誤差玉の量が多い場合、補給や計数機器などの設備的なエラーを伴う場合が多く、比較的に原因を特定し易いことから対応策も一本道で、結果として大きな問題とならないケースが多いのではないだろうか。
一方、少量の誤差玉の場合はどうか?
店舗の対応策に量的な線引きがあれば、一定のライン以下は小さなものだと見過ごされるケースも多い。
連続して発生したならばまだしも、偶発的に発生した場合であれば、少量の補給系統の漏れを見て、機器の古さや据え付けのミスと断定され、追及を怠る場合も多いだろう。
付け加えて言うと、設置台数や稼働率によっても、小さな誤差玉は見逃されやすいと言える。
当該店舗では、ある時から4円パチンコに単発的な少量の誤差玉が発生した。
想定される機器のチェックや低玉貸営業(1円併設だった)や他店からの持ち込みなどを、データ以外にも現場での人的監視などやモニターの録画チェックを行うが、量の小ささから特定まで至らない。
そのうち発生頻度や量が増しだした。
紆余曲折を経て、腑に落ちる原因が特定される。
1-4=-3
一回の購買機会に対し、3杯の水増し不正があったのだった。
ずばりコーヒーワゴンの担当者による、計数機を経由した不正であった。
1円パチンコの玉で購入いただいた売上は、一杯100円であれば100個。
この売上を4円パチンコで購入したことにし計数すれば、+3杯の水増しとそれに該当する75個の誤差が、1円・4円双方に発生する。
店にとっては小さな誤差であるが、売り手であるワゴンスタッフ(男性もいるが)にとっては、大きな違いだ。
外注も多いコーヒーワゴンでは、売り上げに歩合や実質的なノルマを課す場合が多く、彼女たちにはそのノルマに応えなければといった、精神的なプレッシャーが根底にある。
管理する側の体制も、カップ数や詳細な売上履歴の記録などで、不正が出来ないようにと工夫を凝らしているのだが、僭越ながらその多くはザルと言える管理も多い。
さらにチェックの手間や、若い端麗な女性の管理に不向きな管理担当者(お手付きなどは最たる例)の存在など、外注特有の当事者能力を欠いた運営も盲点となり、結果的に手を染めやすい犯罪と言える。
前篇でルールだけではなく人・風土と書いたが、中には水商売で交わし方を熟知した者もいるワゴン嬢相手では、管理する人間側にも相応の見識や姿勢が要求される。
鼻の下を伸ばしたり、外見で人を判断する方では、その任に就くのは不相応であることは言うまでも無いが、やってはいけないことをしっかりと植えつける技量や風土が無ければ、結果として犯罪者を産むことになる。
今回の題材を「恐ろしい不正」としたのは何故か?
不正を働いた複数のスタッフに、私が聞き取りをしたところ、泣く者・しらばっくれる者・開き直る者…さまざまであったが、一人の女性スタッフが発した一言があった。
「パチンコ屋って誤差なんて普通にあるもんじゃないですか?」
彼女は聞き取りの冒頭、緊張しながらも「女」の顔を作り、上目使いでやり過ごそうとしたが、やがて開き直ったのだ。
この言葉の持つ意味・背後にあることを想像し、私は正直恐ろしさを感じた。
同時にこのような思考にある者の数を想像し、罪の深さを思い眩暈がした。
この事案については解ったことは、ほぼ全員のワゴンスタッフが不正行為に手を染めており、スタッフを総替えしても新人(他地域で経験があったが)・ベテラン(外注先は信頼していたようだが)のすべてが黒という恐ろしい結末であった。
第三者的な立場の私は、このワゴン業者の姿勢や考え風土に最初から大いに疑問があり、発覚後のリカバリー案についても不満があったが、きつく進言しても蓋をする姿勢・逃れようとする姿勢や経営陣のだらしなさに、当事者能力や自浄能力はまったく無いと途中から見限った。
不正発覚後に各スタッフへの教育を初めとする管理体制の見直しを行っても、不正は行われた。
最早スタッフの問題ではなく、結果的にワゴン業者による一企業としての犯罪行為とも言える状況だった。
