パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

120人の捜査員で臨んだ摘発劇の真相

このエントリーは13年前に書いた業界回顧録だが、兵庫県知事選を含めた問題にからめ、このホールのことが改めて兵庫県が抱える闇だった、ということで一部の週刊誌が注目している。このホールのことを糸口に週刊誌は本丸に迫る?

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今では考えられないやりたい放題のホールがあった。

業界回顧録として残しておく…。

兵庫県警姫路署には「警察の目は節穴か! あんな無茶な営業を放置するとはそれでも警察か! 警察はパチンコ屋から金でも貰ろうとんのか!」と匿名の市民からの電話が入ったことは一度や二度ではなかった。業界内でも「あの店のことは絶対に書かないほうがいい」と忠告が入った。

500台オーバーの大型スロ専は、不正改造を行えば一発営業取り消しになる時代に裏モノ天国だった。大人しいジャグラーでさえ、爆裂連チャン機だった。裏モノが打てることから駐車場には岡山、高松ナンバーの車も珍しくはなかった。

そうした違法営業を兵庫県警は何年も放置していた。

警察も舐められたものだ。夏場の猛暑の中。新台入れ替えの検査へ行っても、店内のクーラーも電気も消しての対応で、警察を迎え入れる姿勢はなかった。担当官は蒸し風呂状態の中、汗だくで検査させられた。

健全化推進機構の立ち入り調査で黒と判定が出た。警察の威信にかけて2年前の夏、ついに摘発に乗り出した。捜査対象は当該スロ専と系列のホール2店舗、通常この規模であれば捜査員は10名程度だが、今回のケースでは120人もの大量捜査員を投入した。

家宅捜査は開店前に行われた。

警察官が捜査令状を見せるが、中からは「鍵はおまへん」と相変わらず舐めきった態度である。

捜査員もそんな抵抗は先刻承知で、エンジンカッターでドアを蹴破った。すぐにスロットの基板を調べた。ロムの足が切れている。

「全部めくれ!」と号令が鳴り響いた。

基板の裏にもう一つの基板が隠されていたりやりたい放題だ。押収した550台中、370台が不正機だった。

警察の捜索が始まって、それまでいた従業員の姿がいつの間にか消えていることに気づいた。店内を調べると島の中に人一人が通れる通路があり、柱の中に2階に上がるはしごが隠されていた。

捜査員もそのはしごを伝って2階に上がった。事務所のドアは暗証番号になっている。

警察が「開けろ!」と怒声を上げても「忘れました」。

捜査に協力する姿勢は1ミリもない。

捜査員が2階の事務所に入って一番驚いたのが、壁が隠し扉になっていたこと。ニンジャ屋敷のように壁がひっくり返り、駐車場へ逃げられる仕掛けが施されていた。

いつでも逃げられる用意だけはしていた、ということだ。

今回の不正機の摘発で5人が逮捕され、営業許可はもちろん取り消された。別件の恐喝容疑で指名手配されていたオーナーも逮捕された。



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1円で諦めたホールが1円で復活

昔のことを訪ねて、そこから新しい知見を導く。名付けて業界温故知新。何らかの参考になれば幸いだ。

以下本文

地域に1円パチンコがない時期に一足先に1円を導入したホールがあった。いざ蓋を開けてみると思いのほか、稼働は上がらなかった。どうせ、稼働が上がらないのなら「4円に戻した方が、売上げが上がる」と迷走しているホールから立て直しの話が来たのは、2009年3月のことだった。

1円を先行導入して息を吹き返したホールが各地に現れている時期でもある。

しかも、この地域で1円を導入している競合店がないにもかかわらず、1円でお客様が付かないのは、何か原因があるはずだ。

機種構成を見てすぐに分かった。機種選定は機械代の安さだけを重視。その結果、1円客のニーズに合った機種が少なかった。機種構成は1円ユーザーの心理と地域性にマッチしたものに組みなおした。

最初に1円を始めた時は消極的な転換だった。設備投資は極力抑え、1円用の玉貸し機は島端にあるだけだった。

これではユーザーにすれば利便性が極めて悪い。

最低限の設備はお客様に提供しなければならない。そこで中古サンドを導入してもらった。

ホールを運営する現場スタッフのモチベーションアップも欠かせない。事前に従業員に店のいいところ、悪いところをアンケート形式で書いてもらって、問題点を浮き彫りにして、改善していった。

