A子さんは夫と二人の子供(6歳と2歳)と一緒に平穏に暮らしていた。子育ては忙しいが、家族4人で過ごす日々はそれなりに充実していた。しかし、彼女の人生が大きく変わる日が訪れる。それは、何の変哲もない一日だった。
その日、A子さんは街中で急にトイレに行きたくなり、近くにあったパチンコホールに立ち寄った。これが彼女にとって初めてのパチンコホール体験だった。入り口をくぐると、音楽とパチンコ玉の音が響き渡る中、彼女は恐る恐る中に入っていった。心の中で「パチンコなんて怖いところだろう」と思っていたが、意外にもトイレは清潔で安心感を覚えた。
用を足し、ホッとしたA子さんはスロットコーナーを抜けて出口へ向かおうとしたが、そこで運命の出会いを果たす。床に1枚のコインが落ちていたのである。A子さんは何気なくそれを拾い、まるで導かれるかのように近くのスロット台に座った。そして、やり方も分からないままにコインを投入し、レバーを叩いた。
すると、台が突然光り出したのである。A子さんは驚き、隣の客に「何が起こっているのか」と尋ねた。隣の男性はニヤリと笑いながら、「これ、当たりが入っているよ」と教えてくれた。A子さんはそのまま1000円分のコインを購入し、男性に教えられながらスロットを続けた。
結果は驚くべきものだった。A子さんはこの日、ビギナーズラックで1万2000円ほど勝ってしまったのである。彼女は「こんなに簡単にお金が手に入るなんて!」と心の中で叫んだ。これが彼女のスロット人生の始まりだった。
A子さんはその日以来、毎日のようにホールに足を運ぶようになった。初めは連戦連勝で、2000円、3000円、時には5000円といった小さな勝利を積み重ねた。10日間のトータルで5万円ほどの勝ち金を手にした。彼女は「これならパートタイムの仕事なんかしなくても、家計を支えることができる」と思い込んでしまった。
しかし、スロットの魔力はそう簡単には続かない。勝ち続けることなどできるわけがない。次第に負けが込むようになり、A子さんは家計の生活費に手をつけるようになった。それでも足りず、彼女は実家にウソをついてお金を借りるようになった。それでもまだ足りない。やがて、ついには闇金に手を出すことになった。
借金はあっという間に250万円に膨れ上がり、A子さんは闇金業者に斡旋されて夜の風俗店で働くことになった。夫には「夜のパート」と言ってごまかしていたが、ついにそのウソがばれてしまった。風俗店で働いていたことが発覚し、夫は怒り狂い、離婚を突き付けられた。
離婚調停では話がまとまらず、現在は裁判中だ。A子さんは、「あの日、あのコインを拾わなければ、私の人生はこんなにも狂うことはなかったのに」と何度も後悔しているという。
依存症は一瞬の気の迷いから始まり、気が付けば深い闇に落ち込んでしまう。A子さんのような悲劇を繰り返さないためにも、パチンコやギャンブルの魅力に惑わされない心の強さが求められる。
彼女の物語は、パチンコ業界の光と影を浮き彫りにしつつ、依存症に対する警鐘を鳴らすものである。ギャンブルを楽しむことが悪いわけではないが、ハマりすぎないように節度を持つことが何よりも大切である。
そんなことは分かっていても一定数が依存症にかかってしまう。
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