貸し玉料金が一個四円以内に変更されてもう二十五年以上になります。
その間世の中は大きく変わってきています。そして遊技台も大きく変化を遂げています。
フィーバー機が出始めた時も、CR機が出始めた時も、三十兆円産業といわれていた時も、いろんな内規が変わってからも、ずっと一〇〇円で二十五個の貸し玉なのです。
正確には、四円以内ならいくらでもいいのだけれど・・・
しかし実際には、百円だけでは、パチンコは遊べない。大半のホールが最低五百円からでスロットに至っては千円からというのが最低の遊技料金である。
確かに最初の五百円、千円で長時間遊技できることもあるが、そんなことはめったに無い。大半がその何倍、何十倍も使うのである。だから余計、その遊技環境に神経を使うのは当然の事と捉えないといけない。
少額では長時間遊技できない設置機種にも問題はある。
たしかにホール側からすると、売上が上がってなんぼ、利益が上がってなんぼというのもわからないではない。しかし様々な遊技条件があってしかるべきだと考える。
少額で、適正額で、高額で様々な顧客に対応すべきである。これがホールにおける機種バランスである。ラスベガスなどのように様々な単価で自由に遊べる環境が好ましいと思っている。ハード上不可能ではないはず。
そんな中、衝撃の遊技台が登場する。
トップメーカーの発売したミリオンゴッドである。
この機械においてはホール業界の遊技環境を根底から覆すものであった。
まずメーカーは何を意図として製造したのか? まったく理解できない。次になぜ保通協は許可したのか? なぜ都道府県警は許可したのか? まったく理解できない。
なぜホールは導入したのか? ここについては少し理解できる。たしかに売上、利益ともに大幅増は非常に魅力的である。しかしただそれだけ・・・。
撤去後の稼動バランスが崩れるのは目に見えている。あの機械のおかげでスロットをやめた人は1人二人ではないはず。そうなるのが判っていながらなぜ導入したのか? 背に腹は変えられないと感じていたならホールとして、企業として停滞するだけである。
一時でもホールが潤ったからそれでいいじゃないかという意見もあるがそれは大きく間違っている。一年限りで撤退するのならかまわない。長い目で見ると必ずしっぺ返しとなって現れる。
そして悲しいことに、第二弾、第三弾を一部ホールは導入することとなる。まだ判らないのかと思ってしまう。発売するほうもするほうだが。
ここまで書くには理由がある。
遊技機メーカーには、ホールではなく一般ユーザーに支持される機械を製造してほしいのである。ホールは厳密に吟味して永く使うための遊技台を導入してほしいのである。入替費用が膨大なのはどこも判っていることだが、入替た費用以上は利益を上げていかなければならないのである。
■高齢化社会への道
近い将来、間違いなく来る高齢化社会。いや、すでに訪れているがより進んでいくのは誰もが理解している所。その時のためのホール業界の在り方は、間違いなく利益を貪り取るだけのものではなく前にも書いたように癒し空間、そして様々な刺激を与える空間でないといけない。
高齢者だけを優遇するという意味合いのものではなく、万人に愛され尚且つ高齢者も気軽に集える場所の提供をするということ。
その為には、前述の100円からでも遊技ができることの意味が増してくる。所持金の大小に関わらず短時間ないしは長時間過ごすことの出来る場所が必要なのだ。いずれは自分達もそういう立場になることを考えればおのずと店作りも出来ていくのではないか。
先に述べたように、最低限のホールとしての顧客の出迎え方というものはいつまでたっても普遍のものであると考えている。今は時代がこうだからこういうやり方がいいのだ、ではなく足元を見据えた営業というのは、いつの時代も変わってはいけない。
ファッションも好きな歌もそうだが、とかく人間は人と話を合わせたがる。情報過多のこの時代、マスコミ等に振り回されてすこしかじっただけで知ったかぶりをしたがる傾向にある。おまえこんなことも知らないの? という人間に限って別のことを指摘されると非常に恥ずかしい思いをする。
だから薄く広く情報を集めたがるので人として深みもなくなる。時代に合わせる必要などないのだ。次の世代のための基盤を残していくことが時代なのだ。
ホール営業でもそう。数年前から、営業方法は無制限が主流で高価交換も主流だ、などといい安易に変更していったところがどれだけ苦しんでいるか。ホールとしての遊技環境も整っていないのにそんな所だけ時代の流れに沿ったつもりでも顧客が振り向いてくれるはずがない。
そんな所に限ってイベントをやりたがる、台替をやりたがる、もしくは やらざるを得ないという言い訳をする。ではそれらを実施して顧客が増えた? 確かに一時的には増えるだろう、それでも増えない所は最悪、しかしその後どうなった?
