検定機構は2010年1月に設立され、初代理事長はホールを運営する玉越の高木一夫会長が就任していた。同年5月には国家公安委員会へ指定試験機関指定申請書を提出し、10月には受理された。
スタートラインには立てたが、ことし4月に不許可を通知されていた。
不許可理由は理事長が実質ホール経営者であったことや、機構の資産の5億円の大半を高木会長が拠出していたことなどから中立性などが問題視されていた。
そこで新理事長には元・名古屋市議会議員の吉田伸五氏を迎え、拠出金も1/10まで抑え、関連企業から出資を募るなどしたが、賛同が得られなかったために解散に至ったようだが、実はハードルはそれだけではなかった。
検査機関となるためには、遊技機を検査する設備機器が当然必要になってくる。
その検査機器は現在、保通協にしかない。検定機構が資料もなしにゼロから自前で作るとなると4~5年はかかる、ともいわれていた。
それを製造して、保通協に納入しているメーカーに同じものを発注すれば一番早い話だが、メーカーは検定機構に売ることに首を縦には振らなかった。
当該メーカーと保通協は二人三脚の体制で、開発にも膨大な時間と開発費を費やしてきた。いくら商売とはいえ、警察庁や保通協の許可がないことには、検査機器をライバルとなる検査機関に販売できるはずもない。
当然のことながら検定機構は検査マニュアルすら持ち合わせていなかった。
一番肝心の検査マニュアルや検査機器が、まさに手探りの状態だった。
そんな状態では、相当な時間とおカネを要することは容易に想像が付く。
そもそも第二保通協をつくるきっかけとなったのは、民主党の山田正彦衆院議員が2007年6月15日、衆議院内閣委員会で、保通協について次のように言及したことによるものだった。
まず、保通協とは、「役員に警察出身者が多く見られること(いわゆる天下り)、競合する機関がない」「競合する機関がなく非常に高コスト体質であること」、「検査の時間が異常にかかる」、「型式試験の手数料は都道府県警察関係手数料条例で定められており、一機種につきパチンコでは約百五十二万円、パチスロでは約百八十一万円かかる」と指摘。
「いわゆるメーカー、パチスロだけで五十社ぐらいあるようですが、その五十社ぐらいの中で何種類も型式の認定を出されるわけですが、今回、二百万台の入れかえで、実際に保通協そのものがこの検査でパンク状態になっていて、受け付けをくじ引きでしている。機械が間に合わない。業者によっては、機械を買いたいけれども、保通協の検査が通らないから、保通協が、少人数というか、五、六十人らしいんですが、しかもくじ引きで検査を受けている、そこでこういう問題が起こってきて業界は非常に混乱し、倒産に拍車をかけている。単にこれを保通協一社だけにしているというのは、これはけしからぬのじゃないか」
これに対して溝手国務大臣から「保通協以外に認めないのか、認めるのかという問題が一点あったと思います。これは、もちろん、そういう条件を満たせば、そうした団体を指定することは当然あり得るわけでございます。試験事務の公正中立性を確保するため、公益法人であることを要件にしておるわけで、そういう機会があれば、それは認めていくことにはなると思います」という答弁を引き出していた。
かつて、日工組に加入するにはかなり高いハードルがあった。
その一つにメーカーとしての実績を問うものがあった。日工組に加入できるかどうかも分からないのに、工場設備を設けるメーカーはなかなか現れなかった。
保通協しかり。
公正中立性があり公益法人の要件を満たしていれば、団体指定を受けることはあるとはいえ、検査機器や検査マニュアルの資料などが公開されていない
現状では、実質新規参入はかなりハードルが高い。

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またうそばっかり書いて(笑)
検定機構の技術顧問がどこ出身で、
保通協のノウハウをどうやって入手して、
設備を整えて、警察庁に設備面に関してはOK出させた(保通協以上に完璧だったので出さざるをえない)のか、とかはあえて書かないんですかね。
そしてそ技術顧問が第三保通協目指してる話もスルーですか(笑)
ピンバック: そっち系の人
詳しい話は全く知りませんが、日工組はどうして新規参入を認めたがらないのでしょうかね?
閉鎖的な環境では、今後も一向に良くならないですね。
ピンバック: 販社M
その昔、日遊協証紙の通し番号シールに、メーカー略号が通し番号アルファベットで刻まれていた頃
アルファベット通し番号は、僅かな例外を除いてきれいに五十音順に並んでいた
つまり、日遊協創設メンバー以外の参入がほぼ不可能だったことが示されている
特許を盾に新規参入を認めなかった理由は簡単だ、自由化すれば殿様商売が不可能になる可能性が高いからだ
では、例外とはどこか。サミーと三星(旧スリースター、現サンセイアールアンドディ)である。共通点は、どちらもかつてアレンジボールを作っていた会社だということ。
どういうことかというと、この二社は独自特許だけでパチンコ台を製造可能だったんです。だから、いわゆる「俺特許」メーカーの存在を許すよりは日遊協に加盟させたほうが得策だと判断された。
なお、現在は日工組だけでなく日電協でもパチスロ用の証紙を出している。また、加盟も30社を超え、当時と異なり2ケタのアルファベット記号が付いている。また、現在のアルファベット記号は通し番号ではない。
ピンバック: そのへんの客
「手っ取り早く遊技機メーカーになるには」と題したコラム記事がありましたのでリンク貼らせていただきます。
ご興味のある方はどうぞご覧下さい。
ttp://p-media.org/modules/news/content2967.html
ピンバック: ・・・・
業界の形態が変革すれば、待望としてパチンコ産業が輸出産業に展開できるきっかけに成り得たのに、本当に残念です。今後もこれに屈せず高木氏には頑張って頂きたいものです。
ピンバック: NSD