パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

有終の美を飾りたい…第6話

閉店まで7日、その前に書き忘れていたことがある。



競馬ファンの一年最後の夢をかけた有馬記念(GⅠ)がそれだ。



パチンコよりも競馬が大好きなスタッフK君の大予想とお客様の予想も紙に書いてもらい、店内に貼り出した。大胆な予想も多く、大いに盛り上がった。



もう3年以上も前のことだが、早朝からスタッフK君とJRAの栗東トレーニングセンターまで競走馬の調教見学ツアーに出掛けた事もあった。



人気ジョッキーとの記念撮影もした。



この事がきっかけになり、週末土日は“レジェンド○○(スタッフ名)大予想”をするようになった。今回の年明けの金杯レースが最後の予想となる。



年間を通してさっぱり当たらない予想だったが、約3年もの長い間、競馬好きのお客様にはとても好評な企画だった。

スタッフK君と競馬談議がしたくて、ご来店される方もいらっしゃったほどだ。



閉店まで7日、T主任は早朝から新鮮野菜の仕入れに向かった。お客様からのリクエストもしっかり頂戴して、最後となる新鮮野菜の仕入れに向かった。野菜コンテナに多い時で約8ケースも仕入れて、カウンター賞品として並べた。



女性スタッフにはかなりの重労働だが、一度も弱音を吐くことはなかった。



売り始めると長蛇の列が出来て、一瞬で完売した。



企画をスタートした当初は、私も同行していたので、最後の新鮮野菜が完売した時は本当に感無量だった。



他店では真似の出来ないことを目指して、お客様に喜んでいただきたいとの想いで始めた新鮮野菜の仕入れは、4年もの長い期間に亘って、ほぼ毎週開催を継続した。



年配者や主婦層に大好評で、毎回必ず完売状態だった。



同じ頃に、お客様から店舗に飾って欲しいと鉢植えのお花が届けられた。普段なら丁重にお断りするのだが、有り難く飾らせて頂いた。



自店は、接客マニュアルをあえて作らなかった。スタッフ一人ひとりの個性を活かして、お客様とのふれあいの中で笑顔を届けられることを常に心掛ける接客を目標にしていたからだ。



お客様、働く仲間を幸せにしたいと思うスタッフの気持ちは次第に大きくなっていた。



スタッフM君にお願いしてあった自店オリジナルの曲も出来上がってきた。M君自身が自分の声を多重に録音して、一人でアカペラの曲を完成させてくれた。



“た~のしい○○♪♪(店舗名)”このフレーズを聴くと思わず照れてしまったが、全スタッフが自然に笑顔になれた。



大晦日は午後8時に閉店して、新年を迎える準備をした。



飾り付けはカウンタースタッフの手作りが主で、お客様に感謝の気持ちを伝える工夫がされていた。



S主任は正月三が日の書き初めの準備を進めていた。



書道八段の腕前も披露してくれるのだ。



もちろん、お客様には筆をとってもらい、想い想いの1年の決意や抱負を毛筆で書き初め出来るように、書道用品に机や椅子も入念にチェックしていた。



店長は、最後の営業日にオーナーからお客様に差し上げる一輪花束の仕入れ手配を終えていた。



最後の営業日までの準備は全て終了していることをもう一度再確認して、1年間の業務を終了した。



この時点で閉店5日前だった。



つづく





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  1. 逆説の10カ条を・・・

    ネット上で、結構、有名になった『逆説の10カ条』。

    もともとは米国ケント・M・キーシ(Kent M.Keith)氏が大学時代に書いたものをマザー・テレサが広めたらしい。


    逆説とは一見真理を言い得ていないようで、ある一面の真理をいい得ている言説とでも解釈してみたい。

    エントリーを読みながら、最初の5カ条をふと思い出した。



    1、人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。



    2、何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。 それでもなお、良いことをしなさい。



    3、成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。 それでもなお、成功しなさい。



    4、今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。それでもなお、良いことをしなさい。



    5、正直で率直なあり方はあなたを無防備にするだろう。 それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。



    頭でわかっていても、なかなか出来そうで出来ない。

    店長をはじめスタッフさんたちの言動には、この5カ条に近いものを感じた。
    蜻蛉の親爺  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 蜻蛉の親爺

  3. Unknown

    このシリーズを読むと感じるのは、接客などをいくら頑張ったって出さない店は潰れるってことですよね。

    こんなに良いスタッフがいても閉店しちゃうんですから。
    けいさ  »このコメントに返信
  4. ピンバック: けいさ

  5. Unknown

    出さないから、つぶれるんじゃないよ。

    競争力(資金力)がないから潰れるんだよ。

    出玉だけじゃ駄目なんだよ。出玉とそれを際立たせる資金が、絶対必要。それが、集客の為の新台だったり、宣伝だったり、伝え方だったり。特に伝え方が重要。この店は、スタッフは良いのかもしれないが、そこらへんが上手く繋がらなかったから、常連には愛される店だが、それ以外の目的客を集められなかったから。だから、残れなかったんだよ。

    出玉だけ出したり、新台入れてりゃ、客が集まる様な簡単な商売じゃないよ。パチンコビジネスは。

    違うよ  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 違うよ

  7. 出せば客は来るよ

    立地にもよるけど悪い立地条件ではない限り出せば客は来ますよ

    関係者の多くはそんな簡単な話ではないと言う、

    実際に出玉で集客する勇気がないだけでは?

    出玉に集まる客をパチンコ屋は嫌ってきた結果が今です

    常連さんがまだいる店なら広告出さなくても出せば客は来る

    ヘビーユーザーのネットワーク、行動力をなめている
    ヘビーユーザー  »このコメントに返信
  8. ピンバック: ヘビーユーザー

  9. Unknown

    ヘビーユーザーさんへ



    だから、違うんですよ。ユーザーの目線で言えば、簡単だが、勇気がないとかじゃなくて、成り立たないからですよ。

    ネットワークって言いますが、ボーダー狙いのユーザーだけ集めたって、成り立たないでしょ。勿論、そういう人も必要ですよ。でも、難しいのは、それ以外の人を集める事。ギャンブルである以上、色んな層のお客がいないと成り立たないよ。だから、簡単じゃないって事ですよ。玉出し続けて、赤字続けて駄目だった店、いくらでも知ってます。

    全ては、やり続ける事が出来る資金力とノウハウです。
    違うよ  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 違うよ

  11. 違うよさん

    でもユーザーから見たら潰れるホールって糞みたいな釘のホールばかりなんですよ。「あの店潰れたんだ」「だろうね」ばかりです。もったいないと感じたことなんか一度もありません。

    だから違うよさんがいくら否定しても信じれないんです。ホール名などを具体的に書いていただけないこのコメント欄では無理なんです。
    けいさ  »このコメントに返信
  12. ピンバック: けいさ

  13. Unknown

    けいささんへ



    最初から抜くためだけに、パチンコ店を営業する訳なく、そうしないと成り立たなくなったから、酷い釘になったって事です。たがら、競争力と資金力、何ですよ。酷い釘にせざるを得ない店は、潰れて当たり前。そこから再浮上するには、玉を出すだけじゃ、絶対に上手く行きません。

    だから、出せばお客が来るなんて、簡単な商売じゃないって事です。
    違うよ  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 違うよ

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