今回のランキングは、その会社分析レポート作成のための設問項目で、「残業は納得できる範囲内ですか?」に対して、「はい」と回答した人の割合をポイント化し、高い順に並べたものだ。
つまり、残業時間など勤務時間に対する納得度を、“会社の中の人”が評価した結果だ。ランキングは、カイシャの評判の掲載企業のうち、2012年以降の口コミ件数が累積270件以上で、アンケートへの回答者が30人以上の企業が対象。対象社数は399社となっている。なお、平均ポイントは、66ポイント台となっている。

この調査で堂々3位にランキングされたのがダイナムだった。
「残業に対する意識は、休み同様、(香港証券取引所)上場を境に格段とよくなった。終業時刻を1分でも過ぎると1分単位で残業がつくため本部は基本残業なし。店舗の残業時間は店ごとに温度差があるようだが、サービス残業は法令違反という意識は社員に根付いている」(40代男性・現正社員・営業系)といった口コミがあった、と社員の声を伝えている。
さらに業界誌のグリーンべるとにも同社の健全性、透明性を伝える記事が次のように掲載されていた。
ダイナムは3月21日、一般社団法人パチンコ・トラスティ・ボード(PTB)による第9回評価調査で、評価10分類中全てにおいて最高ランク「AAA」を獲得したと発表した。
PTBは、パチンコホール企業の社会的地位向上を目指す、業界外の有識者・専門家による第三者で構成される組織。「AAA」の格付けは、「経営管理の仕組みが、上場会社において模範となるレベルに達している」ことを表しており、「AAA」を最高に、「AA」「A」「BB」「B」「C」「D」「−」の8段階で格付けされる。
評価分類は「ガバナンス」「基本的姿勢」「フレーム」「財務プロセス」「反社会」「社会的要請」「その他法令」「風適法」「労働法」「内部監査」の10分類。前年の第8回評価調査では、「社会的要請」の1分類のみ「AA」で、その他の9分類では「AAA」を獲得していたが、今回はすべて「AAA」となった。
この中には触れられていないが、同社の釘調整に対する見解は今どうなっているのか? 香港市場に上場する時に釘調整は出荷時の状態に戻すための「メンテナンス」と説明したのは記憶に新しい。しかし、警察庁はメンテナンスなどという言い回しは認めていないし、国内では通用しない。メンテナンスではなく「現状維持」をどう表現するかだろう。
ところで、ダイナムとしては多角化の一環でカジノオペレーターも視野に入っているのは周知の通りだ。その布石として会社の健全性を証明して行かなければならない。その第一歩が格付けのAAAでもあろう。
カジノ対策の意味合いもあるだろうが、パチンコ業法でパチンコが生き残るには、ダイナム並みの健全性が求められる。できなければ脱落してもらうしかない。それが実現したらパチンコ業界を見る世間の見方も随分変わってくる。
AAAの企業にのみパチンコ業法の審査対象にするとなれば、法人数は相当減るだろうが、これが業界健全化への一歩でもある。

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