パチンコ日報

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店内状況をプライバシー保護を両立しながら伝える方法

ホールは、遊技客のプライバシーを保護するために、ガラス面に目隠しを施し、外部から店内の様子が見えにくい構造になっている。これは長年の業界慣習で、ホールに通う常連客にとっては当たり前の光景である。しかし、この構造が新規客の参入を阻む一因にもなっている。

特にパチンコ未経験者にとって、中の様子がまったく見えないホールに一人で足を踏み入れるのは心理的に大きなハードルとなる。店内の雰囲気がわからず、どのように遊べばよいのか、どんな客層がいるのかも把握できないため、初めて訪れる人にとっては敷居が高く感じられるのは当然である。

遊技客のプライバシーを配慮しつつも、店内の雰囲気を外部に伝える方法として、大型モニターをホールの外壁に設置する方法がある。

この手法はすでに他業種では導入されている。例えば、一部の飲食店では、店内の混雑状況を知らせるために、店内の様子を映し出すモニターを外壁に設置している。また、ゲーセンでは、クレーンゲームで実際に景品を獲得している様子を映像で流し、通行人に対して「自分も簡単に取れそうだ」という錯覚を抱かせるような演出を行っている。

ホールでもこれと同様の手法を応用することが可能だ。具体的には、大当たり中の台をズームアップし、その映像を外付けのモニターで流す。

これでホールの外を歩いている人が「中ではこんなに盛り上がっているのか」と感じ、興味を持つきっかけとなる。

外部に映像を流す際には、遊技客のプライバシーを守ることが必須となる。しかし、この問題に関しては、すでに技術的な解決策が存在する。最新の映像編集技術では、自動的に顔にぼかしを入れるところまで確立されている。これを活用することで、個人を特定できない形で映像を提供することができる。

また、大当たり中の画面や、リーチ演出の映像のみをクローズアップすることで、遊技客の姿が映らないようにする工夫も考えられる。このような方法を採用すれば、プライバシーを守りながら、店内の活気を伝えることができる。

何よりも、ホールに入ってみたいと思わせる最大の要因は、やはり「出玉の視覚的なインパクト」だ。しかし、各台計数機やスマート遊技機の導入により、従来の玉積みの光景が消えつつある。これにより、外から見ても「どれほど玉が出ているのか」が分かりにくくなってしまっている。

この問題を解決するために、一部のホールでは模擬玉箱を設置し、あたかも玉積みがされているように演出しているケースもある。これも視覚的な訴求を重視した工夫の一つであり、新規客に対するアピールとして有効である。

スマート遊技機時代においても、視覚的な演出は重要な要素である。

ホールの構造的問題は、プライバシー保護と新規客の開拓という相反する課題を抱えている。しかし、外部モニターを活用することで、この両者を両立させることが可能となる。

また、スマート遊技機の普及によって失われつつある視覚的なインパクトを補うためにも、モニターを活用した演出は有効だ。こうした工夫が新規客の開拓にもつながる。



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パチンコ業界の未来を切り開く「対戦型」という進化

パチンコ業界は長年、遊技人口の減少という課題に直面してきた。そのたびにメーカー各社が取ってきた手段は、射幸性の強化であった。いかに短時間で多くの出玉を獲得できるか、いかに高揚感を演出できるか――その一点で技術や演出が集中してきた歴史がある。

でも、これは本質的な解決策ではないということは、すでに何度も日報で指摘してきたことでもあり、読者にとっても耳にタコができるほど聞き飽きた話であろう。

射幸性の強化によって一時的に売上や集客が伸びたとしても、それは既存のギャンブラー層の引き留めに過ぎず、新規客の獲得にはつながらない。

このことをメーカーが理解していないはずはない。メーカーもまた、30年後の業界をどう生き残らせ、そのために何が必要かという問いに、日々頭を悩ませているはずだ。

これまで業界が警察行政に求めてきたのは、主として出玉規制の緩和、つまり射幸性の上限を引き上げる方向での要望だった。しかし、いま求められるのはその方向性の転換だ。

ズバリ、ゲーム性の発展を可能にするための規制緩和、より創造的で建設的な自由度の高さが必要な段階に入ったと言える。

これを具現化したものが「対戦型パチンコ」の実現だ。これは、従来のような一方通行の遊技とは異なり、通信機能を用いて他の客とリアルタイムで対戦する形式を指す。

ゲーム業界を見れば、対戦要素はもはや主流である。eスポーツに代表されるように、勝敗やスコアを競い合う要素こそが、若年層を中心とする新しいプレイヤー層を引き込む要素となっている。パチンコもその潮流を無視するわけにはいかない。

