パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

等価だから出玉で勝負が謳えないのなら等価を止めろ

過日、パチンコ業界でいち早くギャンブル依存症問題に立ち上がった3代目ホールオーナーが、75年のパチンコ事業の歴史に幕を閉じた。ホールは2店舗を残していたが、他社に事業譲渡した。今後は早くから他業界に参入していた事業で会社を継続していく。

「パチンコ業をもう一度大衆娯楽に…」との想いでこれまでやって来たが、「昨今のパワーゲームには付いて行けなかった」というが、やるだけやったので悔いはないとも。

これまで自らもギャンブル依存症の講演に登壇してきた。現状の問題点は「公営ギャンブルのオンライン化」と指摘する。

「依存は複数のギャンブルに手を出すことで進行しやすい。スマホで宝くじをポチッと購入し、馬券をポチッと購入し、ボートをポチッと購入する。オンライン化により、若者が問題ユーザー化しやすいのは明らか。だいぶ心配」と述べている。

現状のパチンコ業界も射幸性が命とばかりに、メーカーもホールも、末端ユーザーも高射幸機を求めているが、そんな状況が未来永劫続くはずもなく、いずれ破綻する時が訪れる。

メーカーは機械が売れればいいので高射幸機を開発し続けるが、それはそれで一つのビジョンなのかもしれないが、問題はホール側にある。業界が業績が落ち込む中で、明確なビジョンを持っていないことが、遊技人口を減らし続けているともいえる。

ホール側から聞こえてくるのは「顧客満足の追及」という漠然としたものだ。では、ユーザーが一番求めているものは何かと言えば「出玉」だ。これは時代が変わろうとも普遍的な課題だ。

今、ホール企業で「出玉で勝負」を明確に打ち出すところは皆無だ。「顧客満足の追及」でお茶を濁している。

むしろ、上位ホール企業は利益追求に比重を置いているので、等価交換では出玉で勝負なんてことは口が裂けても言えない。

なぜなら同じ粗利で薄利多売をシミュレーションしても、効果がないことが明らかになっているからだ。絶対的客数がない現状で薄利多売は絵に描いた餅だ。

まったく業界のことを知らないコンサルが現状を打開するには、こう提案する。

売り上げ・粗利も上がらない1パチは全廃。4円で営業するには50玉交換にするしか将来はないと指摘する。

業界人からすれば、ギャンブラーしか残っていない現状のパチンコ業界でそんなことをすれば壊滅する、という意見が大半だ。これこそがパチンコ脳だ。

前出の3代目ホールオーナーが業界から退場した理由は、パワーゲームに疲れたように、遊技に引き戻すことに疲れたのかもしれない。




人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

逆張り戦略。スロット7枚交換でも支持される駅前小型店

今どき、スロット7枚交換のホールがある。しかも、稼働はついている、という。論より証拠。百聞は一見に如かず。現地へ飛んだ。

そのホールは関西のとある駅前商店街の中にあった。200台程度の小型店だった。全国的に見ても一番閉店を余儀なくされている立地パターンだ。

実際、目の当たりにしたスロットのメイン機種であるジャグラーコーナーは、20台ほどだが満台状態だ。


どうして7枚交換でも客を付けることができるのか? 同ホールの部長はこう明かす。

「チェーン店は5店舗あり、2011年10月に警察から一物一価の徹底を指導された時に遡ります。この店は元々7枚交換の43玉交換で営業していました。他のチェーン店は競合店との兼ね合いもあり、スロットは5枚の等価に合わせたのですが、地域性を考慮して熟考に熟考を重ね、この店だけは7枚を維持し、パチンコを35個交換に変更しました。一物一価の徹底で、大半のホールがスロットは5枚交換に走る中で、敢えて逆張りを通しました」

アーケード街の中にあるホール。駐車場はなく、外部から来る一見客はほとんどいない。常連客が8割、という状況から7枚交換を貫いた。

7枚交換のメリットは平常営業でも設定を入れやすことにある。常連客にもその営業方針は支持されていた。

しかし、コロナ禍で最大のピンチを迎える。高齢者が多いこともあって、出歩かなくなったために、売り上げが激減。2年間赤字が続き、オーナーは閉店も視野に入れた。5店舗あったチェーン店もここ1軒となり、会社の存続にも関わる問題だった。

一計を案じた部長は、ここで黒字へ転換させるために、秘策に乗り出す。それは一番コストがかかる新台は一切買わない営業方針を打ち出した。

常連客の反応は、冷ややかだった。「中古しか買えないということは、もうじきここも閉店だな」と陰口が叩かれるようになる。

この反応に対して部長は腹をくくる。

「中古しか買えないケチなホールとは思われたくないので、来店イベントの時、スロットは絶対に出すようにしています。幸い、駐車場もないような立地なので出してもプロが来ることもありません。常連さんにきっちり還元することができます。小規模店なので全6だってできます。どこに座ってもハズレがない。もちろん、イベントの時に出して、平常営業で出さないのでは、常連さんに来てもらうことはできないので、平常でも設定は入れています。それが口コミで広がりはじめ、最近は若いお客さんも来るようになりました」

