パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

「予算がない」業界──刷り込みすら実行できない現実

大手広告代理店で長年CMプランナーとして実績を積み、現在はフリーランスとして活動するAさん(60代)のもとに、あるホール企業からオファーが届いた。

与えられたテーマは、今の業界が最も頭を抱えている難題――
「ノンユーザーにパチンコ・スロットをどう認識させるか」というものだった。

A氏はいくつものプランを提示し、ユーザー心理から逆算した広告戦略を提案した。しかし、結論としては「予算的に無理」の一言で却下された。

これが業界の現実だ。

自分たちでユーザーを減らしておきながら、肝心の「新規の入り口」に投資する気がない。その矛盾にA氏すら静かに驚いたという。

しかしAさんは、そこで話を終わらせなかった。予算をほとんどかけず、地味でありながら確実に効く古典的だが侮れない手法として、ひとつのアイデアを示した。

──それが、カレンダーだ。

ホール名が印刷されたカレンダーを毎日目にするだけで、人は自然と名前を覚える。
パチンコを思い出したとき、最初に頭に浮かぶ店舗名になる。
この「刷り込み」の効果は、実は侮れない。自動販売機のロゴ、引き出物のタオル、ボールペン──

人は目にするものを記憶の入り口にする。広告の基本だ。

Aさんはさらに踏み込んだ。

ただのスケジュール表のような無骨なものではなく、「飾りたくなるデザイン」を追求すべきだと。

パチンコ業界はアニメ版権機が主流で、キャラクター資産は豊富にある。

ならば、アニメファンが「お金を払ってでも欲しい」と思うカレンダーを作れない理由はない。

現在の遊技人口は発表する団体によって660万〜842万人と幅があるが、A氏は中間の750万人を基準にした。

その1%がカレンダーを購入すると考えると、約7万5000部。
このロットなら、制作面でも十分成立する。

デザインを共通化し、空欄部分にホール名だけ印刷すれば各社が利用できる。

しかし、ここで、また業界特有の“壁”が立ちはだかる。

こうした「地味だが確実に効く施策」は、派手さがないため意思決定者に響かない。

A氏が提出した複数プランが予算で却下されたように、業界には 「短期的・即効的な集客」以外に価値を見いださない体質 が根強くある。

しかし現実はどうだろうか。

新台も「入れた瞬間から抜く」という営業体質で新台効果が薄れ、告知も制限されている。

そんな中で唯一残された正攻法は、「ブランドを日常で思い出してもらう導線をつくること」なのではないか。

Aさんの提案は、決して奇抜でも目新しくもない。

むしろ基本中の基本であり、他業界なら当たり前に実行している「ブランド構築の入口」だ。

それすら「予算」で落とす業界は、もはや自分の足を自分で引っぱっているのではないか。

派手な広告はできない。イベントも打てない。
だからこそ地味な「刷り込み」が武器になる。

Aさんは最後にこう話した。

「毎日キャラクターを見ているだけで、自然とパチンコを思い出す。そういう入口はまだ作れる」

これは広告のプロからの警鐘だ。

業界はこのシンプルすぎる提案をどう受け止めるのか。
受け止める気があるのか。
そこに未来がかかっている。

今年は時期的に遅いが来年に向けて準備してはどうか。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

必要なのは光る筐体ではない。「第三のカテゴリー」を生み出せ

最近、ある遊技機メーカーが素材メーカーに「光る筐体」を開発してほしいと依頼したという。現行のプラスチック素材ではなく、メタリックな質感が出る素材で、なおかつ、筐体全体が発光する。そんな未来的なパチンコ台を目指しているらしい。イメージ的には大阪・関西万博のヌルヌルパビリオンのようなものか?


この話を聞いて率直に思うのは、「またそこか」という落胆だ。

パチンコ台の筐体はここ10年ほど、進化ではなく“巨大化競争”に陥っている。メーカーはどこも、筐体にド派手なギミックをつけることに専念してきた。その結果、年々大きく、重く、高額になった。ホールは設置やメンテナンスに苦労し、ユーザーにはデーターランプが見えにくくなるなど不評を買っている。

そんな状況で、今度は「光る筐体」だ。確かに素材の新開発は技術的挑戦として興味深い。しかし、そこに費やす労力とコストは本当にユーザーのためになるのか。金属代替プラスチックがどう輝こうと、筐体が光を放とうと、ゲーム性が伴わなければ客は戻らない。