ここで重要なのは、対戦型パチンコが単なる「大量出玉をかけた戦い」ではないという点である。あくまで本来の「遊技」としての面白さ、スキルや戦略によって勝敗が左右される、真の意味でのゲーム性を追求することが鍵となる。

つまり、パチンコをギャンブルとしてではなく、エンターテインメントとして再構築するための試みなのである。

振り返れば、三共が「フィーバー機」を誕生させてからすでに45年が経過した。この間、目立った技術革新があったかというと、答えは否である。液晶のサイズと画質が上がった、筐体が派手になった――それらは確かに進化ではあるが、真の意味での革新とは言い難い。

では、これだけ長きに亘って停滞が起きたのかといえば、ひとえに業界全体が「儲かりすぎた」からだ。危機感が希薄だった。成功体験から抜け出せず、守りに入ってしまったツケが、いま回ってきている。

かつて自動車業界は、オイルショックという外圧を契機に燃費性能を飛躍的に向上させた。変化を迫られた結果、技術革新を生み出した。パチンコ業界もまた、今やっとその「オイルショック」に直面している。遊技人口の激減という現実が、ようやく業界の尻に火をつけた格好である。

対戦型パチンコが実現すれば、ゲームメーカーとの連携による新しい形の遊技機開発も期待される。例えば、得点制やチーム戦、協力プレイなど、従来のパチンコにはなかった色々な要素が加わることで、まったく新しい客層の取り込みが可能になってくる。

未来のパチンコとは何か。それは単なる出玉競争から脱却し、遊技そのものの楽しさ、奥深さを追求する姿勢に他ならない。メーカー、ホール、そして行政が一体となり、新しいビジョンを描くべき時が来ているのである。今こそ、惰性の45年に終止符を打つべき時である。



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スロプロくんの記憶とAIが導く未来の店選び

かつて日報に何度か投稿していたスロプロくんは、毎晩のように翌日の戦略を練ることで日々の勝負に備えていた。

彼の立ち回りは、ただ勘に頼るようなものではなかった。前日の夜から立ち回り先のホールデータを入念に調べ、チェーンごとの設定配分の傾向や、個々の店長のクセ、イベントの信頼度といった、表に出にくい情報までをもとに分析を重ねていた。

その上で、最も設定6が投入される可能性の高い台を選び出し、翌朝の開店に合わせて並ぶのである。彼の勝ち方には、緻密な情報収集と経験に裏打ちされた理論があった。

しかし、そんなスロプロくんも、ある時期を境にその道を引退した。その理由は明快だった。これまで築き上げてきた勝ちパターンが通用しなくなったからだ。設定6が入る台は年々減少し、抽選の結果次第では立ち回りの余地すらないという状況に陥った。朝から並んでも、抽選番号が悪ければその時点でゲームオーバー。打つ価値のある台に座ることさえ難しくなったのである。こうして彼は、スロプロとしてのキャリアに終止符を打った。

スロプロくんの引退から10年が経過した現在、パチンコよりもむしろスロットの方が再び活況を呈している。特に6号機ショックを乗り越えた機種たちの登場により、スロットファンの熱は再燃している。そのような時代において、いずれ登場するであろうと予測されているのが「AIによる店選びアプリ」である。

先日、業界関係者向けに行われたMIRAIのセミナーで、ジーズ社がその可能性について言及していた。このアプリは、スロプロくんたちがかつて行っていたようなデータ収集や、店長のクセ読み、イベントの信頼度分析といった作業を、AIが瞬時に代行してくれるというものである。ユーザーは、ただアプリの指示通りに動けば、翌日どのホールの、どの機種の、どの台に座るべきかが分かる。まるで専属の軍師を抱えているようなものだ。これが実現すれば、誰もがスロプロになれる時代が来るかもしれない。

