今から2年ほど前の話。それが現実のものになろうとしている…
とある有名大型店が気になっていた。すぐ近くまで行きながらとんぼ返りを繰り返していたからだ。
ある社長に誘われるまま、先ほどの仕事の続きの第2弾が夕食をかねて居酒屋で展開された。
居酒屋はその大型店のすぐ隣にあるため、店内はパチンコ優良客であふれかえっていた。
ビールで喉をほぐし、しばらくして、その社長から居酒屋の常連でもあり、パチンコの優良客でもある数人を紹介された。
なかでも、ひときわ目立つ老紳士はスッ~と立って、こちらに向いて笑顔であいさつに来た。
70歳は優に超えて見えるが、ピンと伸びた背筋に品格が漂う。
いきなり「あそこは、だめだよ」と切り捨てる。
老紳士の一言が真実を象徴しているかにみえる。
口火を切った老紳士に続いて出てくる、出てくる店の罵詈雑言。
大型店の隣にあるせいか、居酒屋のパチンコ客の関心はほぼパチンコ100%。
競合市場調査にとって、持って来いのグッとタイミングである。へたに遊技人口統計だの、立地の向きだのと、決まりきった計算式ではつかめない、本音の尊いヤリトリが酒の勢いと共に飛び交っている。
生中継だからリアル感がある。
火に油を注ぐかのように、カウンター席からパチンコ談義は点火した。
ちらちらと、こちらを見る目が愛おしくもある。善良なパチンコフアンの温もりが伝わってくる。
「負けないぞ」と覚悟の拳を握りしめたなるほどの答えの連発に勇気が湧き、ヒントを得るのも、このようなお客さまあってのこと。
「ありがとう・・・」と何かを胸に刻んでいる自分。
熱狂するパチンコ会話に覚悟の拳を握りしめた。
「やるぞ…」
「負けないぞ…」と。
この大型店には勝てる。間違いない、とこの目で確認した。
心と心で誓ったようなフアンとの絆で震えがとまらない。
真のパチンコフアンは、会ったばかりで友達になれる。だから話が尽きない。
「また、来ます」といって去るときが名残惜しいのか席をたつ時、深々と頭を下げている人もいる。何ていい人達なのだろう。
わたしも負けまいとアタマを下げながら、老紳士の手をしっかりと握りしめている。
「ありがとう。今日は本当にありがとう」と何度も手を振った。
店舗から冷淡に扱われ、つま弾きされてきたお客さま心理の存在確認が、再生の確信を強めていた。
午後6時半、稼動11%、
800は超える台数で稼動11%。連休明けの火曜日といっても情けない。
1パチの台数だけでも小さな店舗に比例するほどある。
16人だけが、ある機種の1パチコーナーに群がっている。
1パチがここでは稼働が10%にも満たない。稼動衰退の末期でみかける症状である。
稼動するはずもない、まっさらの新台が丸裸で寒そう…
入替直後の北斗にちょこっといて、大海スペシャルには10人満たない。慶次はひとりもいない。
大型店舗だから台数は容易に想像できるはず。
羨ましくもあるが羞恥心が体中に走る。まともに見れずに足早に撤退した業界人間のサガなのか。
こんな店舗があっちこっちにある。数十店舗の規模で展開する勢いは止まることなく、少し前も巨大店舗をオープンした。
メリハリがなくずん胴で、どこがアタマで、どこが胸で、どこが尻なのか。
美人の要素が見当たらない。
資産はあるが試算を間違えてしまったのだろう。原因をあれこれ並べるまでもない。
簡単だ。
戦略怠慢か戦略試算の掛け間違いの多い経営幹部の頭脳である。
たまたまではない。体質なのだ。この店舗も大きな有名道路に接している四つ角にある。
駐車場も500台。駅から徒歩3分。
最新鋭な設備を網羅している。
カネはある。
入替えは頻繁にできる。
台数は大型である。
なのに盛り上がらない。
盛り返えせるのは精魂こめる弱小店長だけ盛り返すのは簡単だ。有力なコンサルはいらない、足かせになるだけ。
大型店舗を盛り上げた店長は害になるだけ。弱小店舗をもりあげた店長がいれば窮地が助かる。
わたしは20数年、一貫してこれを主張している。なかなか、わかってもらえなかった。
パチンコ店舗の再生は「小が大をかねるけど、大は小をかねない」
大手の既存公式ではもはや機能しない、通用しない成功方式でなだめようとしている。
彼らのバカバカしい成功論には無茶がある。
弱小店舗を建て直した店長だったらやってのけるぞ。
これがわたしの本音のホンネ。
最近になって、段々とわかってきてもらっている。本当に苦しくなるまではわからないのだろうか。
まだまだ、喰える、喰える飯があるから甘えていられる。
とにかくあまい認識が充満していた。そのような店は、ハリケーンのようにさらわれていってしまった。
日ごとに困窮の加速度がついているせいで目覚めてきている。身体にメスが入って初めてわかる痛さが、とがった部分を取りのぞくのか、ふっと我に返るようだ。
弱小店舗にもチャンスがやってきている。図体がでっかいだけで、アタマデッカチだけでお客さまから見事に見放されている。
カネ計算が先で、客計算ができない。
大型大手大物が愚かに見える。
爽快である。痛快である。
弱小店舗の反面教師
弱小店舗の反面教師であるから、ありがたい存在である。少しでも長くそのままでいてほしい…
心配しなくても大丈夫ですよ。店長さん!こんな大型店舗は入替ても、玉出しても、イベントしても、このままでは盛り上がらないから。
心配しなくても大丈夫ですよ。店長さん!ただ、むやみに戦うのだけはやめておこう。
馬鹿なヤツを相手に時間を通やするほど、不愉快極まりなく馬鹿らしいことではないか。こんな大手の大型店舗から学ぶものはない。
這い上がる単独店舗のドラマが生き様であること。歯を食いしばって、この信念を貫こう。
彼らはわかっていない。本当に入替なければいけないのは自分だということ。気がつくまでには…
汚染された過去の年数分が、必要なのかもしれない。
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トミナガさんの記事には温かさを感じますね。
それと小説の様な流れ。
引き込まれてしまいます。
ピンバック: 中谷
九州福岡の某店舗ですか?
ピンバック: アルテッツァ