パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

ロピアのキャッシュレス導入とパチンコ業界のQRコード決済の可能性

食品スーパー「ロピア」は、安さを売りにするため、何年も現金決済にこだわり続けてきた。その理由は単純明快で、クレジットカードやQRコード決済にかかる手数料を削減し、その分を価格に還元するためである。クレジットカード決済には1~2%、QRコード決済では2~3%の手数料が発生する。このコストを抑えることで、他店よりも安い商品を提供してきたのがロピアの戦略だった。

しかし、キャッシュレス決済が当たり前になった現在、現金のみの運用には限界がある。さすがにこの時代に現金のみというのは不便な面があるため、ついにキャッシュレス決済の導入に踏み切った。

ロピアのキャッシュ決済は、自社アプリに先払い方式で金額をチャージする仕組みとなっている。この方式なら決済会社に手数料を払う必要がなく、従来の「安さを維持する」という方針を崩さずに済む。ただ、これだけでは顧客側にメリットがないため、チャージ金額に応じてポイントが付与される仕組みも導入された。

このロピアの動きは、長らく3店方式にこだわってきたパチンコ業界にも示唆を与えるものでもある。

ロピアが現金決済にこだわりながらも、独自のキャッシュレス手法を導入したように、パチンコ業界も現状の換金方式を見直し時期に来ているのではないだろうか。

現在のパチンコ業界は「3店方式」と呼ばれる換金システムを採用している。これは、風営法の規定により、遊技場が直接現金や有価証券を賞品として提供することを禁止されているために考案された仕組みだ。客はホールで「特殊景品」を受け取り、それを別の景品買取所で換金する。

風営法第23条では、遊技場営業者は「現金または有価証券を賞品として提供してはいけない」と規定されている。ここでいう有価証券とは、商品券などの金銭的価値を持つものを指すが、もし特殊景品がQRコードになった場合、どうなるだろうか。

同じく23条には「遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客にする発行ことを禁止する」という規定がある。しかし、現在ホールでは会員カードに貯玉数が記録されているが、これは「書面」ではない。カードはデータを読み込むためのカギがかかった扉というような解釈でこの問題をクリアした。

それに倣えば、QRコードはただの紙切れで、それ自体に価値はない。QRコードを読み込んで初めて価値が分かる。

QRコードになれば、特殊景品のように還流させる必要もないし、3店方式を守らず、2店方式が行われて田舎ではこの問題からも解放される。

パチンコ業界が規制緩和を求めるのであれば、QRコード決済を認めてもらうことが一つの鍵となる。

ロピアが「現金主義」を貫きながらも、新たな手法でキャッシュレス決済を導入したように、パチンコ業界も従来の仕組みを維持しながら、より現代的なやり方を見据えるべき時期に来ている。昭和の時代に作られた換金システムを見直し、令和の時代に適した形へとアップデートすることが、業界の発展につながるはずだ。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

実店舗がオンラインに勝つ方法

オンラインカジノが意外なところまで浸透していることが明るみになったのが、この事件だった。

警視庁保安課がオンラインカジノで賭博行為をしたとして、東京消防庁石神井消防署の20~60代の男女10人を書類送検したのは、昨年11月のことだった。市民の安全を守る消防署の職員が、職場でオンラインカジノに熱中していたことは、いつでも、どこでもスマホから手軽にできるオンラインカジノの闇を照らすものだ。消防署という規律正しい職場にまで浸透していることは衝撃的であり、社会的な波紋を広げた。

かつてパチンコも手軽さがウリだった。日本全国に数多くの店舗が存在し、気軽に立ち寄れる娯楽の一つとして親しまれてきた。現在、遊技人口の減少の一因として、一攫千金を求めて、オンラインカジノへ流れていることは想像に難くない。

ただ、オンラインカジノは違法賭博であり、パチンコのライバルではないのだから、さほどの危機感を持たなくてもいいが、公営ギャンブルがオンラインになっていることの方が脅威だろう。

実店舗であるホールがネット投票に対抗するには、来店の必要性というハンディキャップを克服する必要がある。

オンラインと実店舗の戦いにおいて、ホールが生き残るためには、どうすればいいのか?

まずは、オンラインにはないリアルな体験を提供することが重要となる。店舗でしか味わえない興奮や雰囲気などを促進させることで、実店舗ならではの魅力を高めることができる。定期的なイベントやユーザー同士の交流会などを開催し、来店客に特別な体験を提供することが考えられる。

実店舗では特にホールスタッフの接客力を向上させ、顧客満足度を高めることも必要となってくる。スナックやキャバクラにわざわざ通うのは、お客に「また来たい」と思わせる接客と居心地のいい空間があるからだ。

オンラインの競争力対抗するためには、実店舗もデジタル化を推進する必要がある。モバイルアプリを活用して、顧客に対する情報提供やポイントサービスを行い、来店を促進する。顧客の利便性を向上させることも効果的である。

次のポイントは日報でもよく取り上げているが、店舗を地域のコミュニティ拠点として地域社会とのつながりを築くことだ。地域イベントへの参加や、地域貢献活動、地元住民に愛される店舗作りを目指すことが重要となる。