もっとも、このアプリを成立させるためには、大前提として各ホールが出玉データを公開していることが必要である。現在のところ、大半のホールは出玉情報を非公開としている。裏を返せば、それは出玉に自信がないことの証左でもある。出玉情報を堂々と公開できるホールは、出玉の信頼性と営業の誠実さをアピールできる貴重な存在であると言える。

こうしたAIアプリの登場は、業界にとっては諸刃の剣である。一方で、透明性のある営業が評価され、ユーザーにとって有益なツールとなることで、スロットファンを新たに獲得する可能性がある。逆に、データを出さない、信頼性の低いホールは淘汰されるかもしれない。だが、そうなれば、業界全体の質が底上げされる可能性もある。

果たして、かつてのスロプロたちが積み上げた「知見」は、すべてAIに置き換えられるのだろうか。人間の勘と経験が活きる余地はまだ残るのか。それとも、勝負の世界にもいよいよ機械的な合理性が支配する時代が来るのか。いま、スロットの未来は新たな転換点を迎えようとしている。




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インバウンド公害のスーツケーストラブルに見る新たな商機の可能性

現在、インバウンド公害とも称される問題のひとつに、大量のスーツケーストラブルがある。 海外からの観光客が急増している現在、公共交通機関や商業施設でスーツケースの取り扱いに関する様々な混乱が発生している。

例えば、新幹線の荷物スペースは予約制であるにも関わらず、無断で使用する事例が報告されているほか、出入り口付近を塞ぐようにスーツケースが置かれていたりする。


また、在来線でも同様の問題が起きている。大型のスーツケースを持ち込む外国人観光客が、優先席や車いす用のスペースを占有する事例が頻繁に発生しており、特に高齢者や障害者など本来そのスペースを必要とする利用者に対してさえ大迷惑をかけている。外国人のマナー低下を示している。


さらに、東京駅など主要ターミナル駅に設けられた手荷物預かり所では、観光シーズンに外国人利用者の大行列ができる。手荷物預かり所の運営側は、トラブル対応に追われ、十分なサービスが提供でききない現状がある。

昨年の暮れ、都内のあるホールでも、外国人客によるスーツケーストラブルが発生した。 該当ホールは外国人客が来ることは珍しくない立地だった。

白人の4人組が来店した。全部で6個の大きなスーツケースを引きずっていた。彼らはパチンコを楽しむ目的で来店した。スタッフはスマホの翻訳アプリを用いながら対応した。 6個のスーツケースはカウンターで預かることにした。

午後1時頃からパチンコが台に向かった。暫くすると彼らの姿は忽然と消えた。中国人だったら気づかなかったかも知れないが、白人だったのでホール側もすぐに気づいた。スーツケースは預けられたままだった。日本人の親切心を逆手に取ったのかも知れない。

彼らがスーツケースを取りに来たのは閉店時間が迫る午後10時過ぎだった。その間、手ぶらで観光していたことが想像できた。

やっと現れた本人たちに、店長の怒りは収まらないが、相手が外国人では言葉も通じないので苦情を言う気力も失せた。

有料のコインロッカーでも設えようかと思ったが、二度と手荷物は預からないと心に決めた。

しかし、このスーツケース問題は、別の視点からはビジネスチャンスとしての可能性も見られる。

大阪市は関西万博を契機に1月27日から、市内全域を路上喫煙禁止とした。その対策として、大阪市はネット上で喫煙可能な場所のマップを作成し、多くのホールがその登録先として利用されている。喫煙所を提供することでホールへの来店促進につながっている。


同様に、インバウンド向けにスーツケースや大型手荷物を一時的に預かることが可能な施設のマップを作成し、ホールが協力すればパチンコに興味を持ってもらえる第一歩になることも考えられる。

インバウンド公害の一端としてのスーツケーストラブルをビジネスチャンスとして捉えることは、ニーズに合わせた新たなサービス展開の可能性を示唆している。



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パチンコ業界とコンビニ業界の共通点と凋落の理由

スーパーやコンビニなどの流通業界でコンサルティングを行う者の中には、かつてパチンコユーザーだった人がいる。そのため、パチンコ業界に対して一家言を持っている。流通業界の現状を踏まえながら、パチンコ業界の凋落についてコンサルが考察する。

