では、どうやって稼働を上げたのか? 業界人なら誰でも知っている方法でパチンコ営業の基本中の基本を実践しただけだった。
それは割数を上げることだった。
オーナーが一世の時代は、稼働が落ちてきたコーナーは、割数を上げて稼働を戻してきたものだ。時代は移り変わり、新台導入時に稼働があるうちにヌク営業に代わって久しい。
ホールで稼働が上がるのは、生活保護費の支給日の毎月1日、年金支給日の偶数月の15日、給料日の25日が一般的だ。
で、このホールが採った作戦とは、給料日前の3日前の22日に割を上げることにした。
仮にそのホールが等価営業とすれば割を上げる日は10割営業でトントンの営業方法を取った。
割を上げたことはパチンコが一番分かりやすい。1000円スタートで普段より回ることが体感できる。特に常連客であるほどそのことに気づく。それがやがて口コミで広まる。スロットも設定が入っているのではないか、と期待感が高まる。
23日から割を上げ、5日間かけて徐々に割を落としていくが、給料日だからと言って思いっきり抜くことはしない。
割を上げる営業を月4回は取り入れるようにした。この営業をはじめて7カ月が経つ。稼働率は22%もアップした。
「稼働を上げることは簡単。粗利を取り過ぎないこと。業界が衰退した元凶はホールが粗利を取り過ぎたこと。これに尽きる」(同ホール関係者)
ただし、稼働率は上がったものの粗利は半減した。粗利が半分になってもやって行くには他の経費を削減するしかなかった。
まず手始めに廃止したのが会員向けの年賀状だ。郵便料金が値上がりしたことも引き金になった。
効果を感じなかった総付け景品の配布も取りやめる対象となった。
電気代にもシビアになった。エアコンの温度設定を営業中は一定に設定していたが、客の人数によって変えるようにした。
従業員の配置にも無駄があった。人件費を15%削減したが、運営には何ら支障はなかった。
ホールのコストで一番大きいのが機械代だ。これについては思い切って、来年からは4割削減の方針を打ち出した。
こうやって無駄な経費を見直すことで、半減した粗利を補うことができる。
「ホールが粗利を取り過ぎて、お客さんがいなくなったのでは元も子もない」とオーナーは心を入れ替えた。
贅沢な生活に慣れ切って、そのレベルを落とさないために、遊技人口が減っても同じように粗利を取り続けたオーナーは少なくない。
オーナーの考え方が変われば、業界は変る――そんな好事例でもある。

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客が減る→減った客から利益確保→更に客が減る
この繰り返しで遊戯人口は、三千万人から一千万人に減りました。
還元率を上げる等の自らの痛みを伴う改革はせず、
減った客を痛めつける「利益を確保せよ!」だけの強欲オーナーでは、
新台の価格が下がっても稼働率の期待は出来ない、と思います。
ピンバック: 通りすがり
ピンバック: 通りすがりの風来坊
こんな当たり前なことが好事例になっちゃうんだもんな
で、当然の事なのにやっただけで賛辞が送られるってか
どんだけ低レベルなのよ
不良が真面目に学校来たら褒められる現象と一緒や
そりゃ笑われるわな、一般的な業界の人間に
ピンバック: 読んでて悲しくなるわ
今のパチンコ機の仕様ならやはりこうなる事を証明してくれる非常に貴重な事案では(^_^;)
初当たりを得てひとまずほっとし、
さあこれからだと言う気分になれない仕様の台など店が甘く使っても打ち手が追っかけないのだからアウトなど上がる訳なし。
1日で8000ゲーム以上回せるスロットならまだともかくパチンコに今の仕様は間違い無く合ってないんですよ。
お先真っ暗ですな( ´Д`)
ピンバック: 見守る者
それでもつなら世の中つぶれる店はないわ。
ピンバック: 1