実店舗がオンラインに勝つためには、単純遊技の場としてではなく、特別な体験や価値を提供する場としての存在意義を高めることが重要である。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

株で儲けて株で破たん

このエントリーは7年前に書かれたものです。

……………………………………………

2003年12月23日、名古屋市のテレビ塔からアタッシュケースに入っていた100万円をクリスマスプレゼント代わりにばら撒いて世間を騒がせた男性がいた。職業はデイトレーダーで、経営破たんした足利銀行株を1円と5円の時に約600万株を購入し、15円の時に売り抜けることで7000万 ~8000万円ほど儲け、そのおカネをばら撒いたことが分かった。

この足利銀行株で一儲けしたのが元業界人のAさんだった。

同年11月29日、足利銀行は金融庁の検査結果が2003年3月期決算時点で債務超過であったことが公となり、自主経営を断念せざるを得ない状態となった旨がニュース番組や新聞各紙の朝刊で報じられる。

政府から破たん状態にあると認定されると、会社の株価はジェットコースターのように急降下するもので、12月1日は51円、2日は21円、3日の朝にはとうとう1円になってしまった。

この時足利銀行の株は価値がないものと誰もが思った。足利銀行が再生するなどと誰もが考えなかった。紙くず同然となった足利銀行株をAさんは1億株を即断即決で買う。

当時は株式投資にかなり力を入れていた時期で、「損してもたかだか1億円」と1億円がまるではした金のような感覚だった。

1億株も買えば値も動くというもの。

4日は4円、5日は5円、と1円単位で上がり始めた。株価が動き始めると、様々な憶測が流れる。これは裏で大きな勢力が動いているに違いない、と提灯買いが始まり11日には24円という最高値を付ける。

この時点で売り抜けていたら24億円の儲けということになる。

25日には足利銀行が会社更生法を申請したことから、上場廃止が決定してマネーゲームは終了する。

デイトレーダーもAさんが1億株買っていなければ、7000~8000万円も稼ぐことはできなかった。

Aさんはピーク時価格で売り抜けてはいないが、それでもわずか2週間余りで10数億円を手にしている。

世間を騒がせたライブドアでは、Aさんは個人の筆頭株主になっていた。

ライブドアの錬金術方法が株式分割だった。株式分割とは、1株を複数に分割して株式を増やす方法だ。

例えば1株を2株に分割すると、企業の発行済み株式数は2倍になり、株を保有していた投資家の株数も2倍になる。理論上は、株価は半分になり、全体の資産価値(株式時価総額=株価×株式数)は変わらない。

ライブドアは、最初は10分割からスタートしたが、次に100分割に打って出た。その結果、Aさんは最初の100倍の株式を所有することになる。

問題は新しい株券が発行されるまで、50日間かかったこと。それまでの間、市場で流通する株が不足して値上がりすることがあった。ライブドアなど一部の新興企業は、1株を100株などけた違いに細かく分割し、極端な株券不足状態を作り出し、株価急騰を図った、と指摘された。

Aさんはライブドア株で14億円の資産を所有していた。

2006年1月、ライブドアは証券取引法違反容疑で東京地検が強制捜査を行ったことから、ライブドア株は暴落する。いわゆるライブドア・ショックだ。

同年4月には上場廃止が決定。その後株主が株価暴落して損害を被ったとして、株主訴訟が行われる。会社には潤沢な資産があったため、1株550円の賠償額を飲んだが、そこまでだった。

株で未来永劫儲けられるほど甘くはなく、株で大儲けして、株で大損して会社は民事再生。Aさんは地位も財産もすべてを失うことになる。

あれから14年余り。どん底生活から這い上がり、今は趣味でFXをやっている。

追記

今は再び会社を興し、LEDビジョンで再起を図っている。転んでもただでは起きない逞しさがある。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

レトロパチンコの無料コーナーで集客?

パチンコ日報の読者の中には、レトロパチンコの記事を読んで関心を持ったホール関係者も少なくない。しかしながら、自身のホールで導入する体力はないと前置きした上で、「東京の繁盛店でレトロパチンコ台が無料で打てるコーナーを作れば、パチンコから離れた客が戻ってくるのではないか」と訴える。

確かに、過去の名機を懐かしむ遊技客は多い。現存するレトロパチンコが実際に打てるホールとしては、福生の「タンポポ」が挙げられる。このホールは、時間制のゲーセンスタイルを採用して、一定の客層を獲得している。

レトロ台を現行営業中のホールに設置し、無料で打たせることで、一度離れた客がホールに足を運ぶきっかけにはなるかもしれない。しかし、それが現在の遊技機をプレイすることにつながるかと言えば、現実は厳しい。懐かしさから一時的に訪れる客がいたとしても、それで再びパチンコを打つ保証はない。

この点を裏付ける実例として、パチンコ「冬のソナタ」を挙げることができる。

NHKで「冬のソナタ」が放映されたのは2004年。このドラマは日本で韓流ブームの火付け役となり、「冬ソナ現象」として大きな社会現象を巻き起こした。その熱狂が冷めやらぬ2006年、京楽からパチンコ「冬ソナ」がリリースされた。当時のヨン様ブームも相まって、それまでパチンコに縁のなかった主婦層をも取り込むことに成功し、ヒット機種となった。

