ツアーの目的は初心者がどんなホールなら興味を持ってパチンコを打ってもらえるか、ということを調査することだった。1店舗当たり5000円の予算でパチンコを打ってもらった。
ピックアップされた6店舗は、いずれも地元では繁盛店だった。各店とも活気にあふれていた。その中でパチンコの初心者たちが一番驚かされた店舗は、客数の多さではなく、積み上げられた玉箱の数だった。各台計数機導入で玉積みしているホールが少なくなっている中、その店舗だけが玉積みを続けていたからだ。
玉積みされた圧巻の光景は、玉を出していることがパチンコ初心者でも一目で分かった。業界人にすればこれこそがザ・パチンコだった。初心者でも「自分も勝てるのではないか」と思った人が少なくなかった。今回の視察で、この反応が一番の収穫だった。
効率化と省力化を求めてホールは、低貸しコーナーから各台計数機の導入を進め、それがやがては4円コーナーへと浸透して行った。等価交換で出玉を競うことができなくなったホールにすれば、出していないことがバレないので好都合だった。
従業員にしても重たい玉箱の上げ下げの重労働からも解放され、労働環境は大幅に改善された。しかし、玉積みしなくなったことはホール側の都合で、ユーザーが求めたものではなかった。
出玉を競っていた時代は、等価が浸透すると1回の出玉も少なくなり、かつての3000個箱から上げ底で胡麻化した1000個箱になったが、それでも玉箱の数を見せることに拘った。40玉交換時代、箱の大きさを競い、やがては一番大きい箱は衣装ケースのような巨大な箱になった。人力では持ち上がらないので、専用のリフトを付けて玉箱を販売していた時代が懐かしく思える。
40玉時代に店長を経験した元業界人は「お客さんに玉箱を積んでもらうことが楽しみだった。等価になって1000個箱になってホールの質も落ちてきた。玉箱を積ませるということは等価ではできない。せめて30玉交換ぐらいで、玉積みを復活してもらえば、パチンコが見直される」と話す。
そのためには1個返しのスペックは廃止することだ。メーカーはホールが1個返しを望むから作るわけだが、それは本当のユーザーの声を無視している。ホールはどうしても儲かるスペックを選択して1個返しになる。ホールにとって儲けられる機種を選択し続けた結果が、業界衰退につながっていることを自覚しなければならない。
等価脱却と玉積み復活がパチンコ再生のカギとなる?
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