以降の詳細は省くが、不正を働いた多くのスタッフは現在もどこかでワゴンの職に就いている。
彼女たちの前後の職場は、あらゆるエリアに散らばっている。
その事実からも、広域的に蔓延しているであろう事実が伺い知れる。
どうか関係者各位様におかれましては、事の恐ろしさに自覚のない不正で、大切なものを無くさないよう、業務の見直しやチェック・監査の導入とあるべき教育にご尽力いただく事を強く訴えたい。
人や風土やモラルも、管理体制やしっかりとしたルールが伴っていないと、道を誤らせてしまいかねない。
この2点をしっかりとすることで、初めて両輪として進めるという位の意識は必要であろう。
蛇足として付け加えるなら、このような状況を許す店舗では、もっと大きな不正(貯玉や誤差玉の赤黒の盲点をつく類のシステム・既成概念の裏をかく不正)にいつ見舞われてもおかしくは無い。
量的な大小では無いとも書いたが、重要なことは1円1玉でも疎かにしないという意識。
1円玉を拾う人間が少なくなった現代社会では、大衆娯楽の一翼を担う(と言うからには)業界には、ある種必要な感覚・意識ではないだろうか。
忘れてはいけない事実は、すべてはお客様からいただいた大切なお金なのだから。
終わり

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。
なるほど・・・
ピンバック: parasite
ダルそうに鐘を鳴らしながらクソ高いインスタントコーヒーを押し売り歩く、この手の奴らには何ら価値を感じてないので、良い機会だから全廃してはどうか(誤差玉の補填は客から回収するんでしょ?ふざけた話だ。)?
コーヒー飲みたいなら、自販機で買いますから(自販機は不正しないしね。)。
ピンバック: パチ打ち
個人的には日報史上最高のエントリーだと思いました。
人生においての教訓として心に刻ませていただきます。
大変勉強になりました。
ピンバック: ラムネ
1玉=いくらと言う概念がない業界だとは前から思っていました。
だって通路にコロコロ玉が転がってるわけで。
先日カウンター経験者の女の子と話しました。
その子の家にはいわゆる「プラス」になった文鎮が腐るほどあるらしいです。
それに、レシートが濡れたり、破れた際に『手打ち』と言う作業がある事にも驚きました。多くは…社員しか出来ない店がほとんどだが、彼女の店ではアルバイトも出来、日常普通に可能らしい。その後、手打ちのレシートをチェックする事もなく、一日を終える。
そうなんです。
連れがわざと破れたレシートを出せば、カウンターの子の技量でいくらでも文鎮を渡せるわけです。その後のチェックもないわけで。
怖いですね…。
銀行では1円足りなければ徹夜してでも探すと聞きます。店内に全部でいったい何球あるか知っていて、毎日チェックするお店どこかあるんでしょうか。目の前に1円玉、4円玉が落ちているのをシカトするようでは…こんな不正が起こっても仕方ないような気もします。
ピンバック: 源
思ったよりも根が深そうです。
別のところからも情報が入っています。
「これぐらいは別に・・・」
目の前の可愛い女の子にウケるなら、と見て見ぬふりをしている管理者がいるようです、想像以上に。
組織的な事案もあるのでしょうが、多くはコーヒー販売をしているスタッフ(主に女性)が自主的にやっているようですね。
ピンバック: 日報読者A
凄く大切なことだと思います。今一番パチンコ業界(ホールさんだけでなく、メーカーも!)に意識して欲しいことだと思います。
ピンバック: 一般遊戯者
店内で客が財布を取られたと警察に通報して巡査がきたとします
巡査は一番最初にコーヒーワゴンに行きます
コーヒーワゴンの盗難は多いんです
現金でやり取りするといつか必ず誤魔化す女性がいます
ピンバック: ドンタク
いや、パチンコ屋なんてこんなもんでしょ。
イメージ通りです。
ピンバック: 大福
これは想定内の問題だと思います。
これを想定していないホールの方が少ないのでは?
