パチンコ日報

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パチンコ業界雑感シリーズNo.2・・・パチンコ機発展に必要な経費とは?その④

その③までの原稿をあるメーカー幹部に見せたところ、こんな内容の返信があった。



パチンコ主体のメーカーは、今はまだ状況は許せる範囲。4号機が規制されたスロットメーカーは、それまでは好きにしてきた跳ね返りに今日があるのだと思う。

それらと同じ状況も、かつてはパチンコメーカーにもあった。



思い出して欲しい。それは連ちゃん5回規制である。

大当たり連ちゃんは5回まで。



スロット全盛のころパチンコはシェアをスロットに喰われていた。それが今は逆転現象が起きている。



4号機と同じ様に爆発的な返しが期待できるのが、MAX機と呼ばれるタイプ。

400分の1、継続率80%。



この存在がホールの過去最高の粗利を提供した主役でもある。



リーマンショックから1年、このMAX市場にも陰りが見えてきた。



メーカーの営業マンは昨年末から「来年の稼働はどうでしょうかねー」というのがあいさつ代わりになっていた。



小売業の売り上げが落ち込むことは、誰でも予測が出来ていた状況なので、ホールの稼働も下落するのは当たり前の認識になっていたからそんなあいさつが交わされていた。



ホールの稼働がこの数カ月で全体的に落ち込んでいるので、メーカーも今後の展開が気が気ではない。



開発部がリーマンショックの影響を受けるのはこれからだが、特に営業部は今の現状を危惧する。



商品の競争力問題の前に機械価格も見直すことが必要だと認識し始めているが、深刻さはそほどでもない。



機械が本当に売れない!と認識し始めて初めて価格見直しを迫られるだろう。



そして力のあるホール向けには、ブランド化された機械を高く販売する戦略も考えられるようだ。



もちろん、その機械は全ホール向けに販売するのだが、そのB面には、主体は高い機械価格でも購入できるホールがメインという認識がある。



メーカーも二極化が加速する。



勝ち組メーカーでも、ホールの体力が落ちれば売り上げに影響するとの認識はある。



いままで、パチンコ産業は不況に強いと言われてきたが、まだそんな妄想を信じているメーカー関係者もいるそうだ。



元店長が弊社(メーカー)の勉強会で話した内容はそれを裏付けることになるだろう。



フランスでは日本で言う消費税に近い課税制度があり、税率は19.6%。

フランス人の若者の失業率は10%。給料も安い。エルメスやルイ・ヴィトンなんか買えない。



そんな状況が日本にも迫っていることを肌で感じる。



今までの日本国内の不況と、今回の不況は、その日本を覆う環境が違う。



オイルショックの時は、高度成長期によって助けられた。

その時は明日は(未来は)何とかなるさ、と言えた時代だった。



しかし、今回はそれと違う。



国内産業で成長が見込めるのが、介護福祉事業などしか出てこない現状では未来図は描けない。



当面は体力のあるメーカーは、経費を削れる部分が多いのでなんとかなるが、体力のないメーカーは、販売機種数を抑制して開発費を抑え、身の丈経営を迫られるだろう。



ホールは、地域性や規模にもよるが、倒産しない範囲(=お客様が飛ばない範囲を含む)まで割を絞り生き延びるか、機械の購入を抑え、昔ながらの営業に戻すことが求められる。



いずれにしても、機械価格はこれ以上の伸びはなく、天井状態。



人気機種は高くても売れるだろうが、無名機種ともなればこれから価格を抑えるメーカーも出てくるはず。



機械高騰は購入するホールがいたから出来た戦略であったが、これからはそうはいかない。



ホールは今まで1列=10台単位で購入していた機械を、半分の5台に抑える戦略をとり始めてきているし、機械購入のルートの再構築などで経費を抑えてきている。



今まで中古機種を導入しなかった優良チェーンが、中古機を投入し始めている。



人気機種の後継機はド~ン!と購入しても、それ以外では少数単位の台数で、新台導入効果をホールに波及させる戦略にシフトさせる。



だから来年は、メーカーもホールも本当の勝負の年になると予測している。



以上



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パチンコ業界雑感シリーズNo.2・・・パチンコ機発展に必要な経費とは?その③

