パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

40玉交換批判は間違いに気づいた設備業者

「30年前は40個交換で、ラッキーナンバーだった。当時はどうやって出すかを考えたもの。今は98%のホールはどうやって取るかの調整をしている。高価交換の流れが業界をおかしくした」(大阪の小型店店長)

16割分岐で玉を沢山出す営業はとっくの昔に終わった。3分の2の出玉規制を受けた新基準機では玉を出そうにもスペック的に出ない。出玉が少なければ少なくなるほど、業界が脱等価に舵を切ろうとしても、現場は脱等価に踏み切れない。少ない出玉で低価交換にしようものなら客離れが加速することを恐れる。

玉を出したい「理想」とスペック的にショボい出玉の「現実」のギャップがここにある。等価交換を続けてきたことの負の遺産でもある。

全日遊連は各県遊協にアンケート調査を実施して、全国が脱等価に向かうべく調整を行っている。

全日遊連がホームページに辛辣なファンの声を掲載したことも「ファンからの声を真摯に受け止めるとともに、改善に向けた取り組みの参考にするため」と覚悟を決めている。

ファンの不満で一番多いのが「まったく勝てなくなった」こと。「等価よりも33~40個交換にしてベースやスタートを上げて遊ばせて欲しい。無駄な新台入れ替えを中止して、出玉で還元して」と訴える。

勝ったときの金額が多い等価だが、その分、等価仕様の機械はおカネを使わせるようになっている。

「日報は昔から40個交換を提唱していたが、正直、『現実を知らない』とバカにしていた。4円がダメになったのは等価が原因であることははっきりしている。4円コーナーで箱積みするホールは出玉を見せたいから。それなら等価交換を脱却すること。パチンコは玉を出す喜びを提供することだと思う。40個交換は『バカじゃないか』と批判していたが、間違いだった、と気づいた。40個交換なら7個返しの機械も作れる」(周辺機器メーカー関係者)

あまり設備業者の窮状はニュースになることはないが、日韓関係による観光業界のようなもの。新基準機の入れ替えで精一杯のホールは、設備の入れ替えどころではない。改装・新店もめっきり減り設備は全くと言っていいほど動かない。そんな状況が10年以上も続いている。死活問題になっている設備業者からすれば、40玉交換でホールの活性化を願う。

ところが、そんな設備業者の願いとは裏腹に現場は考え方が全く違う。

このほど日工組のヘソ賞球戻しの規制撤廃で1個返しの新台がリリースされる。3個返しも用意されているが、受注案件は9:1で圧倒的に1個返しに軍配が上がっている。

「ベースが低い分、ホールは儲けやすい。スタート回数が3個とそんなに変わらないのであれば、ホールさんは売り上げが上がる方を選ぶのは当たり前。ただ、1000円スタートは下がる」(コンサル)

1個返しは他穴賞球が3個返しより多いほか、確変出玉も少し多い。1個と3個の帳尻は合わせている。

現場は売上の上がる機械はどうしても欲しい。売り上げが上がる分、それを出玉で放出してもらいたいものだ。



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シニア層へ伝える力

パチンココーナーを支えているのは今やシニア層と言っても過言ではない。シニア層を動かすには伝え方がある。

超実践セミナーより抜粋
フリコユラス 吉田真晃代表取締役

行きつけの定食屋に行っている中年サラリーマンの話から。

会社から近いという理由で昼飯は同じ定食屋を利用している。週の半分以上はこの店で決まったメニューを注文していた。ランチタイムでも満席になることはなかった。

ある日行くと満席に近い状態で、いつもの席には着けなかった。違う席に着いて謎が解けた。おかず一品無料セールの張り紙を見つけ、これが原因で客がいつもより多いことが分かった。

中年サラリーマンがいつも頼んでいるポテトサラダが無料になるのか、と思ったが、なのにテンションも上がらず、喜んでいない。

得しているのに喜んでいない心理は、パチンコのシニア客の心理が分かれば何となく分かる。

10月に納入される海物語JAPAN2は設定がないことはポジティブに捉えている業界人が少なくない。3個賞球もネガティブに捉えていない。われわれがポジティブだと思っているスペック=設定なし、3個賞球は、シニア層もポジティブに捉えているかと言えば答えはNO。

海の新台が入る時にカウンタートークで一番多いのが「自分が打っている海はなくならないよね」。この言葉にすべてが集約されている。

シニア層は変化を好まない。できたら今の海でいい。従って新しい海の情報も取りに行かない。新しい情報を取りに行くぐらいなら新しい台を打っている。そういうシニア層に伝える媒体がポスターやメールではおかしい。

でも、伝えないと定食屋の中年サラリーマンのような心理になる。

シニア層に伝えるには一人ひとり口コミで話していくのが一番だと思う。

口コミを使った成功事例ではリニューアルの時に総付け景品を配った。この時、店長が出張先で買ったお土産をどうぞ、と言って渡した。

お土産は親密な関係にならないともらわないもので、その時お客さんの方から「ありがとう」と言われた。親しい間柄になると「オレはあそこの店長を知っている」と自慢したくなる。