ユーザーは筐体競争には全く興味・関心はない。目立つ筐体の方がホールの購買意欲を刺激するからだ。

本来、メーカーが取り組むべきは筐体のデザイン競争ではなく、遊技性の再構築である。

セブン機一辺倒の開発は液晶が大きくなっただけで、マンネリズムにユーザーは辟易している。いくら筐体を光らせて飾り立てても、魅力的には映らない。

むしろ、メーカーに求められているのは「第三のカテゴリー」の創造だ。現行のパチンコでもなく、スロットでもない、新しい遊技機の形だ。若年層や小遣いが少ないサラリーマンでも手が出せる遊技機が必要とされている。

光る筐体は、業界が「変化している」と錯覚するための幻想にすぎない。だが実態は、過去の延長線上にある見せかけの進化だ。筐体を光らせることで「新しさ」を演出した気になるのは、もはや末期症状といえる。

本当に新しいパチンコとは、派手さではなく、遊びの中身が進化した台のことだ。たとえ地味でも、打って楽しい、飽きない、もう一度遊びたいと思える台を作ること。そこにこそメーカーの存在意義がある。

いま、業界に必要なのは“光る筐体”ではない。

輝く未来を作る意志である。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

消えるガム、消えるメダルで変化に適応する者が生き残る

ある街頭インタビューで、ガムに関する調査が行われていた。インタビューを受けた中年男性は、「もう10年以上、ガムなんて噛んでいない」と答えた。理由は「歯の詰め物が取れそうで怖いから」というものだった。おそらく、そこまで深く考えて答えたわけではないのだろう。だがこの一言に、現在のガム業界が抱える構造的な問題が凝縮されている。

ガムは眠気覚ましや口臭ケアの定番として、日常的に消費されていた。しかしここ20年の間に、ガムの市場は半分以下に縮小している。特にコロナ禍による生活様式の変化は決定的だった。外出が減り、人と対面する機会が減少。マスク生活によって「自分の口臭を気にする機会」すらなくなった。仕事もテレワークが増え、自宅でガムを噛む理由はますます希薄になった。

そうした背景の中、2023年3月には明治が26年間販売してきたロングセラー「キシリッシュ」を終売にした。2007年に260億円を誇っていた売り上げは、2022年度にはわずか20億円。76%もの激減だ。

一方で、意外なところに“恩恵”もあった。街中の清掃業者によれば、「噛み終えたガムがそのまま道路に捨てられることが激減し、清掃作業が格段に楽になった」という。以前はアスファルトや駅の床にへばりついたガムをヘラやスチーマーで剥がすのが日常業務だったが、その負担が激減したというのだ。

この話は一見、ガム業界だけの問題に思えるが、実はパチンコ業界でもよく似た現象が起きている。

キーワードは「端玉」だ。

かつてホールでは、端玉景品としてロッテ・ヤクルト商品が定番だった。しかし、貯玉システムの普及により、景品として端玉を持ち帰る客は減少。ヤクルトの出庫数は激減し、いまや端玉景品にヤクルトを置かないホールも珍しくない。

もちろん、それが即ホール経営に直結するほど大きな問題ではない。だが、この現象は、業界の仕組みが静かに、しかし確実に変わっていることを示している。ヤクルトが消え、そして今、スマート機の登場によって、メダルや玉すら消えようとしている。この変化によって、長年ホールに供給していたメダル・玉メーカーにとっては死活問題だ。

ただ、これも事前に分かっていたことだった。変化の兆しは何年も前から見えていた。だからこそ、先手を打っていた企業は、メダルや玉が不要になる時代に向けてホール運営の効率化を支援するソリューションの開発を模索している。

そして今、その差が表れはじめている。

ガムが売れなくなっても、清掃現場では「楽になった」という声が出る。メダルが消えても、それに代わる価値を作れる企業は次のステージへ進める。逆に、変化にしがみつくばかりの企業は、静かに市場から退場していく。

時代の変化は残酷だが、適応のヒントはそこかしこに転がっている。生き残るのは、常に変化に対応する企業だ。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

IR開業で大阪のスロット客が消える

ある遊技機メーカーが、近い将来に起こるであろう地殻変動を予測している。大阪IRが2030年に開業すれば、大阪のホールは確実に衰退のスピードを早めるというのだ。その理由は明快で、スロットの「太客」──つまり専業が、カジノへと流れていくという分析である。

スロット専業は、ただの遊技客ではない。データ解析やSNSを駆使して、設定状況の良い「信頼できるイベントホール」を見抜き、それが多少遠方でも移動は厭わない。フットワークは極めて軽い。