今パチンコ業界では、機械代の高騰でパチンコメーカーが矢面に立たされている感がある。



ホール企業サイドから見れば、メーカー=悪、とまでは言わないまでも、メーカーに対する印象は悪い面が出てきている。



しかし、それは間違いであると小生は思う。



簡単にいえば、メーカーとはそういうものでそんな立場にある。



メーカーで一番重要な部署は「開発」である。この開発には金が必要だ。



1社年間2機種までの発売と規制がある時代なら、機械代の高騰はここまでなかったかも知れない。



知り合いのメーカー幹部はこう話す。



「売れるかどうか分からない機種も開発しなくてはならない」

「そのリスクを避ける対策も施している」

「ある機種はソフトは100%外注。デザインなどのコンセプトだけ自社」

「売れない機種が出ても、トータルで赤字にならない価格設定」

「ホール企業の一部も、有事に備えて内部留保(法律で定められた利益準備金と、企業の自由意思による任意積立金)している様に、メーカーはそれ以上に内部留保が必要。ホールなら他のメーカーから人気機種を購入すれば良いが、メーカーは己がヒット製品を出せない場合は、対処方法が無いから」



前回書いた自動車メーカーの話。特に輸入車の販売手法では、高くても売れるから高く売る。また購入者は自動車にステータスを求めるから、もっと高い価格を設定する。



それが当たり前の商習慣だ。



花形産業であった自動車産業は、この不況でてんてこ舞だ。2兆円の黒字を稼ぎ出していたトヨタは今はご存知のありさま。GMもサーブも青色吐息。



日本の旗艦航空会社JALだって事実上は倒産している。



パチンコメーカーだって、いつGMやJALと同じ運命になるか、と感じている幹部もいるのも事実。



パチンコメーカーは、ヒット商品が出ないとどうにもならない。ヒットが出れば、会社規模を大きくしたがる。



京楽の売上高推移(単位*百万円)



