メインの仕事は正社員としてのホール主任だが、22年間パチンコ店でアルバイトから社員、そして役職になっていく過程で、ホール現場で日々起こっていることをドキュメンタリータッチで、涙と笑いの悲哀を活写しているのが、KADOKAWAから出版された「ピン芸人ですが、パチンコ店員やっています」(原田おさむ著)だ。

これは小説投稿サイト「カクヨム」でエッセイ・実話・実用作品コンテスト受賞作として、書籍化が実現したものだ。
「1年前からFacebookで過去起ったことを思い出しながら書いていたのですが、好評だったのでちゃんとしたところに投稿した方がいいと思い、カクヨムに投稿していました。業界の闇にも触れていますが笑える範囲で、共感していただいています」(原田さん)
話しはいずれも実話だ。現在はホールで主任だが、アルバイトと店長の板挟みになって理不尽なことにも耐える姿から、著者の生真面目な性格と優しさが伝わって来る。
2013年に公開された映画「ペコロス・母に会いに行く」にも出演している。長崎ロケへ行くために2日間の休みを取らなければならない。2カ月前に店長に休みのことを相談すると、稼働低下と人手不足のためになかなか店長の許可が下りない。稼働を上げたら考えてもいいと店長。なかなか許可は下りない。ロケ日は迫る。2日間の休みのための攻防は内助の功が働いて、遂に店長の許可が下りる。
芸人デビューは1994年。高校卒業後に養成所に入り、当時はピン芸人が珍しかったこともあり、すぐにテレビにも出るようになる。NHKドラマ「京都発・ぼくの旅立ち」「やんちゃくれ」などにも出演するも、ピークは20代前半で終わってしまう。
「R1は始まった時から参加して皆勤賞です。最高で3回戦まで進みました。2回戦進出は7年連続です」(同)
売れない暗黒時代の芸歴の長さは、芸人一本では食えないので、アルバイトで入ったパチンコ業界歴も比例して長くなる。しかし、芸人の情熱は未だに衰えていない。パチンコ店の転職を繰り返すも、経験者ということもあって役職も上がっていく。役職が上がれば上がるほど、芸人活動の時間が取れなくなる。ジレンマの中で二足のワラジ状態だが、応募したエッセイが書籍化されたことで作家として三足のワラジを履くことになる。
本書では業界が抱える闇にも迫っているが、そこは芸人らしく突っ込みをかましながら、コミカルに描かれている。業界人は反面教師の教科書として一読すると面白い。
目指せ夢の印税生活。
本人のFacebookにこんな告知が書かれている。当日、ここに行けば本人に会える。
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4月8日にロフトプラスワンウエストにて、出版記念イベントいたします。
ぶっちゃけ、集客厳しいです。(T.T)
お昼の12時開場、13時開演
前売り1500円、ドリンク別ワンオーダー制です。
ほんまに、お時間ありましたら、来て下さい。m(__)m

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