20代は針金細工でネームストラップを作りながら世界を放浪していた。病気になって帰国するが、治ればいずれは働かなければならない。その時の就職先がホールだった。選んだ理由はその日から衣食住に困らないこと。それ以前にAさんのような人物を雇ってくれるのはホールぐらいしかなかった。
世界を放浪していたAさんにとってホールの表周りは、忙しさはあるものの、退屈で仕方なかった。例えるなら蟻の飼育キットの中にいるような感覚だった。
針金細工で生計を立てていたように元々Aさんは手先が器用だった。寮で休みの日には、上級者向けの高難度のプラモデルを作るようになった。いくつか作って行くうちに、高難度のプラモデルを作ると、それが売れることが分かってきた。
そんなAさんにも春が訪れる。バイオリンが趣味の彼女ができる。彼女がバイオリンを弾いている姿を見て、Aさんはバイオリンを弾くことよりも、自分でバイオリンを作ってみたくなった。
今度は休みの日は寮で、本を見ながらバイオリン製作が始まった。音を出すところまで進むと、寮ではうるさくて出来なくなった。
ホールには6~7年勤めていた。
自分の進むべき道は「バイオリン職人」と目標を定めるとバイオリンの本場であるヨーロッパへ渡った。個人の工房で修行を積み、独り立ちして行った。
で、最初の話に戻ろう。
Aさんが一番驚いたことは、玉箱がないことだ。Aさんが現役で働いていた頃は玉箱運びが主な仕事だったのに、その玉箱がないために、床がすっきりしていて、パチンコ店の猥雑さがない。
「玉箱を積んでいる人がいたから、自分も『よし、出してやろう』という気持ちが起こったが、これではそんな気にもなれない」と各台計数機時代を切り捨てる。
1パチがあることにも驚いたが、それよりも全く回らないことには腹が立った。さらに1回の大当たり出玉のショボさに仰天した。
「パチンコが進化したというより、つまらない方へ退化して行っている。これじゃ、パチンコ人口も減る」と妙に納得してホールを後にした。

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今の規制は煽りに厳しいので、
昔の鉄火場は今はなき光景ですね。
それを退化と呼ぶかは分かりませんが…
ピンバック: メイン基板
アナログを極めることが進化なんだと思うね。
カジノも結局はトランプ使ったアナログが主流だし、日本の公営ギャンブルも全部アナログ。
アナログを極めることが進化で間違いなし。
ピンバック: 60.108.238.61
パチンコは進化してると思ってたからこそのタイトルだよねこれって。いや、別にどう思おうといいんだけどさ。
純粋に、正直に、一般的に。
パチンコは総合的に見てあきらかに進化なんてしてないでしょ。
そりゃ技術的には進化?してるよね。時代と共に色々なテクノロジーが進化してるんだからそこだけ見ればそりゃ当然。他の業界の機械系だって新しく進化してるしね。
それってパチンコの進化って言っていいのか?という疑問が。
遊技者数、売り上げ、販売数、メーカー総数、ホール総数なんかの数字から考えると間違いなく退化してる。
100人中98人くらいはそう言うんじゃないか?
正確にはピークから考えると30年弱退化し続けてる。
先も言ったが物質的、物理的、見た目的には時代の変化と共にパチンコも進化してると言っていい。
だが、娯楽としてパチンコの本質で言えば、お世辞にも進化なんて言えたもんじゃない。
パチンコ知らない人間が製作×パチンコ知らない人間が運用=パチンコの退化。
計算式的にはこんな感じ。
やる前から退化するってわかるレベル。
もう進化なんてすることはないよ。
ピンバック: 名無し
今更こういう話をしてももう遅いとは思うのですがそれでもあえて。
ギャンブル性を置いて遊技、遊びの観点で考えると、デジパチのゲーム性って「ヘソに玉を入れる」で終わってるんですよね あとは結果を見るだけ。
まぁそれすらも昨今だと先バレ待ち、とかでほとんどの抽選結果を見ずスマホとかを見てるだけ。
単に娯楽、遊びが溢れている現代でこれだけなのはちょっとどうかなぁと思いますよ
パチンコならではの要素の玉打ち、玉遊びの方をもっと拡大、アピールできなかったのかなぁとは常々思います。
ピンバック: 通りすがりの家スロユーザー
ピンバック: わん