H16・・・・33917

H17・・・・45196

H18・・・101465

H19・・・273108

H20・・・204580



昔は下位メーカーだった京楽が、ヒット製品の連発で一流メーカーになった。

この売り上げ推移の様に、短期間に売り上げが何倍にもなる業界だ。



そこには逆もある。



だからこそ、機械代が高くても売れるという法則の旨い思いを知ってしまったパチンコメーカーは、売れるときは高く売りまくる戦略をとるのである。



高くても売れるものをわざわざ価格を下げることはしない。



価格を下げる戦略をとるメーカーは、そこに自社の生きる場所を見つけるためでもある。



上記の様な本音を吐いた業界人の話も、酷い話ではなくて、商取引上当たり前なのかもしれない。



知り合いが290円弁当の販売を始めた。

それまでは480円弁当が再低価格だったのだが、それに見劣りしない290円弁当だ。



その290円弁当の原価は120円。480円弁当の原価は175円。



290円が大当たり。480円が売れなくなっても利益は増えた。



パチンコメーカーも、いつGMやJALの様になるのか分からないし、弁当の利益率競争と同じ様に明け暮れるか分からない。



この先、不況が長引けば、パチンコ遊技者人口も減るだろう。ホールもメーカーも同じ泥船には乗りたくないハズである。



そんな状況のメーカーは、新製品開発にどれだけの金を投入するのであろうか。



初代「麻雀物語」を見た時の感動は今でも忘れない。

初代「フィーバーパワフル」を見た時は、麻雀物語以上に感動した。

液晶パチンコの発展を全て見てきた小生からすれば、この先の機械台はどうなるのか想像もつかない。



この20年で、ドラム式パチンコが生まれ、液晶時代へ移った。これだけの進化は、メーカーが利益の一部を開発に当て、開発担当者の苦労があっての事である。



しかし、あるメーカー関係者は「パチンコ機の進化は、基本的には足踏み状態にある。ハード競争からソフト競争になって来た」という。



ソフト競争は必要だが「本来のパチンコはハード競争が必要だ」という声も業界内から聞こえてくる。



あるパチンコメーカーの技術系の応募数は前年の1.5倍だという。



ゲームクリエーターを目指す若者は、最近はゲームソフトメーカーよりもパチンコメーカーにシフトする傾向もある。



この先、パチンコメーカーは大型液晶ありきのソフト開発競争になるのかも知れない。



そうなれば、機械を高く販売して、利益率を上げて、開発費に金をかけられるメーカーが生き残る。



今の下位メーカーは、機械の高い販売価格の水準に助けられているが、いずれそれでは追いつかなくなる時代がくるということだ。



機械メーカーが業界発展を支えてきた裏には、機械代からの高利益率があり、近代の機械代の高騰が未来を支えるのだろう。



しかし、日本の経済状況はそれを許さなくなるかも知れない。



消費税率が上がれば、ホール業界は間違いなく大打撃を受ける。欧州のように貧困の格差が拡がる。



ルイヴィトン(LV)を生んだフランス。自国の若者は、LVを買えない人が多い。原宿の表参道を歩く若者と、パリのシャンゼリゼ大通を歩く若者の、LV所持率は明らかに表参道に軍配があがる。



証券会社のパチンコアナリストは「30年後に生き残れるメーカーは今の半分以下。ホール企業は人口過疎地では生き残れない」と予測する。



ピーク時から6000店舗減少したホール。自然淘汰の対象と見るには気の毒だが、それと同じ様に、淘汰されるホールはまだ出てくるだろう。



この先、パチンコ機の発展に必要な経費の出所をメーカーは、今から真剣に認識して欲しいと思う。そこを育てる対策が、いまのメーカーにはない。



政治的なロビー活動や将来につながらない寄付活動、献金の問題は、今一度検討が必要な時だ。





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パチンコ業界雑感シリーズNo.2・・・パチンコ機発展に必要な経費とは?その②

「われわれは機械代を高く設定することに対して恐れていたのかも知れない」とは、あるメーカー幹部の本音だ。



それが、あるメーカーのある機種の販売価格から、徐々にその恐れが薄らいだ、という。「高くても売れる」と証明された瞬間でもある。



私の知人が機械評論家のセミナーを聴講した。その中で機械代の高騰はなぜ起こったかという話題になった。



その経緯を得々としゃべったようだが、一部整合性がなかった、という。



理由は私が彼に話した内容と食い違うからである。



このシリーズの最初にも書いたことだが、簡潔明瞭に書くとこうなる。



「機械の価格が高くても、ホールが購入するから価格が高い」



機械代高騰の理由は単純明快。理由はこれだけである。



他の理由はここから派生しているだけ。



パチンコメーカーは“ある条件”を満たせば、機械が高く売れることに気がついたのだ。



その図式を分かりやすく説明したい。



1980~1990年代に日本国内で販売されていた輸入車で、日本での販売価格が1000万円だったある高級車がある。現地での価格は400万円。



1988年日本国内希望小売価格700万円の輸入車は、米国では400万円で販売されていた。そのため、当時は並行輸入が盛んに行われていた。



1987年に日本国内で販売されていたある海外自動車メーカーは、日本国内宣伝経費÷国内販売台数=50万円。平均販売価格550万円のメーカーは、1台当たりの宣伝費は約10%であった。



