保と地産地消を掲げる理念にブレはなく、その為に他地域への出店を一切していません

    その昔には函館に進出したマクドナルドがラッキーピエロに押されて一時撤退したりなどの逸話もw(今では再進出しておりますが)



    地域産品の積極的な使用だけではなく高齢者雇用にも真っ向から取り組んでいる姿勢がまた素敵

    決してマニュアルではない本物のスマイルがあります

    そして面白いのは社長が中国系の方なんですよね

    言ってしまえば生粋の函館人ではないわけで

    でもたぶん、富士さんと同じで他の誰よりも地元を愛している姿勢を見せてくれています

    だからこそ地元住民から支持され、愛され続ける企業になっているのでしょうね



    なんだかこう考えると函館には他地域には無い特殊な要因があるのでしょうかね…

    三角形  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 三角形

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