パチンコ日報

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16年前の予言

パチンコ業界に参入するきっかけは、ホール企業が飲食業界に参入するために相談にきたことだった。



この出会いがあって未開拓だったホールのコンサルを始めることになる。



ホールの顧問先はまだ10社ほどの時代の話し。



三菱銀行が東京の大手ホールのファイナンスを出し渋っていることを受けて「まず、きれいな会社を作りメインバンクを作ること」とセミナーの話しが始まった。



まだ20世紀。



迫りくる21世紀を「競争の時代は終わり、共存共栄の時代になる。1人勝ちの時代は終わる」と断言した。



その心は21世紀は「天地自然の理の経営」になるから、と。



元々は松下幸之助の名言で「経営というものは、天地自然の理にしたがい、世間大衆の声を聞き、社内の衆知を集めて、なすべきことを行なっていけば、必ず成功するもの」から来ている。



その法則に従えば、安く仕入れて高く売ることは誰にでもできるが、21世紀は「高く買って安く売る時代」とも。



これこそが天地自然の理の経営の真骨頂なのだろうが、予定より大幅に遅れているようだ。



たまにはこうして、昔いっていたことがその通りになっているか、検証してみることも必要だ。



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女性店長は今

パチンコ業界ではアルバイトから正社員になるケースは珍しくないが、女性のアルバイトで店長になった人はそうそういない。



パチンコ業界でアルバイトする理由の一つに、時給の高さが挙げられる。彼女もそんな一人だった。ファーストフードの時給が600円に対して、パチンコ店は1000円だった。



時給が高い反面、重たい玉箱の上げ下げに腰を痛めてリタイアする人が多い中、幸い彼女は体が頑丈だったので、体力的に問題はなかった。



しかし、1年半勤めたところでホールが倒産した。



次に面接に行ったのが今のホールだった。仕事にも慣れカウンター班長に昇進した。そのころ「社員にならないか」と声がかかった。気がつけば4年経っていた。



ある日、店の親睦会が開かれた。その席で酒も入った勢いで専務に「パチンコ業界の会社では、女性は出世できないのですか?」と直談判した。



専務はこの時の申し出を真剣に考えてくれていた。



数年後、新店を女性店長と女性スタッフだけで運営する、という大冒険に出た。



店長や女性スタッフには機械や客とのトラブルの対応経験がなかった。これはぶっつけ本番だったが、いざとなれば、他店のベテラン社員がサポートする体制を敷いていた。



予想通りというか、女性スタッフばかりなので酔っ払いやチンピラが絡んでくることは一度や二度ではなかった。



「この店は客をバカにしているのか!小娘ばっかりで。店長を出せ!」



「私が店長ですが」と対応するとますます激昂した。



「本当に客をバカにしている。貴様が店長なわけがない!」



ここでひるんで逃げると「アルバイトの女の子が付いてこない」と度胸をすえ、チンピラと対峙した。



女性スタッフばかりなのでゴト師にも狙われた。ゴト師を発見した時、追っかけて捕まえたこともあった。



男性のほうが仕事はテキパキと早いが「笑顔と心配りで女性らしい気遣いのあるサービス」を心がけた。



ホールの雰囲気がよくなるにつれて、女性客が増えた。



島からわざわざ船に乗ってやってくる老夫婦もいたが、視力障害の男性客も顧客になった一人。目が見えないため、スタッフが各台のデータを教え、台を選んだ。最初の玉の打ち出しもスタッフがハンドルに手を添え、スタートに入りやすい位置に固定した。大当たりを聴覚で楽しんだ。



トイレにはスタッフが手を引いて案内し、外で待っていた。



29店舗中、稼働率では最高が3位だった。



今、彼女はどうしているのか。稼働率でナンバー1を取ったのか気になるところだ。



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DランクからCランクホールへの道

いささか、古い内容の原稿だが、今でも通用する部分もあるかと思われる。いいところだけ参考にすれば、DランクからCランクへ這い上がれる。





ホールをランク分けするのは、大変失礼なことだと思う。



しかし、ランク分けすることで現在の自店の位置を知ることで今後の戦略が立てやすくなる。





300台クラスを例に、Dランク店とは月間粗利が1500万円未満のホールとする。



Dランク店の特徴は、

 ・競合店が入替えしたから自店も入替えする



・競合店がイベントをしているから自店もする

、というように現状維持のために守りの営業に終始している。





その結果、経営も消極的になり、経費、人件費の削減や新台入替えの費用を減らすことばかりを考えている。





ホール経営は経費を削減する努力よりも、売上を上げる努力の方が大事で、トータル的に見てもよい結果が出る。





例えば、人件費を下げると労働意欲を失い、従業員の接客態度が店の稼働や粗利にまで影響する。





人件費を浮かせた金額以上に粗利が減る結果となる。

粗利1500万円以下では、他に金を回せる余裕がない。





ある方法で2500万円の粗利を上げることが可能ならば、今までよりも1000万円の余裕ができる。

その1000万円を設備投資や人件費に全額費やす。



そういう考え方をまず持っていただきたい。





粗利益アップの方法





パチンコ店の最も効果的な攻めの営業とは、今でも新台入替えだ。



この経費を捻出するためにもDランク店は、粗利重視の営業にポイントを置かなければならない(Bランク以上は稼働重視)。





粗利重視の効果的な攻めの営業には、次のような方法がある。



①客に有利な営業方法に変える(組合ルール、競合店の営業方法と比べて)