これこそ今のパチンコ業界にあてハマル。



当時の輸入車はある程度価格を上げて、ステータスを保つ販売手法をしていたのだ。今でもその傾向は残る。



メルセデスもBMWも海外ではタクシーになっている。日本国以内で高級車として販売されているクラスの、タクシー仕様がゴロゴロ運行されているのだ。



日本国内では内装など高級仕様として販売されているが、その分を考慮しても、日本での販売価格は高い。



輸入車メーカーは、日本国内で高く売れるから売るのである。これは自然の流れである。



その価格高騰の裏に必ず出てくるのは、隙間を突いた商法である。輸入品なら並行輸入だ。



パチンコメーカーなら、機械の再利用再販売などなど。



今、機械の高騰に悩むホール企業が多いが、機械代はまだまだ下がる事はないだろう。



この不況で価格が下げられる傾向が発生すれば良いのだが。



売れるから下げる必要はない、と考えるのは自然の流れ。弱小メーカーも上位メーカーが高い価格で販売してくれるので、自社製品の開発や販売成績に貢献してくれている。



メーカーも本音でこの様なことは言わない。



一流メーカーの32型液晶テレビが5万9800円で買える時代、パチンコ台は30~35万円だ。



つづく





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パチンコ業界雑感シリーズNo.2・・・パチンコ機発展に必要な経費とは?その①

No.1で書いた機械代高騰の件。少々攻撃的に書いてみたいのでご了承願いたい。



ホール側でもメーカー側でもなく、フラットな雑感を書くと機械の進化には、今の高い機械代も貢献している。



この言い方には多少の語弊があるかも知れないが、利益が開発費に回り、結果売れない機械分まで補えるということ。



それと弱小メーカーにとっても機械代金の高騰は、本当はありがたいのだ。



ある弱小メーカーは、機械代が高騰したおかげで、自社の独自性を見出すキッカケになるだろうと言う。



機械の再利用、再販売や隙間を狙う戦略を立てられる様になるという。



機械代がこのまま高値で推移すれば、機械の再利用、再販売で一度30万円で販売した機械を15万円で販売するビジネスモデルも確立できる。



機械代の高騰には弊害もあるが、経営の苦しかった中小メーカーに活力を与え、機械の進化にも一役たったのである。



今日機械代高騰についての対応は、各方面でされている。

弱小メーカーは、再販などの制度に力を入れ、大手は多彩な機能や演出を取り入れる開発をしている。



つまりメーカーは、メーカーの存在における棲み分け現象が始まっているのだ。



この業界のメーカーは、無名のメーカーが、1機種のヒットによって、大きな利益が得られ、名前(メーカー)が売れる。



またヒット機が出なくても、そこそこ生き延びることが可能な業界でもあるのだ。



日本の自動車産業は、まだ海外に大きく依存出来ないころ、多くのメーカーが乱立していた。



くろがねやプリンス…プリンス自動車は日産に吸収されたので、ご存知の方も多いだろう。



二輪車、三輪車、四輪車など多くのメーカーが乱立したことで、日本の自動車産業は発展した。



パチンコメーカーも同じ。



この業界のメーカーを自動車産業に置き換えてみれば、昭和40年代ではないだろうか。



自動車産業を襲った危機に、オイルショックがある。各メーカーは在庫を抱えて経営が危ぶまれる。



当時は、トヨタ、日産、マツダが業界御三家で、ほかのメーカーは足元にも及ばなかった。



その中でマツダは、ロータリーエンジン(以下RE)を多く生産していたために、大量の在庫を抱え倒産寸前まで追い込まれる。



メインバンクの住友銀行が支援に乗り出し、経営再建に乗り出すのである。



この経営再建、これは昭和56年以降に大きくマツダと言う花を開花させるきっかけとなる。



月間販売台数1万7000台を上げたファミリアの誕生につながるのだ。

この1万7000台と言う数字がどれだけ凄いか。



特別減税の影響がない今年3月の販売台数順位を見ればお分かりになるだろう。



1位/インサイト 1万481台

2位/フィット 9443台

3位/ヴィッツ 6706台

4位/カローラ 6341台

5位/ウィッシュ 5556台



あの当時、トヨタの社長はトヨタにファミリアがあれば、月5万台は売れると発言した程である。



そのときに一番売れたファミリアは、ハッチバック(HB)スタイル。



トヨタもそれを真似してカローラⅡを、日産はサニーHBを投入するが、マツダに及ばず。



この話をあるメーカー幹部にすると、大変興味を示して来た。つまりこの業界のメーカーにつながるからである。



つづく





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パチンコ業界雑感シリーズNo.1・・・「栄枯盛衰から見る機械代金高騰」

