パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

市場浸透戦略

前回は、プロダクトライフサイクルの中で、一般の多くのお客様(アーリーマジョリティとレイトマジョリティの68%の方々)を機種のファンにしていく考え方についてお伝えしました。

ロングヒット商品を作るには、プロダクトライフサイクルの段階でイノベーター理論の顧客タイプをイメージしながらプロモーションを変えていく必要があります。

その為には、お客様が「打ってみたい」と思うメリットや面白いポイントなどの価値提案が必須となります。

ヒット商品は多くのお客様が支持することでロングヒット商品に変わるので、機種を導入してからの市場浸透戦略はとても大切な活動です。

今回は『市場浸透戦略』について、もう少し深掘りしてこうと思います。

ランチェスター戦略では、前回の内容は市場参入戦略編の考え方になります。

新機種を導入するという点では、常に市場参入の考え方から始まり、その商品をどのように多くのお客様に浸透させてストック系機種(長くファンが遊技してくれる機種)にしていくか、新機種導入からの課題になります。

もちろん、浸透させるための取組みをしたとしても支持されない機種は多数ありますが、何もしなければ“台とお客様のつながり”を、お客様任せにすることになってしまいます。

それでは販売促進を全くしないことになってしまうので、お客様は「知らないから遊技しない」という結果をそのままにしておくことになります。

機種によって適切な価値提案を行い、市場のお客様に浸透させていくにはいくつかの視点で考える必要があります。

①4P・1P・20S・5Sなど、レート毎にお客様が求めていることの傾向
②コンテンツとお客様の年齢層のマッチング
③スペックとお客様の遊技スタイル(投資時間・投資金額・期待するもの)のマッチング

もちろん、機種の確率帯やAタイプやATなども③に含まれます。

ミドルのP牙狼やPガンダムユニコーンが、継続率80%以上で右打ちオール1500個のスペックで人気となっていますが、①~③を考えていくと、全てのお客様が求めているわけでは無いが、浸透戦略を実施することで現状支持しているお客様の人数よりも増えていく可能性は当然あります。

支持するお客様の人数が増えれば増えるほど、そのカテゴリーの設置比率は増やしていくことが可能になりますが、浸透戦略を行わなければ次の同スペックの機種が導入されることで、以前の機種がプロダクトライフサイクルの衰退期へ早々に向かってしまいます。

このような機種を①~③の視点で見ていくと、どのようなことを求めるお客様が支持しているのかも仮説が立てられます。

その求めることが、お客様が機種に期待することなので、それを感じさせる価値提案のプロモーションで継続してファンを増やしていくというのが浸透戦略になります。

また、同タイプの機種が導入されるときは、導入する前から「打ちたい」と思うお客様の絶対数を増やす事前告知の価値提案を行うことで、初動からの支持率も高まります。

機種の市場浸透戦略というものは、店舗営業において重要な取組みです。
皆様のお店では、どのような取組みを行っていますか?
今回の内容が参考になれば幸いです。





顧客ニーズと顧客ニーズ創造

前回はプロモーションについて、ロングヒット商品を作る挑戦などについて書きました。

プロモーションは、あくまでも販売促進の結果が重要で、物販であれば『商品が売れるところからリピートする』という結果を生み出すことが目的です。

また、ロングヒット商品の特徴として、『多くの人が購入し利用している』というものがあります。

もちろんニッチ商品で一部のコアファンによってロングヒット商品になっているものも存在しますが、パチンコやスロットの機種をロングヒット商品にしていくには、“多くの人”が機種のファンになることを目指すプロモーションや営業活動を行う必要があります。

私が営業活動でプロモーションを考える際に、大いに役立っているのが≪プロダクトライフサイクル理論≫です。
1950年に提唱されたものなので古典的な理論と思われるかもしれませんが、商品の投入から衰退の流れに関しての原理原則だと思います。