②サービス向上に努める(人的、物的)



③現在の客数を維持しながら1.5倍ぐらいの粗利益を上げる





④粗利を取り増えた粗利を新台入替えに投資する

1500万円の粗利を2000万円(500万円のアップ)にするには、現状の割数で客数を1.3倍にできれば可能。



同様に1500万円を2500万円(1000万円アップ)は、客数を1.7倍にできれば可能。



250台のホールで平均客数150人(A、Bクラス)を200人に増やすことは容易ではないが、1.3倍の例で50人を70人、70人を90人、1.7倍の例で50人を85人、70人を120人に増やすことは、それほど難しくない。



前向きな設備投資とよいスタッフ、ちょっとしたイベントの実施で月間粗利を(設置台数×10万円)は可能だ。



努力次第でDランク店が数カ月から1年ほどでCランク中クラス(2500万円)にはなれる。





効果的な攻めの営業戦略の準備

粗利重視の営業に当たって自店の営業方法を見直してみよう。



粗利を上げるには、お客さんが見て競合店より自店の方が有利に思える営業ルールに変えることで、粗利を確保しやすくなる。



例1.

パチンコ/ラッキーナンバー営業→全台ノーパンク営業

  



パチスロ/7枚交換→等価交換、持ち玉移動OK





例2.パチンコ/全台ノーパンク→コーナー持ち玉移動OK

営業方法の変更とともに稼働のいい機械を店の中心にすべきコーナーに固め、店のメインコーナーを作る。



店に活気のあるコーナーを1つ作ることが、Dランク店の効果的な戦術だ。





効果的な攻めの営業の具体的戦術

では具体的にはどのような方法があるのか。



①新聞広告、チラシ、DM、店内ポップなどを上手く利用しながら様々なイベントを実施する。



②薄利多売営業の実施





③新機種発表直後に地域一番で新台導入を連発する





ここで注意しなければならないのは、Dランク店がAランク店と同じ内容のイベントを実施しても同じ結果は得られないということ。



例えば、Dランク店が「入替えなしの出玉イベント」を実施したとする。



粗利0のトントン営業を1週間実施して、客数が少し増えたとする。



しかし、店の信頼がないDランク店では通常割数に戻したとたん、客数も以前の状態に戻る。



イベントなしの月間平均粗利が1500万円だとすれば、イベントを1週間実施した時の粗利は1200万円に落ちていることが推察できる。



つまりイベントをして300万円の損失、という結果になるだけ。





しかし、Dランク店でもスタッフのサービス向上を図りながら、通常割数で新機種初期導入の新台入替えを数回連続すれば、通常時の平均客数は1.1~1.5倍になってくる。



そうすれば、釘調整、設定のしかた次第で粗利益が1.1~1.3倍になる可能性は大。



 むしろDランク店で行うローコストイベントとして是非お勧めしたいのが、新台入れ替えから1週間ぐらいをファン感謝デーとして期間を決め、毎日2~3回ホールにいるお客さん全員にドリンク券を配ってカウンターにドリンクケース(ホット用、コールド用)を設置して、ドリンクサービスを実施すること。