従業員のモチベーションを妨げる要因として、職場環境の中でも対人関係に起因していることが少ない。ここが改善されなければ、ギクシャクしてチームワークが取れない。

職場環境が悪くなる原因は、問題となる従業員が必ずいるもので、その改善にまで踏み込む。

店内ポップも重要だ。

ただ、適当に張ればいいというものではない。お客様目線立ち、お客様が分かりやすいことが一番だ。このあたりのノウハウも指導していく。

次は釘だ。

新たな交換個数に合わせ、1台ずつ3日間かけてやり直した。それらの準備が整ったところで、事前チラシを打った後、いよいよオープンだ。

以前は数えるぐらいのお客様しかいなかったホールの稼働が、一気に2万7000稼働まで上がった。

稼働が安定したところで、次なる設備投資として貯玉再プレイシステムを導入して顧客の囲い込みを図った。

1円パチンコには貯玉再プレイシステムは必須アイテムでもある。

稼働、売上げが安定してくると財務も安定してくる。銀行もリスケに応じてくれ、経営者も精神的に楽になってきた。

お客様は中古でも機械入れ替えを待っているので、入れ替えは行う。ただし、機械購入費は1台5万円まで。それ以上の機械は買わない。

財務を圧迫する機械代を抑えながら、稼働を上げていくことで赤字ホールが黒字ホールへと生まれ変わった。


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遊技中に倒れた常連客が残した財産の行方

ある高齢の常連客が遊技中に突然倒れた。顔は紅潮しており、あたかも酒を飲んだかのような状態だった。

店長はすぐに救急車を手配した。この時、主任も一緒に病院へ同行した。病院に到着する頃には危篤状態にあった。医師に「家族を呼んでください」と言われたが、常連客であること以外に、家族の連絡先を知る由もなかった。

一人暮らしで、身寄りがないと思われた。オーナーの指示により店長が保証人としてのやり取りを任されることになった。何をするべきかも分からない中で、常連客は病院で息を引き取った。

死後の手続きは店長が関与することになり、火葬までに立ち会うことになった。

常連客の住まいを確認するために、会員カードの情報から住所を調べた。その結果、小さなアパートの6畳一間で生活をしていたことが判明する。

部屋には遺言状が残されていた。そこには「自分が倒れて最後にお世話になった人にすべてを譲る」と記されていた。 

現金で9000万円が残されていた。これほどの大金が残されているとは、誰も思わなかった。

この場合、遺言状に則り、たとえ親族が見つかったとしても、正式な手続きを経て、店側にその権利が移るのだろうか? これは法律上の問題であり、実際にどのような解決が行われるのかを考える事例である。

遺言状の有効性が確認されれば、ホール側に財産の権利が移る可能性はある。ただ、法的にはいくつかの条件を満たす必要がある。

まずは、遺言状が正しく作成され、公正証書や自筆証書遺言の形式を満たしていることが求められる。

次に、遺言内容が法に反していないこと、特に遺留分権利者が存在する場合、その権利が侵害されていないかどうかが重要だ。

もし親族が見つかって、遺留分の請求を行えば、その分は保護される可能性がある。ホール側が遺言に基づいて財産を取得するために、遺言執行者の指定や、法的な手続きを適切に進めることが必要になる。最終的には、裁判所の判断によって権利が確定されることが多いようだ。



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50年後、パチンコは消え、スロットは生き残る

当たるも八卦当たらぬも八卦。占いは当たることもあれば外れることもあるので、気にする必要はないという意味のことわざだが、シンクタンクが発表する「50年後になくなるもの」もその一つ。

この類は日報でも何度か取り上げてきた定番のエントリーだが、今回のレポートによると、50年後になくなっているものの一つにパチンコが挙げられている。しかも4段階評価で◎本命。だから確実になくなっている、という予測だ。

備考欄には但し書きが付く。パチンコはなくなっているが、パチンコとは違う遊技機がパチンコホールの中に設置されていて、風俗営業の中で生き残っている可能性はある。しかも、パチスロは間違いなく生き残っている、とされている。その理由はカジノのスロットマシンの派生形であるパチスロは、パチンコと違って外国人客でもとっつきやすいというのがその理由だ。

警察から釘調整が違法と言われている以上、釘調整によって利益コントロールができる釘のあるパチンコが50年後も生き残っているとしたら、その方が不思議だ。

「パチンコというネーミング自体のイメージが悪すぎる。いずれ、パチンコは消えると思われるので、今からでもパチンコに代わるネーミングを業界は真剣に考えるべきだ。遊技人口が増えないのはパチンコのネーミングにも起因している」(シンクタンク関係者)