小型店ならではなことは、常連客の顔がすべて分かること。設定を担当している主任は、常連客が打つ台を把握しているので、負けが込んでいそうな場合は、その常連客が打つ機種に設定を入れたりする。

スロットの機種構成は4分の3がAタイプなので、設定通りの動きをするので設定も入れやすい。

一方のパチンコは、35個交換なのでスタートは20回以上はしっかり回る。さらにベースも殺さないので玉持ちがいい営業を心掛けている。ちなみに、話題のラッキートリガー機については「長く遊んでもらえる機械ではないので」導入していない。


新台を買わない営業を貫いた結果、黒字営業に戻り、閉店の話も霧散した。

やはり等価営業では難しい、平常営業でも設定を入れる、パチンコは回らないというストレスを与えない、イベントではきっちり還元する営業方針が支持されているのは、7枚交換だからできることでもある。

ただ、他店が7枚交換を直ちに真似ても集客は難しい。5枚交換に慣れ切っているお客にすれば損した気分になるからだ。そこを解消するには平常営業でも設定を入れていくしかない。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

店内に超小型ドローンが飛ぶ時代

2024年10月の最低賃金の全国平均が1055円なのだが、石破首相は岸田政権時代に2030年代半ばまでに最低賃金1500円としていた政策を2020年代と前倒しした。今回の衆院選では野党も一様に1500円を選挙公約に掲げていた。

後5年で1500円を実現しようと思えば、毎年平均90円、7%超の上乗せが必要だ。元財務官僚の高橋洋一氏は「過去平均が2%台。7.4%は今まで上げたことないような数字を5年連続でしないといけなくなる。すぐウソって分かるんだけど、はっきり言って、国民がナメられている」と現実性がないことを指摘している。

ま、慢性的人手不足だったパチンコ業界は、高額時給で募集していたので、1500円といってもそれほど驚かないかも知れないが、全国平均で1500円ということは、その頃には、パチンコ求人は2000円以上になっていることを意味する。

少子化でますますホールの求人は窮地に立たされることが予想されるわけだが、人手不足解消の決定打となり得るのがロボットの活用だ。パチンコ業界でも一部のホールではロボットの導入が進んでいる。

では、実際にどんなロボットかと言えば掃除ロボットだ。

2019年2月に新規オープンした「ZENT豊橋藤沢店」は、1000台クラスの大型店を4人でオペレーションする実験店でもあった。その一環で掃除ロボットも導入され、夜間、店内の床掃除を担当していた。

掃除ロボットはスーパーやドラッグストアー、介護現場などでの導入が進んでいるが、ホールでの最大の弱点は遊技椅子周りがロボットではできないこと。どうしても通路までしか対応できない。

ゴミやほこりは中央から端に移動するので、椅子周りは人手に頼らないといけないとなると、何のためのロボット化かということになる。

省力化、無人化が進む中でホールの一番の不安材料はゴト対策だ。

スマート機化が100%完遂した時には、不正に対して遊技機の方で分かる仕様になっているので、その心配も軽減される。特にスロットコーナーであれば、他店コインの持ち込みもなくなるので、ゴトの心配も軽減される。

さらに万全な体制を敷くために開発が進んでいるのが超小型ドローンだ。あらかじめゴト師と登録された要注意人物が入店するとドローンが近づきロックオン。監視体制を開始する。無人化で手薄になっても、見張られているという抑止力が働き、そのような店にはこなくなる、ということだ。

掃除ロボットが現在進行形なら、ドローンは近未来のセキュリティーロボットとも言える。無人化時代にはそんな光景が当たり前になっているのかも知れない。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

もしもテレビ局がホール経営を始めたら?

ある日、テレビの製作会社で「もしもテレビ局が〇〇を経営したら」というテーマが持ち上がった。何ともお茶目なアイデアだが、スタッフたちは本気で35業種にも及ぶアイデアを出し合った。ラーメン屋、コンビニ、タクシー会社、フードデリバリー、スーパーマーケットなど、ありとあらゆる業種がリストアップされた。どれもこれも「まあ、ありがちな企画」と言えばそれまでだが、唯一「これは面白い!」とスタッフ全員が興奮したのがホール経営だった。

まず、ラーメン屋。確かに日本中の誰もが好きなラーメンだが、売り上げがたかが知れているということもあり、テレビ向きのインパクトには欠ける。また、フードデリバリーに関しては、当たりの配達員としてタレントがやってくるという一見面白そうなアイデアが上がったものの、これも所詮は一時の話題で終わりそうだ。そういった中、ホール経営の話題が飛び出すと、そのスケールの大きさに一同は納得し、興奮を隠しきれなかったのである。

