戦後、荒廃した日本で庶民の娯楽として復活したパチンコは忽ち大ブームになる。この人気にあやかってパチンコ景品であった「タバコ」の換金行為をする「買人」が、客とパチンコ店の仲介役として利ざやで利益を出す者が登場するようになる。
この換金行為に目を付けた暴力団が介入してくるようになる。タバコの換金行為をたばこ専売法違反で規制したが、買い取るパチンコ景品がチューインガムや砂糖に取って替わる。
景品換金利権を巡る抗争が激化する一方だった。暴力団を締め出す方策を模索した結果、元大阪府警の警察官だった水島年得が考案して誕生したのが3店方式だった。暴排と戦争未亡人や身障者寡婦の雇用目的に買い取り業務を大阪身障者未亡人福祉事業協会という第三者を立てた。やがては「大阪方式」と呼ばれ、全国へ拡大して行った。
3店方式の簡単なおさらいが終わったところで、60年以上も経つ3店方式も初期の役目は遠の昔に終えている。つまり、暴力団排除は最後まで暴力団が抵抗していた東京がTUCによって完遂したことで、暴排名目の3店方式は、警察のさじ加減一つでなくなる可能性だってある。
そもそも3店方式の元祖である大阪方式が経営破綻してしまっている現状を鑑みると、制度疲労も甚だしいところまで来ている。地方の過疎地では特殊景品の景品問屋の経費も出ないので、自ずと自家買いが行われたりする。
「われわれ問屋の手数料は22銭(100円に対して)ですよ。今、コンビニのセブンイレブンで1日の売り上げが65万円ぐらいですが、これに及ばないホールさんもありますからね。景品交換所の手数料が60銭ですが、われわれ問屋は微々たる手数料でやっていますから、ホールの売り上げが減れば自ずと苦しい経営になります」(景品問屋関係者)というように、窮地に立たされている。
「土方殺すにゃ刃物はいらぬ雨の三日も降ればよい」をパチンコ業界に置き換えると「パチンコ屋殺すにゃ刃物はいらぬ3店方式を止めればよい」ということになる。
いつまで3店方式が認められているか。サラ金のグレーゾーン金利と3店方式がダブって見える業界人もいる。突然、国の方針が変ってグレーゾーン金利が廃止となり、利息の過払い請求から、サラ金最大手の武富士は経営破綻に追い込まれた。
戦後の復興期に認められた3店方式も60年以上の時を経て、IT時代にそぐわなくなっている。やはり風営法から脱却して、パチンコは遊技ではなく、ミニギャンブルと位置付け、パチンコ業法の下に換金も3店方式などという前時代的な方法ではなく、もっとIT技術を介したものにしなければならない。

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出玉を数えて賞品を渡す→合法
得た賞品を売る→合法
合法的手段の組み合わせで違法な結果を得るのは脱法ですね。
換金業務は直ちに違法でないと警察は言いますが、合法的な手段の組み合わせで人が死んだり、薬物中毒が発生したりしても「知らない」なんて言うのでしょうか。
昨日まで見逃されたことが、明日も見逃されるとは限らない。
ピンバック: 換金が行われていることは存じません
天の釘 鈴木笑子 著 より
ピンバック: 景品業2代目
過去の組織犯罪でも大丈夫でしたし、そもそもマスゴミがほとんど報道しませんでしたので一般人はいまだ知らない人が多いでしょう。
これからもヤバい事があっても警察や政治家の圧力によって報道されずに終わるでしょうから三店方式にメスが入る事はほぼ無いと予想できます。
ピンバック: 名無しの権兵衛
ピンバック: 監禁できてのパチ