栄枯盛衰(えいこせいすい)の意味は、栄えたり衰えたりすること。栄枯盛衰は世の習いと言う言葉もある。



世界最大の自動車メーカーGMは戦後60年余で経営破たん。日本の旗艦航空会社JALも経営危機だ。足袋や靴下の専門メーカーだった老舗福助も経営再建中だ。



30年前のパチンコメーカーといえば、「平和」「三共」「西陣」が御三家。桐生御三家と言う人もいた。かつての名門パチンコメーカーの中には、当時と比較にならないぐらい元気のないメーカーもある。



30年前、盤面に「真っ赤な太陽」と書かれていたのは京楽産業だ。その頃の京楽は△流メーカーと言われていたが、今は日本を代表する一流パチンコメーカーである。だからこの業界のメーカーにも栄枯盛衰と言う言葉が似合う。



パチンコメーカーのお客はホールだ。この上下関係が固定されている現状を考えれば、パチンコメーカーに「安い機械」を望むのは無理がある。



ある会合では「この部品をあ~してこ~してコストを下げて、機械を安くしろ!」と提案しても、それはただ意見を述べるだけに留まっている。端的にいえば、業界関係者がいくら機械代を安くしろ、といっても無理があると感じる。



私は素材メーカーや自動車メーカー、そして販売も経験しているので、その無理が痛いほど分かる。



「機械代を安くして欲しい」というホールの要望は十二分に理解している。否定をするつもりはない。そう言う意見を発言することは、実に大切だと思う。その声が集まり太くなれば、大木を動かせる力になるだろう。



しかし、現状では、その声がバラバラ。また、一番肝心な点を見誤っている。見誤っていることに対して意見を述べたいと思う。



それに大きく関係するのは、先に述べた「栄枯盛衰」だ。



以前はパチンコメーカーも台湾へ輸出していた時期もあったが、今は国内市場だけ。パチンコで世界進出はできない状況だ。つまり、輸出ができないので、素材メーカーや自動車メーカーと同類では考えられない。



パチンコ業界のメーカーは、儲けられる時に儲けないと後が続かない、という現状がある。それが当たり前だ。



儲けられる時に儲ける発想はメーカーだけではない。ホールもそうだったことを忘れていないだろうか?



射幸心を煽る機械が全盛の頃、ホールは儲けられる機種ではトコトン抜いた。出玉の瞬発力がある機械ほど、低割でもお客様がその機械を追いかける特性があった。



そんなことをホールが思い出せば、機械メーカーが儲けられる時に儲けることは、理解できるはずだ。



ホールが低稼働でも店を運営して行かなければならないのと同じで、機械メーカーはヒット機が出ない時のことも考慮して会社を回していかなければならない。



今は一流メーカーでも、いつ二流メーカー転落するか常に気にしているはずである。ヒット機が出ない間の開発費のためにも内部留保が必要になる。メーカーの図体が大きくなれば、維持費のランニングコストも大きくなる。



以前、ランニングコストとイニシャルコストの話をしたが、ヒット作品に大きく業績が左右されるメーカーは、ヒットが出ない時の心配をどうしてもしてしまうのが現状である。



レコード会社や出版社は、ヒット作品が出れば、簡単にビルが建つと言われる業界だ。



しかし、ヒットが出なければ台所事情は一変する。講談社や集英社などは、週刊誌などの利益を他の出版本の赤字を穴埋めしているのが現状だ。



これらの現状を踏まえてメーカーを見ないと、いくらホールが安い機械を懇願しても無理な話である。



自動車メーカーは、スカイラインとかカローラ、クラウンなどのビックネームが確立されると、そのネームである程度の販売数量が見込める。パチンコ業界で言えば、海物語とかジャクラーである。