「ホール経営なら、単なる企画を超えて、実際に再生可能なビジネスになるかもしれない!」

番組の方向性はすぐに決まった。潰れかけたホールをタレントたちが力を合わせて再生させるという壮大な計画だ。例えば、500台のホールがあるとすれば、100台ごとに5人のタレントがチームを組み、そのコースを運営する。これは単なるホール再生だけでなく、タレントの運営センスが試される、まさに「リアリティ番組」の醍醐味を味わえる企画である。

そして、店長候補として名前が挙がったのが、あの橋下徹氏である。これには視聴者も驚きを隠せないだろう。彼はパチンコとは無縁のイメージが強いが、その強烈なキャラクターと、ギャンブルに対するアンチテーゼとしての役割を期待されている。彼の手腕で、パチンコがどのように変貌するのか、その成り行きには興味が尽きない。

さらに、ギャンブルイメージを払しょくするために、ホールの全台を甘デジに設置し、交換率はなんと50玉交換とする。

「ギャンブルじゃなくて遊技を楽しんでもらいたい」というコンセプトに徹底してこだわることで、新しい客層を呼び込むのが狙いである。売り上げや粗利はすべてガラス張りにして公表するという大胆な方針も、視聴者の信頼を得るための一手だ。

ホールスタッフにはタレントのタマゴを起用し、エンタメ要素をふんだんに盛り込む。彼らの成長や奮闘が番組をさらに盛り上げるだろう。この企画の目標は、ギャンブルではない「新しいパチンコ」を追及することである。実際に番組として放送しながら、同時にホール経営も行うという、かつてないチャレンジだ。

話題性は十分すぎるほどだろう。パチンコをギャンブルではなく遊技として楽しむ本来の客層が再びホールに足を運ぶきっかけとなり、パチンコのイメージを一新する可能性すら秘めている。閉店予備軍のホールが多く存在する今、こうした番組が現実になる日が来るのかもしれない。いや、もしかしたら、その日はもうすぐそこまで迫っているのかもしれないのだ。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

猿真似をしないポリシーのホールが猿真似をする意味

地方のホールがいきなり都心へ出店したことは、“喧嘩の技術”を磨くためで、レベルの高い相手と戦うことが目的だった。駅前に大型店を出店した時は、パチンコ業界のヨドバシカメラになることで、郊外型のヤマダ電機になることではなかった。

業界で注目されるホール企業だが、社長が業界誌のインタビューに登場したことは一度もない。「出たがり社長の会社は潰れる」というポリシーがあるからだ。

このホール企業のOBによると、同業他社の猿真似が何よりも嫌いで、業界セミナーの参加も禁じているほど。考え方が同質化するからだ。月2回の会議はコンパと呼ばれ、酒を飲みながら行われた。

日頃から常に自ら考えることが癖づけられており、同業他社が誰もやっていない企画は、少々コストがかかっても比較的簡単に稟議が下りる。

ほんの一例だが、店内ルールの禁止事項を放送する場合、本物の声優を使い、遊技台のキャラ風に注意する。

ホールのマスコットキャラクターと言えば、一般的にはカワイイ系になりがちだが、同社では敢えて悪をウリにしたキャラクターで打って出た。コンセプトは「店を滅茶苦茶にするイタズラ者」。この方が顧客も感情移入しやすい。この戦略はズバリ当たり、他法人がこれを真似て不良風のキャラクターに変更したほどだ。

他社なら絶対稟議が下りないようなことも、「面白い!」と社員の遊び心を優先する。

だから販促力=伝え方が上手い、となる。

これを取材したのはもう8年前のことだった。

師走のアメ横は大勢の買い物客でごった返していた。


上野にホールが林立していた時代は、ホールも賑わったものだが、今はその面影もない。

中でもひと際寂しかったのが前出のホールだった。業界人が試しに打ってみたが「回らない」。

手にしたチラシのチェーン店の来店・取材イベントスケジュールを見ていた30代の客2人が「名のある芸能人ならまだしも。行って見たくなるライターは一人もいないな。この人選ではよっぽどカネがないんだろうな」と話しているのが聞こえてきた。

業界人は身分を明かして声を掛けた。

彼らは専業だった。

「都内のイベントをメインに回っているけど、今は出ないね。昔は月に65万円ほど稼げたけど、最近は稼げない。今は大きなイベントの時に行くぐらいで、水商売で働いている」と現状を語ってくれた。

話しをこのホールに戻すと、どこのホールでもやっているような来店イベントをやっていることに現状の稼働が現れているのではないだろうか。

他ホールの猿真似が嫌いなポリシーは何処へ。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。