3月31日には第2回目の会議が開かれた。本格始動はこの回からといってもいい。席上、日本のギャンブル依存症の実態を整理することから始まった。
現在、日本にはギャンブル依存症の疑いがある人が536万人いると推計されている。この数字は平成25年8月、厚労省研究班(久里浜医療センター)が発表したもので、成人の4.8%に疑いがあるとされている。同様の調査ではアメリカが1.58%、香港が1.8%、韓国0.8%で、日本が突出して高いことが問題視された。
IRカジノを推進したい政府与党としては、日本にギャンブル依存症を増やすカジノなど不要との世論を抑える必要がある。
4.8%は実態とかけ離れているとして、久里浜医療センターには引き続き調査を依頼しているようだが、平成28年度の予備調査では、国際的に用いられている簡易スクリーニングテストを使って、過去12カ月以内のギャンブル等の経験について評価を行い、「ギャンブル依存症が疑われる者」の割合を成人の0.6%と推計した。ちなみに平均年齢は45歳。男女比は4:1となっている。
成人の割合が4.8%から一気に0.6%まで引き下がっていることは、政府与党としては好都合だろう。
なぜ、これだけ成人比率が下がったかを同会議は次のように説明している。
「平成25年度の4.8%の推計は、これは生涯を通じたギャンブル等の経験を評価したものである。平成28年度の予備調査において、平成25年度の調査同様、生涯を通じたギャンブル等を評価した場合、ギャンブル依存症の疑いがある者の割合は、成人の2.7%と推計した。ただし、この中には調査時点で過去1年以上ギャンブル等を行っていない者が一定数含まれており、例えば10年以上前のギャンブル等の経験について評価されている場合があることに留意する必要がある」としている。
さらに、最もギャンブルをやっていた頃に最もおカネを使ったギャンブルについては、「あまりギャンブルをしない者」を除くとすべてパチンコ・パチスロだった。
平成25年の調査ではギャンブル依存症の8割がパチンコといわれていたが、今回はほぼ100%パチンコということになっている。ギャンブル依存症のA級戦犯がパチンコということか?
なぜ、こんな結果になったかというと調査対象を都市部としていて、地方が含まれていないので全国的な推計になっていないためでもある。
いずれにしても依存症対策を強化しなければいけないのはパチンコということか。

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