パチンコ日報

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業界初めて物語 その1

ホール経営を科学する中で、最初に台の傾斜を科学したのは、元ホール経営者でもあるスリーストーンの白石光男社長だった。



「私が20数年前にパチンコ店を経営していた時、釘師を兼ねていた店長といろいろな営業手法を試みている中、パチンコ台の傾斜(取付角度)が、各台の出玉率にとって釘調整と同様に非常に重要であること改めて痛切に感じたことが、開発するきっかけになりました」



台の取付角度の大切さは、長らく釘を叩いている人なら、誰でも分かっていることだが、当時、取付角度の正確さを求めても無理な時代だった。



今でもそうだが、台取付専門の大工かホールの従業員が台枠の上下2カ所に釘を島に打ちつけて固定している。



傾斜の重要性を認識させられて代表格といえば、SANKYOの「スーパーコンビ」だった。



一世を風靡した一発機で、クルーンと呼ばれる役モノがセル盤のセンターに取り付けられていた。



このクルーンは径が4センチほどで、中心に向かって少しくぼみがあり、このくぼみの傾斜の途中に3個の穴が120度の角度をおいて同心円上に配置されていた。



これがセル盤とほぼ直角の位置に取り付けられ、かつ、このうちの一つの穴が遊技者側手前にあった。玉がクルーンに飛び込み、手前の穴に入ると1万円終了コースだった。



こうした構造のパチンコ台だったので、売り上げは調整次第で大きく変化した。



釘師の技量だけでなく、傾斜角度が大きく影響した。メーカーの取り付け角度の指示は4分5厘前後だった。



「この機を逃すまい、という思いで開発に取り組みました。いざ商品化しようとしますと障害が次から次に出てきたことに加え、資金が枯渇してきて開発を中止せざるを得ませんでした」



この時の開発のテーマとして次のような課題が出てきた。



1 台の傾斜が取付後も自由に変えられる

2 パチンコ台の取り付け、取り外しが誰でも簡単に行える

3 台の入れ替え開店時のトラブルがほとんどなくなる

4 島の損傷が必要最小限で済むもの

5 防犯上の効果がある



台の傾斜が取付後も自由に変えられ、ということから派生して次のようなことが考えられるようになった。



●優秀な釘師の考え方並びに釘調整の技術をより多くの店舗に反映させることができる道具にする



●誰でも簡単に釘師さんの手助けできるようにする



●多店舗化を図る時の出玉調整用の道具とする



これらの目的を果たすためには次の問題をクリアしなければならなかった。



1 20キロ以上の重量がある遊技台のどんな動きにも十分耐えうること

2 営業中は固定されたまま絶対に動かないこと

3 閉店後は簡単かつ迅速に取付傾斜を変えられること

4 島、パチンコ台に負担をかけないこと

5 誰でも簡単に取付傾斜を変える作業ができること

6 島の中の暗いところでも、設定どうりの作業が行えること

7 全メーカーの機種に対応できること

8 全ての設備メーカーのどんな島にも対応できること

  

これらの問題を全てクリアできる構造にしなければ、商品化はできないと考えた。



つづく



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 百鬼夜行の業界で生き残るには・・・

    店長:ホール経営を科学・・?「科学する」って・・・??

    社長:実験から『普遍の真理』を発見、誰でも“同じ解”が導けるパターンを創ることさ!

    店長:パターン化、勘と経験が要らない・・、えっ!?、俺も要らなくなるってこと・・?

    百鬼夜行のこの業界、パターンを超えた臨機応変はまだまだ健在、経験の数は貴重な財産。

    しかし、経営的には、科学を無視!では生き残れない時代。

    社内で成功方程式を共有できる企業体質が勝敗を分けるのかも・・・???
    蜻蛉の親爺  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 蜻蛉の親爺

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