イベントも台替もやればやるほど稼動が右肩上がりだというホールはほとんど見たことがない。じゃあなぜやるのか?
やらないと不安だからだ!
よそがやっているから、よそが台替をするからといったものから、他所より少しでも早く台を入れたいといった変な競争心が生まれている。イベントを実施したり入替を実施したりすると、それなりの費用がかかっているはず。
その回収は顧客からというのは誰でも知っている事だが、どれだけの人が理解しているか疑問である。金額上の理解はしているだろう。しかし少なくとも顧客心理までは理解しているとは思えないのだ。
これだけ全国的に入替が頻繁になったひとつの要因として、パチンコ パチスロ雑誌の普及が大きく影響しているように思う。確かに色んな台が生まれては規制され、色んな台が生まれては撤去されということを繰り返してきたわけだが、それらはすべて「射幸心」という伝家の宝刀の元に消え去っていった。
そのたびに内規が変更されるなどして、射幸性の薄い機種に変わっていった。
雑誌の普及も利点はある。一般顧客が早い時期に遊戯台の見た目や中身を知ることが出来、複雑なゲーム性のスロット等の為には非常に役立つ。しかしそれら利点はすべてホールにとって欠点なのだ。
パチンコで言えばリーチアクションや信頼度、確率から出玉まで細かく判ってしまっているのだ。ゆえに遊技台が面白いか面白くないかを遊技する前から判断できてしまうのだ。
スロットも同様である。以前に比べてゲーム性を顧客が見つけていく楽しみがなくなってきていて飽きが来るまでのタイムラグが非常に短くなっている。
実際遊技してみてやっぱり面白くないと判断すれば、もう打たない。よって稼動が悪くなっていき またホールは入れ替えるといった悪循環に陥る。そして入替が続くと費用が圧迫されるので玉をそんなに出せない。ゲーム性もわかっているし出玉がしょぼいとなると、誰が打つ?
この繰り返しをどこかで変えていかないと、この先も状況はほとんど変わっていかない。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。
日本人の人間性『不安・心配症』が、露骨に表れてるのが、業界の新台入替の過剰さだと思う。
ライバル店が不必要な新台入替で集客している中、それに頼らず店の魅力で集客しつづける店が全国のホールにどれだけあるのだろう。
一つ言えるのが、メーカーは機械台はホールでなく、お客様の為に売る。機械開発費の源がお客様という事をわきまえて、先を考え、身の丈にあった商売をする事が重要だ。
ピンバック: ユンケル
記事の主張に同意です。
シリーズが書かれたのはミリ後、2002年以降ですね。
社会的不適合機とされ、撤去。
保痛協を騙して、通過した。と言う理由が痛すぎる。
騙された事の反省は?騙したメーカーへのペナルティは?あったが軽い?と言いたくなりますね。メーカーも保通も猛省すべき事例でしたね。ホール?当初コイン単価7円の機械はダメだろうと言っていたのが結果は先を競って入れました。ホールも猛省すべき事例でしたね。また、この機械はゴトも多かった。
プリカ変造もそうだが、不正による稼ぎは闇資金となるのが相場。最近の機械がつまらないとのユーザーの意見もあるがユーザーの支持が高い機械でもありました。その後、抜本的改革が果たされたかどうか。しっかり振り返る必要があると感じました。
ピンバック: 同意
普通の遊戯は遊戯料金を支払って遊びます。遊園地だと一人で1万5千円ぐらいでご飯を食べて一日遊べます。
500円ぐらいの料金で景品がもらえる的当ての類のゲームがある場合もありますが基本的に楽しい時間を過ごす為に料金を支払います。
法律上はパチンコも遊技場です。
パチンコ店の場合は提供される楽しさが低い。だから負けた客が怒るのでは?
