パチンコ日報

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野菜で離反を防ぐ

ライターや芸能人イベントが集客目的とすれば、ヴァカボが運営する365マーケットはリピーター作りや離反目的のサービスといえる。

365マーケットとは生産者の顔が見える産直商品を全国から探しだし、野菜ソムリエや食の専門家の人たちとともに、分かりやすくお客様に伝え、ダイレクトに販売する通販サイトで、ここで仕入れられたものをホールの屋台イベントで販売する。

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ただ、野菜を販売するだけでなく、野菜ソムリエ(オプション)が常駐して野菜の美味しい食べ方やレシピを紹介してくれるのが特徴だ。

野菜ソムリエは、日本野菜ソムリエ協会の認定ソムリエで、時には、契約農家の畑に赴き現地リポートを書いたりする。

野菜は農薬に頼らない農法に拘っている契約農家から直接買い付けている。

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野菜を販売する場所はホールの駐車場や店舗の軒先。

扱う野菜は季節ごとに変わる。今のシーズンならダイコン、ホウレンソウ、小松菜、カブ、ニンジンなど4~5種類の野菜が屋台に並ぶ。野菜以外で定番の人気商品はお米。2合単位で販売している。

販売方法は現金。安全で美味しい野菜が50円から100円ぐらいで買えるとあって、ホールの女性客から好評。ちなみに、1人当たりの客単価は250円ぐらい。この値段に近所の飲食店が爆買いすることもあるほどだ。

産直品なので一度買うと野菜の違いが分かる。「次はいつやるの?」という声に押されて、月4~5回ぐらいの割合で定期的に行うようになる。

定期的に屋台を開くことにより、お客さん同士で料理の話題からコミュニティーが生まれるようになる。さらに、店のスタッフが一緒に販売すると、お客さんとの繋がりが強化されて、お店のファンづくりにも一役買う。

野菜は20名分から80名分までの4つのコースに分かれている。屋台を開くのは午後2時ごろからで、40名分なら1時間で完売する。買った野菜は荷物になるので、ホールのカウンターで預かるようにしている。

「リピーター作りの一つのツールとして野菜を使って欲しいですね。今、業界で求められるのは新規客の開拓ですが、それよりも重要なことは今、いらっしゃるお客様を離反させないことです。カウンターで野菜を預かることで、日頃会話ができなかったお客様と野菜を通して会話が生まれるようになった、という声もいただいています」と話すのはヴァカボの長岡康生代表。

5月26日から開催される伊勢志摩サミットに伴い、業界は5月2日から27日まで新台入替自粛に入る。新台入替という最大のイベントがない期間の目玉企画としても注目されている。

野菜で離反させない仕掛けはこちら。



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データ分析作業の完全自動化から見えてくる強固な組織作り

今、統計学が熱い。

統計学の入門書が空前の大ヒットを遂げ、「統計学は最強の学問である」(西内啓著)がビジネス書では異例のベストセラーとなり、書店では統計学コーナーまで設置されている。それほど、ビジネスマンにも数学力、分析力が求められるようになってきた時代背景がある。

中でも「ビッグデータ」という言葉がバズワード化しており、ビッグデータを分析する「スタティスティシャン(統計家)」という最先端職業は、ここ10年で最も“セクシーな職業”といわれている。

パチンコホールにおいても、データ管理部やシステム課などの部署を設け、全店データの分析を行う企業は少なくない。

しかし、多くのホールでは人材難により、日々の運営に手一杯で、新規部署などを設置する余裕がないのが実情であろう。

事実、業績UPのためには、商圏、自店の実績、ユーザー目線など、様々な角度からの分析が必要になってくる。

そこで開発されたのが、分析に必要なデータ集計、データ加工を自動化するパチンコホール専用の分析システムの「ピーブレイン」だ。

クラウドコンピューティングを用いたこのシステムは、これまでのシステムとは一線を画し、分析に特化している。

驚くのはそのスピードとシリアルに紐付けされた単台管理、という概念だ。目的に沿って加工されたデータがワンクリックで直ぐに表示される。

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例えば、新台入替をするにしても、導入機種の選定や、撤去機の選定、償却率や効果測定による計画の見直しなど、データ分析が必要になる。

通常、ホールコンピュータから出力したデータを基に、エクセルファイル等にまとめ、数式やグラフ機能を使って加工していく。知りたい情報が増えればそれだけ、集計・データ加工に時間がかかる。

これまでエクセルに手入力で何時間もかけていた集計作業が、入力の手間も一切不要でワンタッチで欲しい分析結果が得られるのがピーブレインの特徴ともいえる。

「私自身の経験でもあるのですが、この集計・加工に時間がかかり、分析結果による判断とその後の実践という、本来の目的を忘れてしまうことがありました。ホール業務も兼務しているのでなお更でした。分析していた時間を本来の目的である実践に使えます」と話すのは同社の中島基裕副社長。