親しい間柄の人間関係を作ると大きい。

人間関係ができると総付け景品を配る時に「今度増台した新台は頑張って使っていきますので、よろしくお願いします」と一言付け加えた。

すると増台したコーナーの稼働が上がって行った。

ありがとうと言われる親しい間柄を作ってから新台のことも口コミで宣伝すると効果が上がった成功例である。

シニア層に何か伝える時は口コミに感情を加えること。スペックの話より、「こうこうこうで楽しいから1回遊んでみてください」と。

シニア層が車を乗り換える時も性能よりも、信頼する営業マンが勧める車を「君がいうならそうする」と言って買うのと同じこと。




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高純増タイプ一辺倒にならないことが業界のため

日電協は純増枚数の自主規制を強化する中で、5.9号機に至っては純増枚数を2.0枚以下に抑えていた。新基準機となる6号機ではAT機の最大純増枚数が2400枚に規制された。その代わりに日電協は純増規制を撤廃し、純増10枚以上の機種を作ることも可能になった。

6号機時代がスタートして1年以上が経過する中、3月に高純増枚数の期待に応える形でリリースされたのがReゼロだった。ATタイプでウリは純増8枚。リミッターの2400枚まで到達するのに20分弱。現行6号機最速のスピード感がユーザーを虜にした。

初期ロットは8000台、と抑え気味で販売をした。人気はうなぎ登りで4度にわたる増産で7月の時点では5万6000台が市場に投入されている。高純増タイプはパチンコで言うところのMAXタイプでもある。Reゼロは導入当初は台数が適正だったこともあって粗利が取れていた。7月の増台のタイミングで全国の玉利は赤に転じている。

高純増タイプは、スピード感はある反面、ユーザーにとってはキツイ機種でもある。この手の機種は地域一番店の高稼働店では増台も有効だが、人気だからと言って2番店、3番店、4番店のホールが増台するとアウトは必ず下がる傾向にある。自店には高純増タイプを好む客層がそこまでいないことに気づかなければいけない。

ところがReゼロの成功で、今後、各メーカーから高純増機のリリースが目白押しとなっている。人気が出れば一気にその方向に舵を切るのが業界の常だ。

高純増で煽られるのがホールだ。数値比較だけで判断することが機種選定を誤らせる。表面のコイン単価などの数値だけを見ての判断は、思考停止と同じことである。今はどうしても高純増タイプばかりに目を奪われてしまうが、自店の客層や機種のAT確率や版権、ゲーム性も考慮して機種選定しないと、「こんなはずじゃなかった」と後悔することになる。

確かに高純増タイプを好む層も一定数いるが、増台、増台で供給過多となれば、当然ながらアウトは下がる。やはり辛い機種もあれば甘い機種もある、というように豊富なバリエーションが必要だ。

例えばガールズ&パンツァーは純増枚数が約2.6枚、最近発表された新台であれば蒼穹のファフナーEXODUSであれば、純増枚数が約2.7枚だ。高純増に比べると見劣りはする。純増枚数を抑えるのはそれなりの理由がある。

高ベースでAT確率、継続率、突入率を上げるためには、低純増でなければ作ることができない。蒼穹のファフナーはパチンコで言うところのライトミドルで、シンフォギアのようなタイプだ。初当たりが軽く、高ベースでしっかり打ちたいユーザーには適している。

そもそも高純増タイプと低純増タイプでは客層も違うのだから、純増枚数だけで機械評価すると間違った選択をすることになる。

6号機の話題は高純増ばかりに期待が偏っているが、高純増タイプの一撃出玉のスピードが早いのは、AT確率やベースが辛く、吸い込みも早いためでもある。

機種のスペックや版権もしっかり見極め、MAXタイプの高純増機とライトミドル的な低純増機を併用してバランスよく使うことだ。

低純増タイプなら新規ユーザーを増やすことも期待できる。業界が取り組まなければいけないことはファンのすそ野を広げることでもある。




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事前会員募集の是非

グランドオープンに先駆けて会員募集を行うのは業界では当たり前の光景となっている。スタートダッシュを図るためには総台数の3倍以上の会員獲得に奔走する。他方、ウチコ軍団対策として事前募集では地域限定などの縛りを加えるホールもある。

対策を講じるホールに対して軍団も黙っていない。彼らも商売だから地域限定に対しては、ホールの近所のスーパーなどで買い物客に声を掛けて、会員カードを作らせて、それを買い取る方法を編み出している。どんなことがあってもグランドオープンに潜り込むのが軍団でもあろう。

最近、グランドオープンした大型店は、敢えて事前会員募集を行わないままにオープンした。軍団・プロ排除のためでもあった。等価交換でスロットが強い地域で、特定日は特にセミプロが大挙押し寄せる土地柄でもあったからだ。