儲かった儲からないだけが注目されるパチンコの現状はつまらない。
ピンバック: あさ
ミリオンゴットが設置してあった時代のほうが今より還元していたような気がします。
今の状況より良い時代だったと思いますよ。
ピンバック: m
還元率はそれほど変わらないが還元額が変わった。
客もホールもメーカーも活況時は問題視 しなかった。現在の何とも言えないストレス。客もホールもメーカーも抱えるストレスの一因は勝ち負けを荒くしてしまい、現状の出玉やスピードに満足出来なくなった事にある。その象徴がミリオンGODだと寄稿者は言いたいのではないだろうか。多少のメリハリは必要としても、限度を越えた。客もホールもメーカーも感覚が麻痺したと言うことではないだろうか。ストックやATは規則解釈の狭間で保通過した機械。ある意味では合法的Bモノ。
ピンバック: それだよ
あの頃はまだノーマルが生きていたので選択できるだけましだった気がします
今のスロは荒い機種しか店が設定使わないですからね
ノーマルはほぼジャグしか置かずARTは糞扱い
客もどうせ引きゲーならという気持ちが強いのでは
パチは潜伏台など荒いのは嫌われてますね
MAXもガロガンダムなど出玉メリハリがミドル並の台が好まれている気がします
沖海中古60万いった状態をホールとメーカーは考えて欲しいものです
まぁ沖海も扱い悪く勝つ印象を与えられなかったホールは客飛びしていますが
ピンバック: 時代
あささんが言っている遊園地で1万5千円あれば?ってディズニーランドだってフリーチケット合わせて朝昼夜の食事をいれても1万円あれば楽しめるよ。
確かにミリゴは社会的不適合機だったがパチンコ自体が社会的不適合だと思う。
パチンコが何の為に存在するのか?経営者と働く輩、そして天下り先確保以外で一般人からしたら存在価値なし
ピンバック: サザエ
私が上げた金額は私の家族が行った際の目安です。
私は関西在住の為USJが中心ですが並ばずに施設を利用するためのチケットなどストレス無く遊ぶ為には上記の金額になりました。
施設内の様々なアトラクションで販売される写真なども2500円ぐらい掛かったり駐車場も同じぐらい掛かります。
4人で6万円ぐらい使うのですが家族は何回も連れてってとリクエストされます。
満足度が高いのだと思います。
パチンコ店も入場料を徴収してもサービスを良くして欲しいです。
関東の駅でトイレを使用した際に賽銭箱のようなものが置かれていて驚きました。任意の金額を利用料として入れる仕組みでした。清潔な環境を維持するために皆が協力していました。
サービスは無料では無いのです。どこかで料金を徴収しなければ維持できません。
パチンコ店の駐車場は大概無料ですが自転車や徒歩で来た客も施設維持費を知らないうちに負担しているのです。交換所の維持費も同様で負けた客も負担しています。
サービスの対価として料金を払うのは当たり前だと思います。しかし支払った金額に見合った満足度を得たいものです。
ピンバック: あさ
ミリゴより裏物の方が理解に苦しみます
北海道では当時裏物がない店の方が少数でした
そして裏物のゲーム性を引き継いだ台が今だにあります
当時あれだけ裏物が普通に設置されていたのは異常だったと思う
ピンバック: ヘビーユーザー
経費に負けてしまったのですね。
立派な建物や大駐車場と毎週入れ替える新台がパチンコという遊技を根本から変えてしまった。
それでは客も逃げますし新たな客なんて来ませんよ!
ましてや世間では今のパチンコは4*5万は必要とか連チャンしないとか当たっても玉が出ないとか言われています。そんな遊びをしている余裕なんてないでしょう
ピンバック: サザエ