「われわれは機械代を高く設定することに対して恐れていたのかも知れない」とは、あるメーカー幹部の本音だ。
それが、あるメーカーのある機種の販売価格から、徐々にその恐れが薄らいだ、という。「高くても売れる」と証明された瞬間でもある。
私の知人が機械評論家のセミナーを聴講した。その中で機械代の高騰はなぜ起こったかという話題になった。
その経緯を得々としゃべったようだが、一部整合性がなかった、という。
理由は私が彼に話した内容と食い違うからである。
このシリーズの最初にも書いたことだが、簡潔明瞭に書くとこうなる。
「機械の価格が高くても、ホールが購入するから価格が高い」
機械代高騰の理由は単純明快。理由はこれだけである。
他の理由はここから派生しているだけ。
パチンコメーカーは“ある条件”を満たせば、機械が高く売れることに気がついたのだ。
その図式を分かりやすく説明したい。
1980~1990年代に日本国内で販売されていた輸入車で、日本での販売価格が1000万円だったある高級車がある。現地での価格は400万円。
1988年日本国内希望小売価格700万円の輸入車は、米国では400万円で販売されていた。そのため、当時は並行輸入が盛んに行われていた。
1987年に日本国内で販売されていたある海外自動車メーカーは、日本国内宣伝経費÷国内販売台数=50万円。平均販売価格550万円のメーカーは、1台当たりの宣伝費は約10%であった。
これこそ今のパチンコ業界にあてハマル。
当時の輸入車はある程度価格を上げて、ステータスを保つ販売手法をしていたのだ。今でもその傾向は残る。
メルセデスもBMWも海外ではタクシーになっている。日本国以内で高級車として販売されているクラスの、タクシー仕様がゴロゴロ運行されているのだ。
日本国内では内装など高級仕様として販売されているが、その分を考慮しても、日本での販売価格は高い。
輸入車メーカーは、日本国内で高く売れるから売るのである。これは自然の流れである。
その価格高騰の裏に必ず出てくるのは、隙間を突いた商法である。輸入品なら並行輸入だ。
パチンコメーカーなら、機械の再利用再販売などなど。
今、機械の高騰に悩むホール企業が多いが、機械代はまだまだ下がる事はないだろう。
この不況で価格が下げられる傾向が発生すれば良いのだが。
売れるから下げる必要はない、と考えるのは自然の流れ。弱小メーカーも上位メーカーが高い価格で販売してくれるので、自社製品の開発や販売成績に貢献してくれている。
メーカーも本音でこの様なことは言わない。
一流メーカーの32型液晶テレビが5万9800円で買える時代、パチンコ台は30~35万円だ。
つづく
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パチンコ業界雑感シリーズNo.2・・・パチンコ機発展に必要な経費とは?その②
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