ピーブレインは社長を始め社員全員が、ホールの現場出身者だ。現場で店長をしていた時に欲しい要素がすべて搭載されている。

「最近お会いするホール経営者の悩みが、人が育たない、人が集まらないなど、人材面です。社内の優秀な人間が辞めてしまって、誰か優秀な店長を紹介してくれないか、という相談もよく持ちかけられます。この分析システムを開発するにあたり、大きな影響を受けた経営者がいます。その時学んだノウハウがこの分析システムには詰め込まれています」(同)

そのホール企業はこの20年、都内の各地域で地域一番店の座を守り続け、新規市場にも参入しその地位を確立している。

その経営者は、当時から一貫してこう言い続けていた。

「教育は全ての業務に優先する」

業績を上げるだけの店長は二流。業績を上げ自分の部下を店長にしてこそ一流であると。

ピーブレインの分析システムは、業績向上のための仕組み化を図り、ノウハウを蓄積、それによって人材を教育することを目的としている。

人材難の昨今、鋭い観点を持ち、なおかつ、エクセルを加工できる優秀な社員が辞めてしまったら、その店舗はどうなってしまうのか?

ホールへ分析システムの営業に行くと、大きく2つの反応に分かれる、という。

一方は、システム使用料のコストが高いという人と、もう一方はコストが安いという人だ。

人材教育に力を入れている企業の反応は後者となり、多くの場合、ノウハウを社内で共有し、人材を育成したいと考えている企業となる。

このような教育システムの側面も持ち合わせる分析システムにコストをかけるかどうかで、10年後には大きな企業間格差がついてくる。

ピーブレインを活用した市場分析
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動画アプリ「P-Tube」のホール活用術

P-martTV、ARROWS-SCREEN、ScooP!TV、ムテキTV、パチスタ.ch、必勝本WEB-TV、うちいくTV、でちゃう!WebTV…

これは現在、パチンコ・パチスロに特化したインターネットの動画サイトのチャンネル名で、主だったものだけでも14チャンネルを数える。動画で実践を視聴できるだけでなく、映像で店の稼働状況も伝わってくる。

ここまで動画サイトが増えた理由は、その手軽さだ。それまでパチンコ番組といえば、深夜帯に放送される地上波か、スカパーのパチンコチャンネルだったが、ユーチューブを使えば、低コストで番組制作と放送が可能になったためだ。



「シーサ。の回胴日記」、「閉店くんが行く!」などはその中の人気番組名で、100万、200万回再生されたこともある。現在は番組タイトルだけでも優に500を超え、視聴者が分散されるようになったが、10万回以上再生されている番組もある。

これらの動画サイトを一つにとりまとめたものが2013年夏からボンズファクトリーが運営するP-Tubeだ。これはスマホ専用のアプリで、まず、無料アプリをダウンロードする必要がある。

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現在の累計ダウンロード数は14万。ユーザーの平均利用時間は9分。番組制作会社と提携した唯一のアプリで、ユーザー支持の高い人気動画媒体と連動した内容を公開している。

このアプリは単なるパチンコ・パチスロ動画のまとめサイトではない。メニューは次のようになっている。

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パチンコ・パチスロ番組は、ライターなどがホールへ訪問して収録することが基本となっている。そのため1カ月先までの番組の収録スケジュールが全部分かる仕組みになっている。スケジュールに合せて、自分の好きなライターや演者に会うことができる。これによって当日の集客を図ることができる。

ユーザーが行動するメインエリアとサブエリア(最大5エリア)を設定することで、その地域の番組撮影情報や撮影された近隣地域の動画がプッシュ通知で届く。

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今年から新たに加わった機能が、地域店舗のチラシ情報だ。「P-Tube」ユーザーの属性は20~40代が中心で、若年層は6割を占める。彼らは新聞を購読していない層、ともいわれているが、新聞=折り込みチラシを見ないユーザーのために、この機能が加えられた。

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新聞を購読しない若年層にもチラシ情報を届けたい、という業界の懸案事項が解決することにもなる。

ユーザーの地域属性も分かっているので、自店から近いエリアのユーザーに向けて、低コストでチラシ情報を届けることができる。

さらに動画アプリならではの機能として、新装開店時などの新機種動画をチラシと同時に見せることも可能になった。

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プッシュ通知によるチラシ情報の開封率は5~20%。コアユーザーに開封されるということは、DMを発送することに近い。チラシを止めることができないのなら、両建てで情報は発信したほうがいい。

方法はチラシデータをボンズファクトリーに送るだけ。コストは1000人で1万2000円から。

ファン向けの動画アプリだったが、ユーザーが増えることで、ホールの新たな広告媒体としても使えるようになった。


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お嬢様聖水ってなんだ

「お嬢様聖水」

なんたるネーミングだろう。

聖水とはキリスト教の儀式の時に使う聖なる水のことだが、俗語的には女の子のおしっこのことを指す。そこにお嬢様が付くのだからドキドキしてしまう人もいてもおかしくない。