ランチェスター戦略では、『導入期・成長期・成熟期・飽和期・衰退期』の流れの中で、それぞれ何を行うべきかを考えます。

この、プロダクトライフサイクル理論にイノベーター理論を加えて、お客様のタイプ別のプロモーションを考えて実践します。

イノベーター理論も1962年に提唱されたものですが、実際に顧客タイプを意識してプロモーションを行うと古典的な理論とは言えない成果が生まれます。

イノベーター理論は、顧客タイプを『イノベーター(2.5%)・アーリーアダプター(13.5%)・アーリーマジョリティ(34%)・レイトマジョリティ(34%)・?ガード(16%9)』という分類をしており、それぞれのタイプで購入の意思決定や姿勢が異なるというものです。

ロングヒット商品を作るために、“多くの人”が機種のファンになってもらうことが課題になりますが、イノベーターとアーリーアダプターと呼ばれる16%のお客様は、自ら情報や意思決定を行い判断する積極的なタイプで、アーリーマジョリティとレイトマジョリティと呼ばれる68%は、情報は受け身だがリスクを負いたくない(損をしたくない)受動的なタイプと言われます。

“多くの人”に機種のファンになってもらうには、68%のお客様に機種を浸透させていくプロモーションや営業活動が必要になります。

この68%のお客様は、『先に利用している人の評価』で判断する傾向があります。
よって、新機種導入時のプロモーションから、68%のお客様に浸透させる場合は、遊技した人の感想や声というのも合わせて訴求すると効果が高まる傾向があります。

ネットのプロモーションでも、芸能人などの有名な方の声や、利用した人の人数、成果などをコピーライティングに盛り込むのは上記の理由です。

さて、今日のタイトル【顧客ニーズと顧客ニーズ創造】ですが、既に顧客ニーズがある商品に関しては、『〇〇と同じスペック』という言葉などを入れると、68%のお客様もスタート段階から興味関心を持ってくれます。

より多くのお客様が新台導入から「打ってみたい」と思うようにプロモーションを行うと、初動からの稼働が高まります。
逆に、顧客ニーズが無い商品価値の機種(新しい特徴やスペックなど)に関しては、その商品の遊技価値を訴求しながら、68%のお客様が「打ってみよう」と思うような流れをイメージしてプロモーションを考える必要があります。

いろいろチャレンジして、成功したケースや失敗したケースは多々ありますが、顧客ニーズがあるものはしっかりと継続訴求しつつ、新たな顧客ニーズ創造を価値提案でチャレンジしていく両輪が大切です。




人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

プロモーションで実現するコト

今回はプロモーションについて触れていこうと思います。

出来ているようで出来ていないプロモーションですが、プロモーションで実現するコトは、“お客様が「打ってみたい」”と思うまでの流れを作ることです。

スーパーであれば、「あっ、なんか美味しそう」「こっちのほうが良さそう」という、何かしらの価値を感じて購入したくなる価値提案までの流れです。

例えば、永谷園のお茶漬けは超ロングセラー商品ですが、お店に置いておくだけでロングセラー商品になったわけではありません。

定番の、ご飯に振りかけてお茶漬けで食べる方法だけでなく、様々な食材を足して豪華なお茶漬けにしたり、スパゲッティで使うアレンジレシピなど、売り続けるための工夫とプロモーションを継続して行っています。

もちろん、超ロングセラー商品なので年配の方も知っている商品ですが、若年層のお客様にもアプローチして新規獲得を継続しなければ衰退商品になってしまいます。

さて、ホールのプロモーションはどうでしょうか?

例えば「海は年配のお客様が打つもの」という思い込みで、店内装飾は充実していますが若年層へ海物語シリーズの価値提案は一切為されていません。

現状のお客様を分析した場合は、確かに年配のお客様が打っているという事実はありますが、海シリーズがヒットして(前身はギンギラパラダイス)から20年以上のロングヒット商品です。

ロングヒット商品には必ずお客様が認めて下さる商品価値が潜んでいます。

簡単に言えば、海物語シリーズの面白いところや良いところ、お客様の楽しめるメリットは何かを探り、新規の海シリーズファンを獲得する取組みに活かさなければ、ロングヒット商品と言えども衰退商品になっていきます。