その後、京楽は「冬ソナ」シリーズを継続してリリースし、2008年、2013年、2016年、2018年、2019年、2020年、2021年、そして2025年にも新台が登場している。しかし、どれほど人気を誇ったコンテンツであっても、時代の流れには抗えない。過去に熱狂的な支持を受けた機種であっても、年月の経過とともにその神通力は失われていく。

その証拠に、東京で4パチが強いことで知られる超優良店は、4パチと1パチの比率が85:15という信じられない構成となっている。しかも、4パチの稼働率が7割と高水準を維持している点からも、同ホールがいかに競争力を持っているかが分かる。

ところが、そんな強いホールでさえ、最新の「冬ソナ」が4パチコーナーに13台導入されたものの、導入から1カ月後には通路と化してしまっている。ヨン様ブームから20年以上が経過し、かつての看板台の神通力がもはや通用しなくなっている証左と言える。

この現象をレトロパチンコにも当てはめて考えると、「懐かしさ」だけで客をホールに呼び戻すのは難しいことが分かる。たとえ無料でレトロ台を打たせたとしても、それが現在のパチンコ市場の活性化につながるとは考えにくい。

現在のパチンコファンが求めているのは、結局のところ「出玉」だ。ゲーム性の進化や演出の多様化ももちろん重要だが、最も本質的な要素は勝ち負けの部分にある。つまり、パチンコを遊技として楽しむ以上に、射幸性が伴わなければ客はついてこない。

レトロパチンコが持つ魅力は否定できないものの、それを現行ホールに導入したところで、市場全体の動向を左右するような影響力を持つとは考えにくい。過去の名機に思い入れを持つ遊技客が一定数存在することは事実だが、それはあくまで一部のニッチな層に過ぎない。

こうして考えると、レトロパチンコを無料で打てるコーナーを設置したとしても、リターン客は望めない。それは幻想でしかない。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

ドミノ・ピザ大量閉店の衝撃とホール企業の新たな動き

ドミノ・ピザジャパンは去る2月7日、国内約172店舗を閉店すると発表した。これは、同社が国内に展開する約1000店舗のうち、およそ2割に相当する規模である。日本における大手ピザチェーンの一角を占めていたドミノの大量閉店は、飲食業界にとって大きな衝撃をもたらした。

今回の大量閉店の理由は、収益性の向上にある。赤字店舗を閉鎖し、採算が取れる地域に経営資源を集中させることで、全体の利益を確保する狙いだ。ドミノ・ピザは、コロナ禍で高まった宅配需要を受けて積極的に出店を進めた。しかし、パンデミックの収束とともに宅配需要が落ち着きを見せ、競争が一層激化した。

特にスーパー業界が飲食業界に与える影響は大きい。例えば、食品スーパーの「ロピア」では、店内で焼きたての格安ピザを提供しており、ドミノの価格設定に比べて非常にリーズナブルである。ドミノの定番メニューであるマルゲリータは、サイズによって990円から1640円で提供されているが、ロピアのピザは500円から800円と、約半額の価格帯で販売されている。こうした価格競争により、ドミノの収益性が圧迫されたことは明らかである。

ドミノが撤退した後の居抜き物件に興味を示しているのが、有名ホール企業だ。ピザという料理は比較的調理が簡単であり、専門的な技術を必要としない。実際、ドミノをはじめとする大手ピザチェーンでは、アルバイト従業員が調理を担当している。生地に具材を乗せ、専用の釜で焼くだけという工程のため、新規参入のハードルが低いと考えられている。

このホール企業は、ピザとパチンコとの相乗効果を狙っている。具体的には、ピザ店の名称を自社のホール名と統一し、「〇〇〇〇ピザ」といった形でブランディングする戦略だ。

さらに、ピザの配達に使用する三輪バイクにもホールのロゴを大きく掲げることで、移動型の広告として活用することもできる、というわけだ。

加えて、このホール企業は、パチンコホール内でピザを提供するというアイデアも検討している。遊技中の客がスマートフォンや専用端末を通じて簡単にピザを注文できる仕組みを導入すれば、新たな収益源となる可能性がある。ホール内で食事を提供することは、長時間の滞在を促す効果もあり、パチンコ店の経営にとってプラスに働く。

これが成功すれば、ピザの売上向上のみならず、ホールのブランド力向上にも寄与することになる。特に、競争が激化するパチンコ業界において、新たな付加価値を提供することは重要であり、これが新たなビジネスモデルとして定着する可能性もある。

今回のように空き物件を活用する形で新たな業態を生み出す動きは、今後も加速する可能性がある。特にホール企業は、集客力の維持と収益性の向上に常に頭を悩ませており、こうした異業種連携の取り組みは目が離せない。

皮肉なことに、ドミノ・ピザの大量閉店が新たなビジネスチャンスを生み出すきっかけとなっている。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。