想定外のホールの関係者の無能を晒しているだけ。
ピンバック: 業界人
コメントを拝読しました。
厳しく玉1つまで管理しているホールは多いと思います。
それでも源さまのコメントレベルのホールはなくなりませんが。
コーヒー嬢のレベルが高い会社(ホール)はしっかり管理されているケースが多いですね。
業界人の間では【コーヒー嬢とホールのレベルは比例する】と言われます。この言葉が全てです。
元店長が玉1個の大切さを説いた記事があります。ご一読くださいませ。
http://blog.goo.ne.jp/tetorayade7511/e/9d5dfd24db94c1d7c64bb02b90761a81
ピンバック: 安全第一
計数機に流した玉の誤差玉をチョロマカス事など良くある話。微妙な数をチョロマカしたりね。パチスロのコインなどは、若い子は箱にコインを10枚ごとに綺麗に並べて入れてる子もいるから大丈夫だろけど、おおざっぱに入れる玉やコインの時は注意が必要だろうね、大量に玉やコインを計数機に流してるときは…セコイ店はチョロマカス場合があるので…現に、地元のホールで大量の出玉を計数機に流した時にお客様がある事に気づいて、所轄に通報、そのホールは数日間の営業中止をくらっていた。ぱちんこは1分間に100個発射するようなってるけど、セコイホールは1分間に103個、発射するように細工をしていた悪質ホールもあるほどだから。要注意だよ。バレなきゃ何でも有りの世界、一切、不正な事はやってません何て建前上はどこのホールも言う事、この業界の中には触れてはならないタブーの事が山ほどありますから。表には決して出ない事などがね。以前に、登録してた業界内では有名な攻略会社の方もこの業界は何でも有りだからねと言われていたのを思いだします。 随分、お世話になりましたね、攻略理論もしっかりと裏付けされていました。
ピンバック: 匿名
完全等価店なら玉でワゴンサービスなんてしなくていいと思います。
都内でワゴンサービスなんてやってるパチンコ屋は時代遅れだと思います。
私は気に入った飲み物が自販機で売ってなかったらコンビニまで買いに行きます。
300円~とかでインスタントコーヒーなんか飲んでいる時代じゃありません。
インスタントコーヒーは50円~100円でセルフサービスで提供すればいいと思います。
(お年寄りには店員が運べばよろしいかと)
ピンバック: 都内ファン
大小は問題ではないですね。
コーヒーレディーを派遣する会社のシステムに
問題があることが一番痛いと思いました。
お客様が心地よく遊戯できるためのサービスの一環であるわけなので、利益追求を強く表に出す。
雇用条件、環境は良い結果を生まないと思われます。
自動販売機に勝たなきゃ、価値がなくなるのに、
何を考えているのでしょうか。。。。
自動販売機の前に、ずっと滞在して、多少会話もしてくれる、若い子を派遣する行為の方がましに思えてきます。
ピンバック: ドラッカー
コンビニでも、百貨店でも、製造工場でも同じです。アルバイトを含めた従業員による窃盗が、店舗の利益率を下げます。
アメリカでは、20年以上昔から警鐘を鳴らされています。
派遣社員がメダルを持ち出して系列店で遊んでいたという、店長責任のエントリーと原因は同じですね。
ピンバック: 養分
2011年11月11日のエントリーを読み直したら、メダルを持ち出したのは派遣社員ではなく、契約社員でした。
失礼しました。
ピンバック: 養分
そもそも「コーヒーレディ」なんていらない。120円で自販機の缶コーヒー買うよ。いちいち通りがかり邪魔くさいし
ピンバック: しがない客
封入式パチンコになったらコーヒーレディはどうなるんでしょうな?
それはさておき
うちの界隈にあるP店を2例紹介します。
KN店:ドル箱は1500玉入る。玉がこぼれて床にあるとスタッフが拾って客に分けて返してくれる。
PRPR店:ドル箱は1200玉しか入らない。しかも箱の底は弾きやすい素材。なので、玉はよくこぼれる。スタッフは床に落ちた玉を拾ってどこかへ持って行く
1玉の価値は店も客も同じ。
床に落ちた玉は誰のもの?
自分から見たらPRPR店はゴトをしてるのと同じなんだが。
それは許されるのか?