それではあのメーカーには、大きなブランド力がある機種はあるのだろうか? それは継続的に安定が見込める機種シリーズを指す。



今、業界でモテハヤサレテイルあのメーカーの課題は、まさにブランドの構築である。あのメーカーそのものがビックネームだと言う人がいる。正解であるが、それでは将来安定した成果は望めない。



繊維業界で「エースクラウン」と言うブランドがある。これは工業ミシン用糸のブランド名だ。帝人の原糸を使用した日本の縫製産業のビックネームである。国産自動車のシート縫製のシェアも60%以上を占める。エースクラウンミシン糸の展開色数は400色以上。クレヨンや絵の具でもここまで数は無い。



アパレルメーカーのトップデザイナーは、このエースクラウンの色を全色記憶している人もいる。新作の婦人服をデザインする際に、デザイナーは「ここの縫製はエースクラウンの235番色」と指定するくらいの、信頼のブランドである。ここまでブランドが確立されれば、営業も楽にできる。黙っていても売れるのだ。お客様が売ってくれと言う姿勢で、エースクラウンを服飾の生産工程に指定してくれる。



ブランドの構築はメーカーにとっては生命線なのだ。だからメーカーに必要なのは、ブランドの確立なのは当たり前なのだ。各パチンコメーカーの確立したブランドは何かをそれぞれ考えてみて欲しい。



西陣と言えば…

SANKYOと言えば…

平和と言えば…

北電子と言えば…

サミーと言えば…



メーカーからすれば、売れる製品はなるだけ利益率を上げて儲けたいという思考が働くのは当たり前だ。



あのラーメンだって、お客さんが並んでくれるから、一杯800円~950円で売れるのだ。それだけの付加価値があれば高くても売れる。中古のアイムジャグラーだって、それだけの稼動が見込めるから、購入ホールがいて、高値で取引される。



そうなのだ、機械が高い高いと言われるが、高くても売れるから高いのである。



メーカーは売れるから儲けよう!と思う。これは自然の流れの思考だろう。この業界だけではなく、どの業界のメーカーも部品を大量発注して購入コストを下げると言う意味は、「自社の利益率を少しでも上げよう!」と言う事が第一に来る。



もう一つの考えは、販売価格を最初に設定しておいて、それに合わせるために、コスト管理して部材の価格調整をするケース。



この場合、多いケースは薄利多売で売り上げを目指す時。これらのケースにパチンコメーカーは当てはまるのか?



れに当てはまるケースは、機械の部品やソフトの二次使用などの時だ。

例えば役モノの金型代金が販売価格に上乗せしなくても大丈夫な時がそれにあたる。しかしこれはこの話題には合わないので今回は省こう。



ホール側は、何を望んでいるのか?



それは、稼働が見込めて、価格の安い機械だ。しかし、その点がメーカーとの利害関係が一致しないと言うことは、このシリーズ冒頭から高覧して頂ければお分かりだろう。



今の流れは売れる機械も売れない機械もメーカー側は、トータルで損益計算を捉えているからだ。それは先に述べた出版業界に似ている構造でもある。



メーカーは売れるから価格は下げない。人気機種や大型版権は余計にそうなる傾向だ。ただし、大型版権でも、稼働が取れない機種も多い。



その責任は誰にあるのか?メーカーの本音は…、ホールの本音は… 



これは業界人なら誰でも想像はつくだろう。それでも業界全体では回っている。

ホール側だけみたら、1万8000軒あった遊技場は半分になる勢い。しかし、大型店舗のお陰で、一部のメーカーは潤いが続く。



機械がこの業界で売れなくなった時、メーカーは初めてこの業界はホールとメーカーが同体だったことを再認識する。その時期はもう直ぐかも知れない。



この先、日本の経済状況はどうなるのか?

少子高齢化がどの様に影響するのか?

今回の民主党の政策で、どこまで出生率が上がるのか?

また他の影響でどこまで、パチンコ人口が増えるのか?



もし来年から、景気が上向きになり好景気になったと仮定した場合、機械価格は安くは成らないだろう。



ここが重要点である。



つづく





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