いざ、蓋を開けてみると初日は満台スタートにはならなかった。稼働で言うと5~6割。責任者は顔面蒼白となるところだが、想定範囲だった。

オープン初日は今後固定客になってもらわなければならない地元客だけだったが、逆に稼働が低くかったために、全台開けていたので座れるだけでラッキーだった。この店は「出す」と言う意思表示を伝えることが重要だった。それをプロではなく地元客に伝えることが肝である。

その後、稼働は徐々に上がり地域では2番手に。グランドオープンで事前に会員募集をしないことがアンチテーゼとなっている。

グランドオープンでの軍団・プロ排除について、一般的な考えはこうだ。

「自分も過去3店舗程、グランドオープンの立ち上げに関わった経験がありますが、何故店がプロを排除しようとするか? それは、自社の話になってしまいますが、毎日1日単位でどれだけ出すかを決めます(もちろん、毎日が予定通りにはなりませんが・・・)。
一般のお客様が勝とうが、プロが勝とうが会社はそんな事は気にしません。気にするのは、現場にいる店長以下の役職とスタッフ達です。プロに喰わす位なら、これから常連様になってくれそうな方へ還元したいと思う訳です。だからこそ、店はハウスルールを作って、プロを出禁にしたいのです。そのため地元のお客様限定での会員カードという施策を取っているホールもあります。軍団プロの排除は、一般のお客様への還元率を上げるという側面も持っている点にも注意して頂ければと思います」(ホール店長)

グランドオープンだけでない。特定日にはプロや軍団で満台になっても翌日は元の状態。いつのまにやら余暇産業から期待値産業へ代わっている。



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依存問題対策を現場の取組から考える ②

ヤンキーパンダです。

前回触れた事柄を踏まえて私見を記してみます。
なお、私見が実行済みの取組や準備中の取組と重複した場合はご容赦下さいませ。

以下私見。

①内閣府消費者庁HPとのリンクを更に充実させる
前回文末で触れた通り相談機関や支援機関の数や取組内容の認知は当事者にまだまだ浸透していないようです。

消費者庁ホームページでは、依存問題対策についてパチンコと公営ギャンブルを合わせて包括的に記されていますが、この事もあまり知られていません。

まずはこれらの認知度を上げる必要があります。

パチンコはギャンブルでは無いから公営ギャンブルと同列に扱うのはいかがなものかと言うツッコミは、ここではご容赦ください。

消費者庁のHPで公営ギャンブルとパチンコを同列に記される事に異論がある方もおられるでしょうが、政府機関である消費者庁が他の公営と同列に扱う事は政府がパチンコを無視出来ない存在とみなしている事である。その証であると私は前向きに捉えています。

ですから私は現法制下でのパチンコ業は【後ろめたいグレー業】ではなく【堂々とグレー業】であるとの考えを優先しています。

のめり込み抑止の為とは言え、後ろめたい産業なら注意喚起に止まり、その取組を政府機関がHPで取り上げる事はありません。

公営ギャンブル場における依存問題対策にはパチンコ業界と同様の考え、似たような取組がある事がHPからわかり、そこは大いに参考にすべきかと思います。

ちなみにJRAに関する一昨年の記事では「退場のお声かけ」の対象者は1名だった様です。

これは過去記事で最新の受理件数は確認出来ませんが、過去記事とは言え受理件数1名だった事からご本人やご家族から名乗り、相談し、リストに登録する事の難しさが伺えます。

話を戻しましょう。

消費者庁HPではRSNとパチンコ自主申告・家族申告プログラムがリンクされていますが、今以上に充実を図りたいものです。

消費者庁HPの取組紹介コーナーでは「取組の連絡をお待ちしています。」と告知しています。
そこで是非とも、「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」講習の計画的実施やアドバイザーが、ほぼ全ホールに配置されている事の紹介。そしてこの取組の案内を連絡して頂きたいものです。

②アドバイザー人材育成を強化する
全日遊連は近年安心パチンコ・パチスロアドバイザーの育成に注力しており、そのアドバイザー数は1万6千人を超えました。
(記事引用)

1万6千人超と言ってもこれは4〜5時間のDVD講義の修了者数です。

「修了者=アドバイザー」となっています。

私は問題の性質を考えた場合、1万6千人の方々は初級アドバイザーと位置づけ、次のステップとして中級上級試験を実施し、熟練アドバイザーへの道を開拓していくべきだと思います。

繰り返しになりますが依存問題の性質上、問題に対する「感度」と「見識」を高める必要があります。

パチンコ業界では主任〜店長〜エリア長と言ったキャリアプランが一般的ですが、今後は年齢や性別に左右されない専門職として上級アドバイザーへのキャリアプランも描いても良いでしょう。

また上級アドバイザーには相談機関、支援機関への出向経験やホール実務経験も必要とし、依存問題のオーソリティとしての活躍を模索すべきです。

人材育成にはお金と時間が必要です。そこで人材開発関係の助成金を大いに活用し、その申請には組合が関わり支援すべきです。

③現場の実例をまとめる
依存症が深刻化する前に、早期対応、組織共有が必要です。
スタッフ対応によって深刻な事態になる前に解決する事例はホール現場に多くあると私は考えています。

実例を紹介します。

つづく


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