ピンバック: ぱちんこふぁん
コーヒーレディがみずから計数するお店なんてあるんだWW
作り話にも無理がある。
ピンバック: だだだ
パチンコ店内のコーヒーのワゴン販売ってボッタクリ価格ですね。
類似するドトールとかはコーヒーの値段に場所の提供というのも含むのに、パチンコ店内で販売するコーヒーはそれと同等かそれ以上の値段で販売しています。
パチンコ店内で販売するコーヒーの値段が350円とかするのは異常なボッタクリ価格ですよ。
おまけにペットボトルの濃縮品を出すだけでコーヒーマシンで作ったわけでは無い。
不味いです。正直言ってタダでも飲みません。
高くて、不味くて、注文を取りに来るのがウザイ。客にメリットが一切無い!!!
特に「58」の注文のウザさは異常。
店内でのワゴン販売は廃止して欲しいものです。
PS.
マルハンの店内にあるコーヒー販売は機械を使った本格的な物で美味しいです。あのレベルなら許せる。
ピンバック: スガッター10号
コーヒーワゴンはぼったくりだけど必要な場合もある
けっこう常連客の見栄で買うんですよ
今の台はサポ中離れられないからそんな時はワゴンは重宝する
250円の値段だとまあ妥協かな
店内自販機の紙バック飲料の価格上げてる店は許せませんね
ピンバック: ドンタク
コーヒー嬢って何様のつもりなの?
頼みもしないのに顔の横にメニュー突き出して来るんだぜ!
急に視界にメニューが入ってくるのって不愉快極まりないわ。
こっちは赤の他人にそんな不愉快なことされるのを了解した覚えはないよ。
まあ、コーヒー嬢の無礼な振る舞いといいスールーやアタッカーを締める釘調整といい、店舗管理者たちは客に不快感を与えてナンボの商売だと思ってるのだろうね。
馬鹿じゃねーの?
ピンバック: 初心者
初心者様
私の地域ではかつて正面にメニュを出してましたよ
さすがにキレました
ところでコーヒーレディーとは意外でした
しかもお手軽(笑)
ハッとした方も多いのでは?
ピンバック: な だ さ
3ヶ月前の事ですが当店でもありました。
最初はぽつぽつと誤差球が出るくらいでしたが、誤差も小さく簡単に調べて終わらせていたのですが。
その誤差が頻繁にさらに誤差も大きく出だして、毎日あれこれ調べても何もおかしくない。
暫くして、まさかとは思いながらもコーヒーワゴンのシフトを確認すると、
あるコーヒースタッフとほぼ一致する事に気がつきました。
その子は誤差球が出ることを知らなかったみたいで、何回かしているうちにばれないと思ったらしく行為に及んだと。
その時は本当にまさかこの子が!と言う心境でした。
ピンバック: まさか。。。
この件も初心者さんの指摘は鋭い。
他のサービス業ならコーヒー売りのお姉さんの行為はあり得ないでしょう。
客を豚や鶏などの家畜と同じ様な扱いで、餌を与えるがごとくメニューを差し出す。
根本が客をバカにしないと出てこない発想だと思います。
この記事はコーヒー嬢の微罪を、罪の意識が薄いことに驚嘆したものですが、
大きな意味合いでいうと、結局パチンコ店やメーカーも含めた業界そのもの
を映し出した鏡のようなものが、彼女たちに反映されているだけでしょうね。
ピンバック: 一客
ワゴンのメニューカットインはあきませんよ
あれで出会い頭で目尻切ったりしたケースがある
メニューカットインと鈴鳴らして廻るのは禁止にしないとね
ピンバック: ドンタク
な だ さ さん
>私の地域ではかつて正面にメニュを出してましたよ
>さすがにキレました
ひどすぎますね。
よく教育されたワゴン嬢は肩の高さよりも
少し低い位置に差し出してくれるんですけど、
無能な管理者が多いと言うことの現れですね。
一客さん
御同意ありがとうございます。
ワゴン嬢のメニューの差し出し方を不愉快に感じてるのが
僕一人じゃないとわかって安心しました。
ピンバック: 初心者
連続ですけど
コーヒーワゴンのメニューカットインはどこの会社が始めたんですかね?
打っている客にメニューつき出すなんて他のサービス業では考えられない
新幹線でワゴンの女の子が座席の乗客にメニューつき出したらJRはメチャクチャに叩かれるよ
パチンコ屋の常識は世間の非常識だけどね
ピンバック: ドンタク