まず、流通業界の話題から入ろう。コンビニ業界で長らく「勝ち組」とされてきたセブンイレブンが、近年業績不振に陥っている。2024年3〜11月期の決算によると、営業利益は前年同期比23%減の3,154億円、純利益は65%減の636億円という厳しい結果となった。一方で、ライバルであるローソンとファミリーマートは増益を記録しており、セブンイレブンの「一人負け」とも言われる状況になっている。

セブンイレブン離れの要因の一つとして指摘されているのが、弁当容器の「上げ底」問題だ。これは、見た目のボリュームを維持しつつ、実際の内容量を減らす手法で、消費者の不信感を招いた。また、新作いちご飲料のパッケージに果肉がたっぷり入っているようなデザインを施しながら、実際にはほとんど果肉が含まれていなかったことも批判を浴びた。

ネット上では「消費者を欺く手法」として物議を醸し、企業イメージの低下につながった。

対照的に、ローソンとファミリーマートは物価高に苦しむ消費者に寄り添い、増量キャンペーンを展開することで売上を伸ばした。セブンイレブンも後から増量キャンペーンを開始したが、消費者の信頼を回復するには至らなかった。

「鈴木会長時代は、会長自らが毎日弁当を試食し、品質管理を徹底していた。そのため、上げ底のような消費者の信頼を損なう手法は取られなかった。しかし、会長退任後はコスト削減を優先する企業文化が強まり、姑息な手段を用いて利益を確保しようとする風潮が生まれた」と指摘する。まるで、財務省が増税を成功させた者を出世させる構図に似ているとも言える。

凋落する業界や業種を研究している見地から、パチンコ業界についても次のような見解を持っている。

「パチンコ業界が衰退した最大の原因は、新装開店で出玉を出さなくなったことだ。昔は新装開店で負けても『自分の引きが悪かっただけ』と納得できた。しかし、現在は新台でも出玉を絞る店舗が増え、『店が悪い』と考える客が増えた。これが業界全体の信頼低下につながった」

業界関係者にとっては聞き飽きた指摘かもしれない。しかし、この見解はパチンコ業界の経営戦略の転換点を如実に示している。

このコンサルは、もはや、たらればの論調になるが次のように述べている。

「パチンコ業界がまだ3,000万人のユーザーを抱えていた時代に、ホールを単なるギャンブルの場ではなく、コミュニティスペースとして発展させるべきだった。例えば、コンビニ的な役割を果たすような施策を打ち出し、日常的に利用される施設にしていれば、業界の立ち位置も変わっていたかもしれない。その点では、コーヒーのワゴンサービスは良い試みだった。私のように、片時も台を離れたくない客にとっては非常にありがたいサービスだった」

このような視点は、パチンコ日報の過去記事でも「よろず相談されるホールとなれ」という提言をやったことがあるが、それが実行されることはなかった。

さらに、このコンサルはホールの経営方針についても苦言を呈する。

「私がオーナーなら、絶対に各台計数機は導入しない。昔は玉積みがあったからこそ、出玉感が視覚的に伝わり、それを見た客がさらに集まるという好循環が生まれていた。しかし、各台計数機の導入によってその視覚的な魅力が失われ、結果として集客力が低下した。従業員の業務負担が軽減されたとしても、客が減っては意味がない。パチンコ業界はコスト削減の名の下に、自ら凋落の道を歩んだと言える」

この指摘は、業界が効率化を優先しすぎた結果、最も重要な「客を呼ぶ仕組み」を失ったことを示している。企業努力の方向性を誤ると、最終的に業績悪化を招くことは、セブンイレブンの事例と共通する部分がある。

流通業界と同様に、「短期的な利益追求が、長期的な顧客離れを招く」という教訓を、改めて考え直す機会とも言える。

さて、業界関係者はこの意見を「馬耳東風」と聞き流すのか、それとも真摯に受け止めるのか。未来のパチンコ業界の行方は、その判断にかかっている。



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