パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

店長を目指さない社風となりつつある優良ホール

そのホールは都内でも優良ホールだった。



駅前の要衝地に店を構えいずれの店舗も高稼働を誇っていた。



このチェーン店がすごいのは、店長に数字のノルマがないことだった。ノルマがないとうのは誤解を与えるかもしれないが、ノルマがないために、無駄に取りすぎることもなく、いつもスタートが回るから高稼働を維持していた。



ところが、全国的に進む4円パチンコの稼働低下は、この優良ホールでさえも例外ではなかった…。



北関東のある地区では3店舗が競合していた。



いずれの店舗も1円と4円で営業していたが、稼働が付くのは1円コーナーだけ。



粗利を取るのは4円の方が取りやすいので、3店舗が取った行動は、4円の釘を締めることだった。



その結果は目に見えていた。



ただでさえ、4円コーナーにお客はいなかったのに、釘を閉めたことから、その地区で4円を打てるお客がとうとう消えてしまった。



この3店舗のうちの店長の一人は最近、夢でうなされることがある。



「1円で利益を取るあまり、1円のお客さんもいなくなって途方に暮れている。この先50銭やら25銭のホールになっていると思うと怖くてしかたない。そんな夢をよく見るようになりました。これが現実にならないことを祈るしかありません」



都内の優良店の話に戻そう。



4円の稼働が落ち始めたのは2年ほど前からだ。



会社から「今月はこれだけ」と数字を示され、「もっと稼働を上げろ。もっと粗利を取れ」と発破をかけられるようになった。



管理職の店長には残業代がつかない。



機械の入れ替え作業が深夜に及ぶときは、主任や副主任には残業代がつく。



そんな場合、主任や副主任の給料が店長を上回ることがある。



残業代がついて店長の給料を上回る、ということは店長の給料はそれほど高給ではなかったことが伺え知れる。



この会社では店長のすぐ下の役職はマネージャーとなっているが、最近マネージャーが店長を目指さなくなった。



ということは希望の持てない会社になってきている、ということだ。



店長は一度降格させられると二度と這い上がってくることはできない社風というのが原因の一つだ。



残業代がつけば主任の方が店長の給料を上回るのなら、責任の重たい店長になるよりも、責任の薄い役職で働いていた方が楽、と考えるようになってしまった。



失敗するのは怖いので、それなら最初から店長を目指さない社員が増えてきている。



こんな社員が増えれば、やがて競争力そのものが落ちてくる。



やはり店長には責任に見合った待遇が必要だろう。







人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。



記事一覧

コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. ノルマ自体は必要だと思いますが・・・。

    セブンイレブンとイトーヨーカドーを比較すると同じ小売業でも様々な違いがある。



    プライベートブランドの一部は両方で販売されているがそれぞれに専用商品がある。



    持ち株会社は同じだがライバルでもある。



    パチンコ店も様々な価値観を提供するように成ってきているがコンビニに該当する店舗が無いと思う。



    利益率や客単価・滞留率などを考える前に客の満足度を上げることに力を入れるべきだと思う。



    店員のやる気を引き出せない=客の気持ちも解らないと思うので=期待できない店だと思います。
    あさ  »このコメントに返信
  2. ピンバック: あさ

  3. 後悔する日も近いだろう

    全てはデフレが長すぎる為に起こる



    景気が良ければ、新店が立つ



    新店が立つと優秀な店長が必要になる



    店長を会社に繋ぎ止めておくのに報酬を上げる



    昨今、ヘッドハンティングも少ない



    人を家畜のように使っても転職出来ないだけ



    部下が上を目指さないのは当たり前の事



    誰も好き好んで家畜にはならないだろう



    今はこうかもしれないが



    優勝な店長が必要になった時



    接客しか出来ない部下が蔓延した昨今



    後悔する日も近いだろう



    オーナー達よ



    会社の力に自惚れるな



    ただそれだけの事
    大型店店長  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 大型店店長

  5. Unknown

    単月の帳尻合わせが無いだけで、ノルマはあるでしょ。尻に火がついて帳尻合わせに必死になるのはノルマがある証拠ですね。

    一般的には権限と責任は比例するが、オーナー経営企業はそうはならないケースが多いですね。

    信頼と信用、権限と責任、経営と資本、目的と手段、人を見る目…

    この辺りを見直したらどうかね。

    任せ切った時の方が好結果の場合が多いよ。
    のるま  »このコメントに返信
  6. ピンバック: のるま

  7. Unknown

    大型店店長様に同意。

    オーナーを中心とした経営陣は社会を知らない方が多すぎる。



    エントリーに関して。

    その企業では報酬面から名ばかり管理者になっているかと考えられます。

    当方の会社も含め近年は、この業界も法務の見直しが進んでおります。

    特にマクド○ルドの店長の判例ができてからは、人事部総務部はかなり危機感を感じています。

    しかしそれすら経営陣の意識が薄い。



    あさ様のご指摘にあるように、ESやCSは複合的に考えるべきです。

    さらにCSRやリスクマネジメント(特に法的)、コンプライアンスなども経営陣が率先して考えるべきだと思います。
    R  »このコメントに返信
  8. ピンバック: R

  9. 正にその通り

    店長とは、夢のある待遇…一昔前の話。



    現状は、厳しい業界へと移行し、長時間の拘束と重責を背負う管理職。

    待遇面もそれらに見合ってない事も確かである。



    業界オーナー諸君、下の者が目指したくなる待遇がなければ、上昇したいとは誰も夢みない、向上する気にもならないだろう。



    それ等に見合った待遇を人に施さない会社程、低迷の道を歩むのである。



    設備投資も、良いがそれ以上に人に投資せよ。

    それ等が、全体のレベルアップ(モチベーション)に繋がる宿題である。



    人の成長こそが、会社の成長となる。

    与えるべきは、人にである。





    X  »このコメントに返信
  10. ピンバック: X

コメントする

あさ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です