ホールのプロモーションで実現することは、いつもコラムに書いていますが“台とお客様をつなげる”ことです。

その為には、基本的なAIDMA(アイドマ)の流れを作ることで、お店が取組める『A(アテンション=注意喚起=「おやっ、何だ?」)・I(インタレスト=興味関心=「へぇ~、そうなんだ」・D(デザイア=欲求喚起=「面白そうだな!」))を実現するプロモーションに変えることです。

大工の源さん韋駄天ミドルに関しても、牙狼やガンダムユニコーンが8月頭に導入されるまでは、1年以上に渡ってお店の稼働を支えてきたヒット商品です。

牙狼やガンダムユニコーンが導入されて、それまで韋駄天を打っていたお客様が韋駄天を打たなくなったということは事実ですが、これは人気のミドル機設置台数に対してお客様の絶対数が不足している状態です。

需要と供給の関係の中で、供給が需要を超えれば稼働は低下するという当たり前のことが起こるなら、お店がやるべきプロモーションは、『更に韋駄天のファンを増やす取組み』に挑戦することです。

敢えて『挑戦』としましたが、新規顧客獲得は常に『挑戦』です。
上手く行く場合もあれば行かない場合もあります。

それでも、ヒット商品というのはお客様にとって何かしらの遊技動機となる価値が存在していた結果です。
諦めて新規獲得のプロモーションを止めればそこで終わりです。

韋駄天などの継続率90%というものは、継続率80%と比べれば10%の差しかありませんが、80%と90%では平均大当り回数が5回と10回という2倍の差になります。

このようなことをプロモーションし続けることで、新規顧客獲得を目指していくというプロモーションがとても大切です。
これから継続率80%で右打ちオール1500個の機種が増えてくるとき、牙狼やガンダムユニコーンも衰退商品になってしまうか、新規ファンを増やすことが出来るかはお店次第になります。

私のコラムをお読みの皆様のお店では、新規ファンが増えるプロモーションに挑戦し続けて欲しいと思います。




人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

機種のセグメントを工夫する

このコラムの大きなテーマは『お客様と店舗を繋ぐ魅力づくり』ですが、絶対条件としてのつながりは、“台(機種)とお客様のつながり”になります。

好きな機種、楽しめる機種のレパートリーがあるからこそお店に足を運んで下さります。
そして、機種とのつながりだけでなく、自店で遊技してもらう取組みも必要です。

『お客様と店舗を繋ぐ魅力づくり』の絶対条件となる“台とお客様のつながり”を作るには、「この機種は面白そう」と思える取組みが欠かせないものになります。

分解という言葉を辞書で引くと、『一つに結合しているものを要素や部分に分けること』とあります。
全体で見ると分からないが、分けると解るようになります。

店内では大きな分け方として、『パチンコ・スロット』『4P・1P・20S・5S』『ミドル・ライトミドル・甘・ハネモノ』『Aタイプ・A+RT・AT・A+AT』のように分けているケースは普通に見られます。

ここまででお客様が『分かれているがどこまで解っているか』を考えると、あくまでもパチンコだと機種の確率帯、スロットだと大まかなタイプまでとなります。

機種に詳しいお客様であれば、これで好みの機種を探せるかもしれませんが、“台とお客様のつながり”を作る販促物は、基本的にあまり機種に詳しくないライトユーザーのお客様視点で実施する必要があります。
よって、ここから更に機種のセグメントを工夫する必要があります。

現在は、パチンコもスロットもバラエティ機種が増え、機種もいろんなタイプがあるのでライトユーザーの方々からは「複雑」に感じられます。

パチンコでは機種の確率帯から更に、『1種2種・ST・V確ST・大当りのラウンド数・継続率・・・・・』とさまざまな特徴の機種に分かれていきます。

スロットは、純増枚数やチャンスゾーン経由、コインの増え方などさまざま過ぎて、私も台を見ただけでは「どんな機種だっけ?」となります。

そこで、確率帯や大まかなタイプから、機種を更にセグメントしてお客様が好みの機種と出会えるためのサポートであり、販促物が必要になります。

完全に理解できる販促物ではなく、あくまでも興味関心が湧き、「面白そう・自分に合いそう・打ってみたい」という気持ちを生み出すところまでです。

さまざまな機種があるので、これをやれば上手くいくというものではなく、セグメントの仕方の工夫を常に実施してお客様に訴求していくものです。

例えば、私がクライアント様と実施して比較的反応が良かったのが。『短時間でも楽しめる』というコーナー訴求です。
これはライトミドルと甘デジのコーナーで、1種2種の機種を集めて訴求しました。

