これはパチンコ玉メーカーの組合だ。
加盟メーカーは6社。いずれも大阪の会社なのだが、この6社で全国の95%のシェアを占めていた。協会には加盟しなかったもう1社も大阪のメーカーで、なんと玉メーカーは100%大阪に集中していた。
鋼材メーカーが大阪に集中したのがその理由のようだが、パチンコ玉だけではなくベアリング球も作っている。設立当時で、年間のパチンコ玉生産量は30億個。50~60億円市場ということになる。
設立の目的はナノテク技術などを活用した遊技球の研究開発や品質向上活動、遊技球の不正流通を防ぐためのトレーサビリティー(追跡調査)などを行うことなどが挙げられた。
2009年5月には法人格を一般社団法人に変更。この時点で会員数は2社が脱退して4社になっていた。
この頃はまだスマパチの影も形もなかったが、店舗数の減少や各台計数機の普及に伴い、玉の需要も落ち込んでいたことは推察できる。
スマパチ時代を本格的に迎える前の2022年11月に、この協会はひっそりと幕を閉じていた。スマパチが完全普及すればいずれパチンコ玉は不要になることは、玉メーカー自身が一番分かっていることでもある。
玉が不要になれば順番からすると、次は玉の補給装置メーカーで構成されている遊技場自動補給装置工業組合の番になる。全台スマパチに移行するにはまだ時間はかかるだろうが、スロットは特にスマスロの導入スピードがパチンコ以上に早いので、遊技場メダル自動補給装置工業会の方が先に解散しそうな気配だ。
それほど周辺機器メーカーの現状には厳しいものがある。玉・メダル貸し機や計数機、両替機メーカーで構成する遊技場自動サービス機工業会を加えて、3つの組合が統合する動きもある。
ま、封入式構想が発表された時から、こうなることは分かっていたわけだが、スマート遊技機以前に各台計数機の普及に伴い、打撃を受けていたのが玉箱メーカーだ。
たかが玉箱、されど玉箱――専業メーカーは玉箱の握りをよくするためにくりぬかれた取っ手、見かけは2000個箱で容量は1800個の上げ底箱、玉箱を積み重ねてもぐらつかない機構、メダルがきれいに並べられるように溝を切ったり、メダルの受け皿に引っ掛けられるメダル箱など、企業努力をしていた。
ホールの全面禁煙化に伴い、灰皿の部分に玉箱が乗っても問題がないので、従来よりもワイド幅の細長くて目立つ玉箱を作ろうとしたメーカーもあったが実現していない。
コロナ前の2019年である大阪の玉箱メーカーは、ピーク時に比べて生産量は8割減だったが、今はそれ以上に減産が進行していることだろう。玉が消えることで関連産業が消えていくことが現実となってきた。

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