専業にとって移動距離は問題ではない。むしろ「勝てる場所」が存在するかどうかがすべてだ。大阪IRが開業すれば、その新天地が彼らの目の前に現れることになる。

ラスベガスのランドカジノにおけるスロットのペイアウト率は、一般に90〜95%程度とされている。しかし、開業当初のスタートダッシュを狙う大阪IRでは、初期段階で98%以上という高還元率を設定してくる可能性が高い。開業フィーバーと高還元の誘惑が重なれば、もはやホール側は太刀打ちできない。

さらに若年層の動きも見逃せない。彼らはコスパに敏感だ。カジノの入場料6000円を支払ってでも、「風営法下のスロットでは到底味わえない夢──一撃100万円超えの配当」を求めてカジノへ向かう。特にSNSで勝利報告が拡散すれば、一気にブーム化する可能性もある。

そして決定的な違いが「営業時間」だ。カジノは24時間営業である。

つまり、一度入場して飲食や仮眠もカジノ内で済ませれば、入場料の負担は相対的に軽くなる。中には数日間、場合によっては1週間単位で滞在する“猛者”も出るだろう。

対してホールは風営法に縛られ、23時閉店が原則。勝負を続けたい客ほど、カジノへと吸い寄せられていく構図だ。

現在、ホールではパチンコよりもスロットの設置比率が高くなりつつある。言い換えれば、スロット客を失えば経営の屋台骨が崩れる。IRカジノの開業は、ホールから太客を根こそぎ奪うことになるかも知れない。

もはや問題は「いつ奪われるか」ではなく、「どう備えるか」に移っている。ホールが生き残るには、カジノとは異なる遊技文化としての価値を再構築するしかない。交換率を7枚交換にすれば、設定6も入れやすくなる。

射幸性競争から一旦離れ、安心して長く楽しめる娯楽としての再定義が急務だ。

大阪IRの開業は、業界にとって試練であると同時に、再生のラストチャンスでもある。

ホールで夢を見せられなくなったとき、ファンは別の夢を選ぶ──その現実が、5年後に迫っている。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

防災グッズで拓くパチンコファン感謝デーの新提案

パチンコ業界にとって年に数回の恒例行事となっている「ファン感謝デー」。その名の通り、日頃の顧客への感謝を込めて抽選会を実施し、豪華景品をプレゼントする一大イベントである。

ところが、その景品ラインナップに新鮮味が乏しくなっている。液晶テレビ、ダイソンの掃除機や扇風機、炊飯器、ホットプレート、オーブントースターといった家電製品。あるいは折り畳み自転車やヨギボー、さらには食品の詰め合わせなど。

確かに一見豪華ではあるが、目新しさがなく、いささかマンネリ化しているのは否めない。

実際、各ホールでは「1等が当たったにもかかわらず取りに来ない」というケースすら発生している。結局、倉庫には余った景品が山積みとなり、最終的に社員に配られるという笑えない状況もある。これでは「感謝デー」の本来の目的が霞んでしまう。

そんな折、業界関係者の目に留まったのが「防災の日」の特集で紹介されていたサバイバルフーズのチキンカレーだ。これはフリーズドライ状態で25年間も保存できる非常食。お湯を注げばすぐに食べられる優れモノだ。


防災グッズといえば必要性を頭では理解しつつも、自ら積極的に購入する人は意外と少ない。だからこそ、景品としての魅力があるのではないだろうか。

例えば、保存水や非常用トイレ、携帯充電器、簡易ライトなどを防災リュックに詰め合わせた「防災セット」。あるいは、家族単位で備えられる非常食のパック。どれも生活の中で緊急時に役立つものでありながら、「欲しいけれど買わないもの」として景品の適性が高い。何より、防災意識の啓発という社会的意義も兼ね備える。

もしファン感謝デーを9月1日の「防災の日」に合わせて実施すれば、イベントの意味合いはさらに強まる。

単なる景品抽選会から、「来店客と地域社会を守る意識を共有する日」へと格上げできるのだ。ホールにとっても、「社会に貢献する遊技産業」というイメージの醸成につながる。

従来の家電や雑貨では、結局のところ「当たればラッキー」「もらえたら得」という一過性の喜びに留まってしまう。しかし防災グッズならば、家庭に長く残り、実際に役立つ可能性がある。その瞬間、景品は単なるオマケから「安心の備え」へと変わるのである。

パチンコ業界は長らく「ギャンブル依存」や「射幸心煽り」といった負のイメージに悩まされてきた。だからこそ、景品の見直しを通じて、社会とつながる新しい形を打ち出すことは大きな意義を持つはずだ。

マンネリ化した感謝デーを、地域と共生する未来志向のイベントに生まれ変わらせるチャンスでもある。

防災グッズを景品にすることは、業界に新しい風を吹き込むかもしれない。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。