台入れ替えを簡略化させるための金具である大工マン。

予め大工マンを台枠に取り付けておけば、後は従業員でも簡単に台入れ替えができる。4号機から5号機へ移行する時代、経費節減の一環で島大工の外注費を抑えるために注目されるようになった。
6月1日から健全化推進機構の立ち入り検査で、釘調整問題が一段と厳しくなった今、大工マンがセル盤で正確な傾斜が取れることから釘調整をすることなく、傾斜角度だけで営業計画が立てられる、ということで再び関心が集まっている。
「島工事と台入れ替えを専業としていたので、傾斜によってデータが変わることは以前から分かっていました。今でも大半のホールさんが枠で傾斜を測ってビス打ちしているんですが、この方法では、30キロもある台を取り付けると、その重量で傾斜は狂ってきます。3分5厘だったとしても改めて測るとバラバラです。ホールは3分5厘と思っても、傾斜のバラつきから統一ゲージを採用しているホールで、データにバラツキが出て、スランプが起こる原因になっていました」と話すのは大工マンの総発売元の
東京NSYの豊田吉秀取締役社長。
大工マンは台を取り付けすべての重みが整った状態で、セル盤で正確な傾斜が測れるようになっただけでなく、昨年9月に発売された「大工マンEvolution」は、幕板を開けることなく、傾斜調整専用ドライバーを差し込む方法に変わったので、セキュリティー面も強化され、より簡単で楽に傾斜角度を合わせられるようになった。

データ管理を徹底しているホールでは、傾斜角度を全台揃えることの重要性に気づき、傾斜を揃えている。
「傾斜のバラつきによってアンフェアな遊技環境になっていたことが分かった。お客様にフェアな遊技環境を提供するために、全店導入に踏み切りました」(中堅ホール社長)
現在は大手や中堅ホールでの導入が進んでいるが、未だに9割は台枠で傾斜を測っているのが現状だ。
では、傾斜角度を変えるだけでどんな変化が現れるのか?
昨年12月1日から1カ月間「牙狼金色になれ」(20台)を釘調整は一切行わず、傾斜だけで調整した実データがある。
平常はで3分5厘で営業。土日は3分に変えた。するとスタートやベースなどに変化が現れた。
スタートでいうと3分5厘の平均が5.36回とすれば、3分では5.25回に変わった。約0.1回だが釘調整と同じ効果が傾斜角度を変えるだけで得られた。
注目すべきはスタートやベースだけではない。同時に確変中のベースでも、3分では-0.5、特賞1回の平均出玉でも-5個前後という結果が得られている。
つまり、トータルに見て、傾斜の影響は絶大であること分かる。
パチンコ台は設置するときに1度以内の傾斜を付けているが、保通協の型式試験でも同様の傾斜が用いられている。
1度とは傾斜器で測定しなければ分からないほどの極わずかな角度だが、それが傾斜によって変化する。
パチンコ台の高さは約809mm。1分傾くと上点と下点の距離が3.03mmとなる。
4分5厘では3.03×4.5=13.635mm
3分5厘では3.03×3.5=10.605mm
3分では3.03×3.0=9.09mm
これらを角度計算すると次のようになる。
4分5厘
DEGREES(角度)(ATAN(809/13.63)=89.03442で内角は約89.03度で、つまり0.97度寝ていることになる。
以下
3分5厘=0.75度
3分=0.64度
傾斜角が非常にシビアな数字だということが分かるが、これを台枠で測っているということは、未だにどんぶり勘定で営業していることにも等しい。最低限セル盤で正しく傾斜を合わせることが、パチンコ営業の基本中の基本ともいえる。
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