松井一郎がまだ大阪市長だった2022年5月25日、大阪市議会は遊技のパチンコやパチスロなどをギャンブルと位置付け、依存症対策への支援を政府に求める意見書を全会一致で可決した。
意見書では、パチンコやパチスロなどは依存症患者が多く、依存症対策の底上げが必要だと指摘。カジノ事業との整合性からも国の適正な指導・管理のもとに運営されるよう法整備を求めた。
松井は「パチンコは夜店のスマートボールと同じ扱い」と強調。「ギャンブルと位置付け、真正面から依存症の方のケアに取り組むということだ」と述べた。
松井はこれまでもギャンブルとしてカジノが厳格に規制される一方、パチンコが遊技のため、実態とは異なり依存症対策などに開きがあるとしていた。
これはギャンブル依存症を理由にIRカジノ反対派から目を逸らせるために、パチンコをスケープゴートにしたい松井の思惑が透けて見える。
この大阪市議会の意見書に対して忸怩たる思いを募らせていたのが大遊協だった。同年6月3日に開催された総会の席上、平川容志理事長は「我々、遊技業界は健全に行ってきて許認可をもらっている。そのような事業・産業に対して違法なオンラインカジノと同列に並べて、遊技業界を貶めようとする政治的な言動は許されない。国、内閣官房の方から遊技業界の依存対策はしっかりと行われていると評価いただいた資料を付けて、市議会議長に陳情書を出した」と反論した。
あれから1年、大遊協はギャンブル依存症の元凶がパチンコ、という世論誘導に、これ以上言われっぱなしにはしない、との想いとも取れる意見広告を産経新聞など掲載した。全面広告なので大遊協の決意が感じ取れた。
そもそもパチンコがギャンブル依存症問題の標的とされたのは、2014年に厚労省(国立病院機構久里浜医療センターの研究グループ)が発表した536万人、という日本のギャンブル依存症の人数だった。しかも、このうち8割の430万人がパチンコの依存症と指摘された。当時の遊技人口が1000万人として、その半分が依存症と言うのも乱暴な話だ。
それから3年後の2017年3月に発表した厚労省の数字では、280万人に半減した。
どうして急激に減ったかと言うと前回が4000人にアンケート調査だったのに対して、今回は1000人に面談調査である。しかも前回は生涯を通じて依存症が疑われた人もカウントされていた。随分杜撰な数字に皆が踊らされた。
パチンコ=ギャンブル依存症の元凶という恣意的に作られたイメージに反論しなければ、言いっぱなしにされてしまう。
大遊協は6月23日にギャンブル依存症対策に関する講演会を開催した。基調講演を行った都留文科大学の早野慎吾教授は、都遊協の助成を受けて2020年に4万2880人にギャンブル依存症のオンライン調査を行っている。
その結果依存症の疑いは、オートレース37.7%、競輪32.6%、競艇31.7%、パチンコ26.3%、競馬18.6%、宝くじ10.1%だった。
参加人口が少ない競技は、依存症率は高くても、参加数が少ないので絶対数は少なくなる。一方、依存率は低くても、参加数が多いと絶対数も多いことが確認されている。
早野教授は「特にパチンコだけを問題視する要素はない。パチンコは元々身近なギャンブルだから問題と言われているが、それは間違い。最も身近なのは宝くじ。参加者はパチンコが720万人に対して、宝くじは8572万人。公営競技はオンライン参加できるようになり、パチンコより身近になっている。特定のギャンブルだけを問題視しても依存症問題は何も解決しない。客観的データを元にギャンブル全体で依存症対策が必要」と指摘している。
そもそもパチンコ以外のギャンブルが明確な依存症対策を打ってこなかった中で、パチンコ業界は20年前から対策を実施している。
1年越しで松井に反論したが、当の本人はとっとと政界を引退している。これ以上ボロボロ出てくるIR関連の責任問題を追及されるのが嫌になっていたのか?
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