これは昨年4月に発売されたエナジードリンクなのだが、先行販売された東京メトロの各売店約100店舗では1日最高2000本以上も売り上げる人気ドリンクになっている。

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本来は女性用に商品開発された植物発酵エナジードリンクで、117種類の植物エキスが凝縮されている。

最初に火が付いたのはSNSだった。

ネーミングの勝利だった。お嬢様聖水なるものは一体どんなものなのか? 否が応でも妄想癖の男性が興味を持った。ネットで検索しても販売している場所が分からない。入手先が困難なことが余計に火を付けた。

お笑いタレントの有吉弘行までもが、お嬢様聖水を飲んだことをツイッターで報告するぐらい話題が話題を呼んだ。

先行限定販売が東京メトロの各100店舗だったことが分かると、30~40代のサラリーマン客が飛びついた。現在も一部地域のコンビニで販売されているが、入手困難な状態は変わっていない。

手に入らないとなれば、欲しくなるのが人情だ。

ネットオークションでは、一時期900円の高値で売買されたこともあるほどだ。

このお嬢様聖水にいち早く注目したのが、大阪・梅田のスロ専の「CLUB-D UMEDA」だ。2年前スロ専としてオープンした同ホールは、カウガールスタイルの女性スタッフのあいさつがユニークだ。

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スロ専なので客層は若年層が多い。そこで頭を下げるあいさつは止めて、お辞儀の代わりに両手を広げて、笑顔で手を振る。これが非常に親近感がわく。

「お嬢様聖水というネーミングはインパクトがありましたね。うちは女性スタッフが多いので、店のイメージにも合う総付け景品として導入しました。毎月、品を変えて総付け景品を配っていますが、好評なので何度も使っています」(吉村店長)

総付け景品をキャンペーンガール付きで販売しているフルタインターナショナリテを使えば、景品を仕入れるだけで聖水ガールが総付け景品を配布してくれる。

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「総付け景品は1年ほど前から続けていますが、いつも何かをやっている期待感を持っていただくことが重要です」(吉村店長)というように、時には自らが率先してコスプレ姿でお客様を迎え入れることもある。

激戦区梅田で稼働を維持するには、日ごろからお客さんを楽しませるエンターテインメントに抜かりはない。


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ぱちタウンと地域パチンコ情報誌パチンコプレイガイドがメディアミックス戦略を開始

DMM.comは3月1日、地域密着型のパチンコ・パチスロ情報誌「パチンコプレイガイド」を事業譲受により傘下に収める。

DMM.comは2年半前、スマホに特化したパチンコ・パチスロのポータルアプリ「ぱちタウン」を引っ提げて業界へ参入したばかりだが、紙媒体、地上波(テレビ)とのクロスメディア戦略により、全国展開を図る構えだ。

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「パチンコプレイガイド」は7年前に福岡市で創刊されたフリーペーパーで、現在、九州全県と山口県、岡山県、鳥取県、島根県の地域版を発行している。総発行部数は13万5000部を誇っている。

西日本のホール関係者やユーザーなら目にしたこともあるだろう。ホール以外では地域の飲食店などに雑誌を置いて、パチンコをやったことがない人にもパチンコに興味を持ってもらうことが狙いでもある。

雑誌の内容はホール情報を中心に、読み物のページも豊富で、解析情報よりもパチンコの楽しさを伝えることに比重が置かれている。読者層はミドル層向けの情報誌となっている。

一方の「ぱちタウン」はアプリのダウンロード数が130万を超え、有料加盟ホールは3500店舗。順調に加盟店を増やしてきたが、地方に目を向けると、未だにチラシや雑誌が根強く利用されている現実に直面することとなる。

「ぱちタウン」のユーザー利用者層は20~30代がメインだが、地方の50代以上のパチンコユーザーは、スマホの普及率が低く、ぱちタウンへ誘導しにくい側面もあった。

現在、パチンコを支えるメインの客層である中高年向けには、アナログ媒体の活用も必要だということが分かってきた。

DMM.comの松栄立也社長は今回の事業譲受についてこう話す。

「音楽業界はネットによるダウンロードでCDが売れなくなっていましたが、今は業績が回復しています。それはコンサート収入によるもので、アナログ収益ともいえます。アプリというデジタルメディアだけではなく、フリーペーパーというアナログとのクロスメディアで、パチンコ業界随一のメディアを目指したい」

紙媒体のミドル層とアプリの若年層の両方をクロスメディア戦略で補完することが、事業譲受の目的ともいえる。

パチンコプレイガイドを発行するファイブステージは、紙媒体の他に、発行エリアでは地上波で「パチンコプレイガイドTV」というパチンコ番組も自社制作しているほか、web動画のコンテンツ制作やプレイガイドエンジェルスの派遣なども行っている。これらも含めての事業譲受が行われた。

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ファイブステージの戸木田剛受社長は「イベント規制でホールさんは集客に苦慮している。これまで集客アップや客滞率を上げることをお手伝いしてきたが、今後も細かい部分までサポートして行きたい。事業譲渡によって全国展開の礎としたい」と話す。

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DMM.comの松栄社長(右)とファイブステージの戸木田社長


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