現在だと、継続率90%オーバーコーナーなども作れます。

継続率は80%だと平均大当り回数が5回、90%だと10回になります。
継続率はたった10%の違いですが、継続回数は2倍になるので、このような内容もお客様に訴求したりします。

これ以外にも、どうセグメントをし、その特徴をどのように訴求するかを工夫してお客様の機種選びのサポートをする。
どんな工夫が出来るか、皆様もぜひチャレンジしてみてください。(訴求時の表現方法はお気を付けください)



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

増客プロセス設計の中の“既存顧客リピート”

前回は増客プロセス設計の概略をお伝えしました。

今回は、現在の状況を踏まえて増客プロセス設計の中でもお店として土台にしていくべき内容の“既存顧客リピート”の取組みについて触れたいと思います。

現在もコロナ禍の中での新規則機移行が続いていますが、新規則機への移行や普段からの新台入替、検定や認定切れによる機種撤去というのは、お客様が好きだった機種が無くなり、次の来店動機となる機種のレパートリーが探せない状態となったときに『撤去離反』が起こります。

コロナ禍でしばらく離反している休眠ユーザーのお客様にとっては、長い方で既に1年6ヶ月も来店されていないというケースもあります。

戻られた時には、1年6ヶ月前に好きで遊技していた機種が撤去されているということもあり、更には今現在の人気機種や流行りの機種なども知らない状態です。

もし、来店したときに好みの機種と出会えなければ、「なんかいろいろ変わって良く分からない」「面白いものが見つからない」という気持ちになり、せっかく来店して下さってもそのまま離反してしまう可能性があります。

増客プロセス設計の中の“既存顧客リピート”を促進するためには、『自店に繰り返し来店してくれるお客様に、更にお店との関係性を深めてもらう』ということを目指す必要があります。

リピートして下さるお客様は心理的に“つながりの深さ”という関係性が異なります。
よって、ざっくりと、①関係性が薄い ②関係性が中くらい ③関係性が深い という3段階に分けて施策を準備します。

何の“つながり”を深めて頂くかと言うと、“5つのつながり(お客様と台・お客様とスタッフ・お客様とお店・地域とお店orスタッフ・お客様とコンセプト)”で、前述した撤去離反を起こさない、来店動機となる好きな機種(台とのつながり)が、特にリピートのお客様にとっても重要なものになります。

①の関係性が薄いお客様の場合、他店にも行っていたり、月の来店回数が少ない傾向があるので、自店の台とつながって頂くために、機種を知って頂き好きな機種が見つけられる施策を準備します。

当然ですが、他店との競合機種に関しては、他店と相対的に比較されたときに選ばれるための状好ましい状態ということも検討します。

それ以外にもありますが、①のお客様が②の関係になることを目指します。

②の関係性が中くらいのお客様は、スタッフの方と会話ができる関係になっているとしたら、直接スタッフさんの会話で機種の案内なども可能になります。

また、人間的な部分で「知ってくれている・分かってくれている」という気持ちになる価値提供の取組みも重要になります。

そのようなことを施策に盛り込んで、③の関係になることを目指します。

③の関係性が深いお客様には、これからも楽しみ続けて頂くために、会話も普段から可能なので、個別の対応を実施しながらも好きな機種が常にある状態のサポートや、「お店にとっても大切なお客様」という人間的な喜びも提供する施策を準備します。

ざっくりとですが、お店でたまたまリピートして下さるのを待つのではなく、コロナ禍での新規則機移行段階だからこそ、現在来店して下さるお客様にこれからも来店して頂くための取組みが出来ているかを振り返って見直すことが重要です。
新規獲得も欠かせない施策ですが、新規のお客様が来店したら、そこからリピートして頂く為の準備も両輪として大切です。




人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。