仕入れ値で60円程度のサービスだが、これが意外に喜ばれる。



 また、最近の集客アイテムをフル活用することもお勧めできる。



今風のスタートプレート、ポスター、のぼりは飾り付け方で結構お客さんのやる気を引き起こす。





出店妨害

有床診療所を使って出店妨害する発祥の地で、最もえげつない妨害が今から6年ほど前にあった。



今は出店妨害目的とみなされた場合は、警察も営業許可を出すようになったので、この手の妨害は通用しなくなったが、オーラスを飾るにふさわしい妨害劇だった。



このケースは組合単組がグルになって妨害を敢行したところがすごい。



まず、妨害する場合、直接客を取られる店がやるのだが、今回はライバルで影響を受ける店が、中堅ホールの親戚筋で、その妨害話に組合長までが乗っかってしまった。



単組内のホール数は7店舗。



新参者が立体駐車場付きの大型店を出店するので、影響は広範囲に及ぶということで組合長らが出店阻止に向けて謀議を謀る。



それを組合長が招集して組合事務所でやったというのだから驚かされる。



診療所を造ってしまえば、営業許可が下りない。幸い、近くに診療所がある。そこをけしかけることになった。



医者への成功報酬は3400万円。これを組合員で分担する話し合いが組合事務所で行われた。



7組合員中、2人がこの分担金の話に反対した。



うち、1人は店を閉めるつもりだったので最初から協力する気はなかった。



建築中のホールのすぐ目の前に、診療所が移転することになり、「有床診療所オープン予定」の看板が揚げられた。



この看板を見てオーナーはすぐに医者にアポを取った。



「6カ月待って欲しい」と申し入れた。ホールがオープンした後から診療所をオープンして欲しい、という交渉だった。



3回面談したが話は平行線。



「有床診療所をやりたくてやっている。運が悪いな。諦めてくれ」とそっけない返事を繰り返すばかりだった。



組合から金を貰っているわけだから、当然といえば当然だ。



交渉は決裂。



診療所はホールよりも先にでき上がり、開業してしまう。建築中のホールはこれで営業許可は下りなくなってしまう。



ここで、救世主が現れる。



組合の謀議に参加したホールで、協力しなかったホールが「妨害目的で組合で金を出し合った」と証言してくれたのだ。



この証言を下に地元の人権協議会へ相談に行く。



示談屋ともいわれる大物で、この人が動いたことで医者も「ホールから金をもらってやっている」自供。一端はベッドを外す。



しかし、医者はホール側に「ベッドを外すのに5000万円必要」と要求してくる始末。



ホールはこの要求を無視していたら、再びベッドを入れた。



人権協議会の大物示談屋は妨害ホールとの交渉に入った。



医者が「3400万円受け取った。領収書もある」と供述したテープを突きつけたが、妨害側は応じることはなかった。



そこで裁判で白黒をつけることにする。



診療所はベッドを入れたり、外したり、また入れたりを繰り返した。妨害のために金のやりとりがあったことも公になり、ホール側の訴えが100%認められた。医者にも悪意があったことが明らかになる。



そして、地裁判決は「無床に変更する届け出を出せ」。



予定より1年以上遅れてホールはオープンすることとなる。



親組合でこの単組の恥ずかしい行為が問題になった形跡はない。



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業界内のオピニオンリーダー

今から16年前、今は雲の上にいる人が「もしもパチンコがなくなったら?」というインタビューに答えたものだ。



さて、これは誰か分かるかな?



以下本文。



パチンコ屋があってパチンコ台もあるが、今のパチンコの形態がなくなる「可能性はある」と思う。



つまり、法律の改正で景品交換システムがなくなることはありえる。売上がすごく上がり、換金率というか、換金の額が高くなれば問題になるかも知れない。



換金の金額が統計で出て、トータルで年間これだけの金額が換金されているのだ、と言うのが出れば、特殊景品が超特殊景品になってしまう。



それより、換金する必要性がなくなる。



「換金があるからパチンコをやる」というけどお客の意識が変わっていくかも知れない。ゲームセンターへ行く客がいるが、横浜のカジノバーはパチンコのように景品の提供ができる。エルメスのバッグとかルビーの指輪。もちろん換金はできないが商品の魅力で結構、流行っている。



パチンコは、機械の改革をしているから続いている。いい機械が次から次に出ているから。それが証拠にくだらない機械を入れるとお客は付かない。



一概に換金はいえない。



歴史的に言うと、換金が止ったときはパチンコ屋は終わった。だから換金は大事だというが、あの当時の人達の換金に対する意識と、今の人質の意識はちょっと違うと思う。



確かに、最近でも東京・成増で換金が一時止った店では客足が落ちたが、それは換金を主体に、換金が最高のものとしてパチンコ屋を作ってきたから。



もし、「3年後に換金がなくなる」といわれたら、換金よりももっと魅力のある商品を考える。



店を閉める人もいるかも知れないが、換金に変わるもの、勝負のできるものを考える。ただ、それによって、店やファンが減ることはありえる。



パチンコ屋で取れる商品がお金以上に魅力のあるものが揃わなければいけないのが条件だけど、お金以上に魅力のあるものはない。



でも、パチンコ屋さんで言われているお金は、物を換えるお金や家賃、生活費ではない。最後に残ったレジャー費で持っている。



それで1月間レジャーをする。



次のパチンコ代のために換金する。だから換金できなくても、明くる日のゲームをするために玉が残ればいい。その玉がいずれ何かになる、というのであれば、換金して、商品に換えるのではなく、自分の欲しいものにそのままなっていけば残る。



もし、5年後に換金がなくなると言われても、今から考えていけば残っていけると思う。



法律改正に向けては、パチンコ産業に対する議員団を作って、その人達がいろんな意見を言う。ホールを上場するための換金の立法化とか。



警察、メーカーのしがらみの中で喋りあっても仕方ない。



自分の会社の利益の次元でなく、パチンコ業界全体がファンのためにどんなふうに発展すればいいのか、考える業界内のオピニオンリーダーが必要。



以上



今は業界内のオピニオンリーダー的立場になってしかるべきなのに、どうもフィクサー的動きが目立つ。パチンコ人口を4500万人に増やす、とぶち上げたまではいいが、株価が上がっただけでその後の具体的行動は見られない。



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