ネーミングでイメージを変えた業界と言えば、すぐに思い浮かぶのがソープランド業界だ。かつてはトルコ風呂と呼ばれていたが、トルコから日本へ留学していた青年が、国名を特殊浴場のネーミングにするのは「不愉快」と厚労大臣に直訴したことから、大騒ぎとなり、特殊浴場協会が、一般公募で新たなネーミングを募集したのが昭和59年のことだった。

応募で一番多かったのは「ロマン風呂」だったが、最終的には「ソープランド」だった。ソープとは石けんのこと。直訳すれば「石けんの国」。「清潔で明るいイメージがある」というのが選ばれた理由らしい。前年に東京ディズニーランドがオープンしていた。「大人の遊園地」という意味合いもあったのだろう。

パチンコ業界では新規顧客の開拓は喫緊の課題になっているのだから、全日遊連でパチンコ・パチスロ業界を一括りにした新しいネーミングを公募してみるのも一つの手だろう。

最近、遊技組合で〇〇県パチンコ・パチスロ協同組合、と名称変更する動きがあるが、これが長ったらしい。確かに遊技業では一般の人からは何の組合なのか分かりにくいので、変更したようだが、短く言い表されて、どんな業種なのかが分かる新名称が欲しいところだ。

パチンコに代わる明るいイメージのネーミングにするだけで、業界のイメージが変わる。


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逆張り戦略が鍵? 低価格交換で魅せるパチンコ店の新たな挑戦

全国で318店舗を展開するディスカウントストア「トライアル」の逆張り戦略が注目されている。

一般的なスーパーは物流やレジ運営などを外部に委託することで効率化を図っているが、トライアルはこれに逆行し、多くの業務を内製化している。管理を自社で行うことで、外部委託費を削減しつつ、効率的な管理を実現している。

多くのスーパーが人件費削減のために営業時間を短縮する中、トライアルは24時間営業を維持している。その背景には、独自開発の「スマートカート」の導入がある。このカートはレジ機能を搭載しており、顧客が商品を選びながらその場で計算できる。その結果、レジスタッフの人数を抑え、人件費を20%削減することに成功している。この効率化が、24時間営業の維持を可能にし、真夜中でも買い物をしたい顧客のニーズに応える強みとなっている。

さらに驚かされるのは過疎地への出店だ。都市部の様にライバルとの激しい競争にさらされることもなく、過疎地ではトライアルが唯一の総合スーパーとなり得ると共に、それは地域の生活基盤を支える社会貢献でもあり、企業イメージのアップにもつながる。


また、過疎地では土地の取得や建物の賃料が都市部に比べて安いため、初期投資が抑えられるというメリットがある。

過疎地出店戦略は、物価高や人口減少の中でも収益性を維持する新しいビジネスモデルとして注目される。

この逆張り戦略をパチンコ業界に置き換えた場合、等価交換が主流となった現状において、低価交換が新たな可能性を示すことができるかも知れない。

現在、多くのホーは等価交換を採用している。低価格交換では、スロット営業で設定を入れ、パチンコ営業ではストレスを与えない千円スタートを提供することができる。

等価交換に慣れたユーザーは、低価交換は換金した時に少しがっかりするかも知れないが、その分、勝ち体験を増やすことができる。ユーザーが「勝った」ということを実感することで、集客力を高める効果が期待できる。

では、低価格交換を活用した店舗が成功するには、どのような工夫が必要だろうか。一つは、明確な差別化ポイントを打ち出すことだ。例えば、「○○店は出玉がすごい」という口コミを根拠に、大量出玉をアピールする戦略広告を展開する。得られるポイントを活用した特典や、地元商店と提携したオリジナルの景品導入も考えられる。

これにより、ただ「玉を交換するだけ」の遊技ではなく、地域に密着した景品を提供する店舗として価値を高めることができる。

逆張り戦略にはリスクも伴うが、それを成功に導く鍵は、他店が無視している潜在的ニーズを掘り起こすことだ。トライアルが「安くて便利」というニーズを突いたように、低価交換を採用するホールもまた、「出玉感」や「勝ち体験」といった要素を強調することで、新たな顧客層を取り込む可能性が出てくる。

等価交換が当たり前の時代だからこそ、低価交換という選択肢が逆に考えられる。


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